文献情報
文献番号
                      200400965A
                  報告書区分
                      総括
                  研究課題名
                      認定病院間の医療事故情報共有による患者安全の推進と医療記録の検証による事故防止策の実施に関する研究
                  研究課題名(英字)
                      -
                  課題番号
                      -
                  研究年度
                      平成16(2004)年度
                  研究代表者(所属機関)
                      大道 久(財団法人日本医療機能評価機構)
                  研究分担者(所属機関)
                      - 今中 雄一(財団法人日本医療機能評価機構)
- 寺崎 仁(財団法人日本医療機能評価機構)
- 長谷川 剛(自治医科大学外科学講座)
研究区分
                      厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
                  研究開始年度
                      平成15(2003)年度
                  研究終了予定年度
                      平成17(2005)年度
                  研究費
                      10,000,000円
                  研究者交替、所属機関変更
                      -
                  研究報告書(概要版)
研究目的
            認定病院において経験された医療事故または警鐘的事例を病院間で共有し、その原因分析と再発防止策について検討することで、効果的な患者安全の推進を図ることが目的である。また、診療録等の医療記録の点検・評価は医療事故の発生状況の把握と有効な防止策の作成に必須であり、記録の検証とその活用のための具体的な方法と手順を確立することも目的とする。
      研究方法
            事故事例に関する情報提供の受け入れを継続し、投薬プロセス・処置チューブトラブル・IT化情報機等の既設の検討部会に加えて、「教育プログラム検討部会」を設置して検討体制の充実を図る。また、医療記録の点検・評価の方法と手順を確立するためにChart review 検討会で記載指針の普及を図るとともに、記録内容の点検・評価に関する現状調査と、実施に向けた組織体制の検討とその試行を行う
      結果と考察
            参加病院は850病院に達し、多岐にわたる協議の成果はセミナーやジャーナルで定期的に病院に還元された。Chart review 検討会では記載指針を改定し、退院時に記載の不備を点検するための運用手順を明確にした。記録内容の点検・評価の実態について認定病院を対象に調査し、病院として何らかの対応をしている事例は極めて限られていることが確認された。検討会では、事前に問題事例を抽出し、院内に組織した専門委員会等で詳細に検討する手順等を示して試行的に実施を開始した。今後、参加病院の実践段階でそれぞれの有効性を検証することとした。
      結論
            検討の結果で提言されたKCl 等の扱いが各病院で受け入れられ、希釈製剤が商品化されるなど活動の成果が明らかになりつつある。公表された「医療記録記載指針」は個人情報保護法の施行もあって病院からの関心は高い。退院時に記録の不備を点検する「量的点検」も普及しつつあり、記録内容の検証から医療安全や質の向上を図るための病院全体の組織的対応も試行が開始された。今後、それを実践する病院が増えることが期待される。
      公開日・更新日
公開日
          2005-07-11
        更新日
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