文献情報
文献番号
200400964A
報告書区分
総括
研究課題名
医療事故を防止するための対策の効果的な実施及び評価に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
木村 哲(国立国際医療センター エイズ治療・研究開発センター)
研究分担者(所属機関)
- 山口 徹(国家公務員共済組合連合会虎の門病院)
- 藤原 研司(埼玉医科大学 消化器内科・肝臓内科)
- 池田 康夫(慶応義塾大学 医学部内科)
- 野村 智之(北里大学 MEセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
7,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は医療事故の発生予防に向け、医療事故に至る経過や要因を詳細に分析し、各施設がとった対応策(アクションプラン)を共有し、事故防止につなげることを主たる目的とした。
研究方法
日本消化器病学会、日本循環器学会、日本インターベンション学会の全評議員を対象が所属する医療施設における消化器内視鏡検査・治療および心カテーテル検査・治療の中で死亡または重い障害につながった事例(ミスの有無にかかわりなく)、重い障害にはつながらなかったが何らかの追加処置を必要とした事例、検査・治療は順調に経過したが、患者側とトラブルになった事例の実態調査を行い分析した。調査に当っては各施設の倫理委員会の承諾のもと、全て匿名化して行った。持続輸液に関して、ITを活用した集中管理法を検討した。事故調査の中立的第三者機関について検討した。
結果と考察
消化管内視鏡検査・治療における事例については、29施設から99例の報告があり、その内、消化管穿孔が42例、消化管出血が37例と多かった。医療事故の原因不明は7例、不可抗力40例、術者側要因49例、患者側要因52例、前処置の問題12例であった。指導体制の強化、新たな技術や装置の開発、適応基準の厳格化などが今後の課題である。心臓カテーテル検査・治療における事例については26施設80件の報告を受けた。死亡例は11件、恒久的重症の障害を残したのは8件、一過性の濃厚治療を要したのは58件であった。再発防止には、診療技術の向上など、旧来からの手法の再認識が重要と考えられたが、カテーテル検査・治療が基本的に有する危険性を完全に回避することは出来ないと考えられた。持続点滴の実流量測定では、フィンガー式輸液ポンプを使用した場合には、測定誤差が大きく、課題として残った。中立的専門機関の制度化に向けて平成17年度よりモデル事業を始める事となった。
結論
消化器内視鏡検査・治療、心臓カテーテル検査・治療における予防策を検討した。医療事故に関する中立的第三者機関設立に向け、モデル事業を始めることになった。
公開日・更新日
公開日
2005-04-08
更新日
-