介護保険施設看護職の教育・研修プログラムの普及・拡大並びに看護管理者育成・支援モデルの開発

文献情報

文献番号
200400982A
報告書区分
総括
研究課題名
介護保険施設看護職の教育・研修プログラムの普及・拡大並びに看護管理者育成・支援モデルの開発
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
中村 惠子(青森県立保健大学健康科学部)
研究分担者(所属機関)
  • 小山 敦代(青森県立保健大学)
  • 奥野 茂代(長野県看護大学)
  • 勝野 とわ子(東京都立保健科学大学)
  • 吹田 夕起子(青森県立保健大学)
  • 太田 規子(長野県看護大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
4,050,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は,高齢者ケアの質向上をめざし,介護保険施設看護職のケア実践力向上と,人材育成やケアサービスの質的向上に重要な役割を担う看護管理者のマネジメント能力,システム変革能力向上のための教育プログラムの開発・普及と看護管理者を支援するネットワークを構築し,介護保険施設職員の資質向上を推進することである。平成16年度は,上記目的を推進するため5つの研究事業を行った。
研究方法
研究事業毎の研究方法は,①長野・青森において各2日間,「看護管理,組織開発,職員教育」等で構成した看護管理者育成プログラムに基づいたセミナーを実施した。②米国の高齢者ケア施設4施設を視察し,高齢者ケアサービスの実態と人材育成システムに関する視察と情報交換を行った。③看護管理者育成セミナー受講者を対象に,看護管理者の教育・支援を可能にするネットワーク構築のための質問紙調査とワークショップを行った。④平成15年度実地研修研修者のフォローアップ研修を行い,長期的な研修効果の評価とプログラムの再評価と洗練を行った。⑤7都道府県14特別養護老人ホームの看護職が実践する先駆的な取り組みについて面接調査を行った。
結果と考察
セミナーでは,介護保険施設に限らず高齢者ケアに携わる看護職の自己の課題や展望を見出し前向きな気持ちへと変容させること,看護職と介護職の役割と責任の明確化,職員のエンパワーメントが形成されることが確認された。ワークショップでは管理者の孤独な実態が出され看護系の大学が果たす役割や看護管理者のネットワークが必須であることが確認された。フォローアップ研修では,研修1年後の情報交換と研修成果の確認によって研修者はエンパワーメントされた。海外の視察から得られた最も重要なことは,徹底した人材育成によって質の高い施設ケアがなされ,質が低下すれば施設運営自体が成り立たなくなる。また,高齢者ケアは総合的なケアの力量が問われ,中でも看護職は施設長,看護部長,コンサルタントなど多くの重要な任務を担っていた。優れた人材によってのみ施設の継続が得られることが明快に示されていた。看護活動事例集は特別養護老人ホームで活躍する14事例について報告した。
結論
5つの研究事業は,高齢者ケアに携わる看護職の実践及び管理者レベルの人材育成であり,厚生労働省がこれからの課題にしている介護サービスの基盤整備として人材育成に合致したものであると言える。

公開日・更新日

公開日
2005-07-22
更新日
-