OSCEトライアルの実施等国家試験の改善にかかる研究

文献情報

文献番号
200400976A
報告書区分
総括
研究課題名
OSCEトライアルの実施等国家試験の改善にかかる研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
相川 直樹(慶應義塾大学医学部救急医学)
研究分担者(所属機関)
  • 畑尾 正彦(日本赤十字武蔵野短期大学成人看護学)
  • 伴 信太郎(名古屋大学医学部付属病院総合医療医学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
9,450,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
OSCEトライアルの実施等国家試験の改善にかかる研究
研究方法
1.Advanced OSCE トライアル
1)新ステーションと課題レベル
2)身体所見の模擬患者
3)トライアル後のアンケート調査
2.全国80大学へのAdvanced OSCE の現況に関するアンケート調査
3. 欧州における基本的臨床技能の望ましい評価法についての調査
結果と考察
「全身診察」はステーション時間15分のAdvanced OSCEに適切であると確認された。「胃内視鏡検査前説明」は課題の設定とcontent を調整すれば種々のレベルのAdvanced OSCEのステーションになり得る。リアリティもあり身体診察の模擬患者を養成できることが確認された。
トライアルの開催により、Advanced OSCE に対する認識が高まり、その普及に貢献すると考えられる。
医師免許取得時の臨床能力評価のうち、技能・態度の評価法について、オランダのマーストリヒト大学医学教育研究部を訪問してその現状を調査した。欧州の多くの国々では、医師国家試験さえもなく、基本的臨床技能を含む基本的臨床能力は“In-training examination”で評価されており、臨床技能・態度を評価する際には、OSCEに加えてmini-Clinical Evaluation Exercise(mini-CEX)での評価が推奨されていた。
結論
・新しいステーションの開発と課題のレベルの確認は国家試験OSCEの導入にとって重要であり、今後もさらに多くのステーションの開発を進めることが望まれ、身体所見を演じる模擬患者を養成できることは極めて有用である。
・Advanced OSCEへの認識が高まり、卒前臨床実習後・卒業時点のOSCEばかりでなく臨床研修においてもOSCEが普及すれば、国家試験にOSCEが導入される基盤形成に役立つと考えられる。
・全国の大学においてAdvanced OSCEが急速に導入されており、これはさらに拍車がかかると推測される。
・欧州先進諸国では、カナダ、米国のように国家試験としてOSCEを導入している国はなく、基本的臨床能力は“In-training examination”で評価されていた。
・今後の日本における臨床技能態度の評価は、その学生の学習態度に与える影響を勘案しながら、費用対効果等の多面的な検討を要すると考えられた。

公開日・更新日

公開日
2005-07-22
更新日
-