精神科看護における介入技術の明確化及び評価に関する研究ー精神科訪問看護と急性期病棟における看護業務

文献情報

文献番号
200400980A
報告書区分
総括
研究課題名
精神科看護における介入技術の明確化及び評価に関する研究ー精神科訪問看護と急性期病棟における看護業務
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
萱間 真美(聖路加看護大学)
研究分担者(所属機関)
  • 宮本 有紀(東京大学大学院 医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
4,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本研究は①精神科訪問看護、および②急性期入院治療、における介入技術およびその効果を明確にすることを目的とする。 
 今年度は、①精神科訪問看護導入前後に要した医療費について、公表されている統計及び該当する時点での診療報酬の点数表を用いて試算し、訪問看護開始前後の一人当たりの医療費の変化を検証すること、訪問看護におけるケアの内容を整理すること、②急性期クリニカルパスの作成にあたり各委員会の機能と効果を記述すること、を目的として行った。
研究方法
①精神科訪問看護:平成15年度に調査を実施した病院および訪問看護ステーション計20施設、138名の統合失調症の訪問看護対象者について、訪問看護開始前後4年間に要した医療費を推計し、その変化や他の資料との関連を検討した。推計値の妥当性を検討するため、一部対象者について診療報酬明細書(レセプト)との比較を行った。
 また、訪問看護ステーションの管理者10名への面接調査と文献レビューから、管理者が訪問看護師に行っている支援、訪問看護師のケア内容について質的に分析した。
②急性期クリニカルパス:平成15年度に開発した精神科急性期クリニカルパスを土台として、より実用的なクリニカルパスを開発し、そのプロセスで各組織の果たした機能やその効果について検討した。
(倫理面への配慮)厚生労働省による疫学調査倫理指針に基づき、調査対象者に対して調査の施行を説明・告知し、拒否の場合の意思表示の機会を保障し、意思表示を尊重した。研究計画は、東京大学大学院医学系研究科研究倫理審査委員会による承認を受けた。
結果と考察
 精神科訪問看護開始前の医療費3,658,841円に比べて、開始後の医療費は 2,954,346円と大きく減少しており、統計的にも有意な差であった。精神科病棟への入院費は大きく減少し、訪問看護や社会資源の利用に伴う医療費は増加していたが、医療費総額は、減少したことが示された。
 訪問看護ステーションの管理者による訪問看護師への援助内容、および訪問看護師が行っているケア内容を分類した。
 精神科急性期クリニカルパスの作成にあたって、ワーキンググループの果たす機能と具体的活動過程を示した。
結論
 精神科訪問看護を導入した138名の統合失調症患者について、訪問看護導入前後に要する医療費を算出したところ、訪問看護導入後では、医療費が大きく減少していた。

公開日・更新日

公開日
2005-04-07
更新日
-