効果的な歯周疾患のリスク判定法および予防体系の開発

文献情報

文献番号
200400977A
報告書区分
総括
研究課題名
効果的な歯周疾患のリスク判定法および予防体系の開発
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
鴨井 久一(日本歯科大学(歯学部歯周病学講座))
研究分担者(所属機関)
  • 佐藤 勉(日本歯科大学(歯学部衛生学講座))
  • 鶴本明久(鶴見大学(歯学部予防歯科学講座))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
14,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
①歯周治療終了後のメインテナンス患者について、唾液検査による歯周組織の安定性把握と予知の可能性を検索する。②定期企業健診受診者について、唾液生化学・細菌検査結果と歯周疾患の臨床パラメーターとの関連を検討する。③昨年度作成したデータ収集・分析システムを用いて、各唾液検査項目のスクリーニング有効性を検討する。
研究方法
①慢性歯周炎治療終了患者でメインテナンス治療を1年以上継続して受けている者を対象に、唾液生化学・細菌検査と病態検査を実施した。②定期企業健診受診者について唾液生化学・細菌検査結果と歯周疾患の各種臨床パラメーターとの関連性を調べると共に、各検査のスクリーニング有効性を喫煙状況別に検討した。さらに、生化学検査項目について安静時唾液と刺激唾液とで比較検討した。③口腔状態の比較的良好な集団において唾液検査を実施し、昨年度作成したシステムを用いてそれらのスクリーニング有効性を検討した。
結果と考察
①歯周治療終了6ヶ月後の生化学および細菌検査値(P.iを除く)はいずれも低下傾向にあったことから、これらの検査はモニタリングに応用できるものと考えられた。②平均PDはASTとLDH、PlIはLDH、CPI最大値はAST、LDH、ALPとそれぞれ有意に関連しており、これらは歯周疾患検査項目として有用と考えられた。また、喫煙は各検査項目のスクリーニング有効性に明らかな影響を及ぼさなかった。③安静時唾液と刺激唾液では唾液因子に違いがみられるものが見出されたことから、唾液採取法に関するさらなる検討が必要と思われた。④口腔状態の比較的良好な集団におけるCPI1と2のスクリーニングには従来のLDHおよびヘモグロビンに比べ、ASTとALTが有用であった。それらの診断基準値として50U/L、ALTで25U/Lを設定することができた。
結論
①今回実施した生化学・細菌検査は歯周治療後のモニタリングに有用である可能性が示された。②AST、LDH、ALP検査は歯周疾患の検査項目として有用であることが示された。③一部の唾液因子は唾液採取法により影響を受けることが示された。④口腔状態が比較的良好な集団におけるCPI1と2のスクリーニングには、従来のLDHおよびヘモグロビンに比べ、ASTとALTが有用であった。

公開日・更新日

公開日
2005-07-11
更新日
-