医師国家試験コンピュータ化に関する研究

文献情報

文献番号
200400960A
報告書区分
総括
研究課題名
医師国家試験コンピュータ化に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
細田 瑳一(財団法人日本心臓血圧研究振興会 附属榊原記念病院)
研究分担者(所属機関)
  • 高林 克日己(千葉大学医学部附属病院 医療情報部)
  • 吉岡 俊正(東京女子医科大学 医学教育学)
  • 福井 次矢(聖路加国際病院)
  • 福島 統(東京慈恵会医科大学 解剖学)
  • 江口 光興(獨協医科大学 小児科学)
  • 杉山 幸比古(自治医科大学 呼吸器内科学)
  • 山内 俊雄(埼玉医科大学 精神医学)
  • 原田 研介(日本大学医学部 小児科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
8,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
国家試験にコンピュータを利用した試験を導入する蓋然性を検討する
研究方法
MCQ問題100題と患者管理問題(PMP)5題、及びPMP問題に対応する内容のMCQ問題10題を作成し、6つの大学の医学生5、6年生を2群に分けて従来のマークシート法(MAR)とコンピュータ試験(COM)で半分ずつを行い、全ての結果を総括し解析することでCOMとMARの相関と利点欠点を検討する。
結果と考察
COMとMARのMCQに関する解答の結果は近似しており、試験運用上でも大きな問題は無かった。PMPのCOMの結果とMCQ50題の正答率との間には、評価項目及び解析可能の内容が異なるので強い相関は見られなかった。また、PMPに対応するMCQ問題とも相関が弱く、PMPでの評価判定は知識のファクターだけではないことが推測された。またPMP問題では特に能力の低い学生の識別が明瞭であった。しかし多数の受験生の同時受験などでの運用上の問題が解決されていないことと、学生自身はCOMに賛成する者より反対意見を述べる者がMCQで82:381,PMPで116:402と圧倒的に多かった。決定的に有用な事由がないと早急にコンピュータ試験を導入することには困難があると考えられるが、試験自身には問題のないことが示されたことから、CATの導入が可能になるなどさまざまな利点を考慮して、欠点を克服した段階で近い将来導入されることは十分考えられる。
結論
試験方法としては国家試験にコンピュータを導入し、従来のマークシートに代わり共用試験のCBTのように試験が出来ること、PMPのようにペーパーテストで検定出来ない能力の判定が出来る可能性を示した。

公開日・更新日

公開日
2005-07-22
更新日
-

文献情報

文献番号
200400960B
報告書区分
総合
研究課題名
医師国家試験コンピュータ化に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
細田 瑳一(財団法人日本心臓血圧研究振興会 附属榊原記念病院)
研究分担者(所属機関)
  • 高林 克日己(千葉大学医学部付属病院 医療情報部)
  • 吉岡 俊正(東京女子医科大学 医学教育学)
  • 福井 次矢(聖路加国際病院)
  • 江口 光興(獨協医科大学 小児科学)
  • 杉山 幸比古(自治医科大学 呼吸器内科学)
  • 山内 俊雄(埼玉医科大学 精神医学)
  • 福島 統(東京慈恵会医科大学 解剖学)
  • 原田 研介(日本大学医学部 小児科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
国家試験にコンピュータを利用した試験を導入する蓋然性を検討する
研究方法
MCQ(CBT、CAT)、PMP問題作成ツールを独自に開発した。このツールを用いてMCQ問題100題と患者管理問題(PMP)5題、及びそれに対応するMCQ問題10題を作成し、6つの大学の医学生5、6年生を2群に分けて従来のマークシート法(MAR)とコンピュータ試験(COM)で半分つづを行い、全てをあわせることでCOMとMARの相関を検討した。また受験生のアンケートをとって情報を収集した。また、この研究を進めるに当たって米国NBME、英国General Medical Council、オランダのCITO及びドイツのMEDISを訪問し、欧米の実情を調査した。
結果と考察
COMとMARのMCQに関する結果は近似しており、試験運用上でも大きな問題はなかった。PMPのCOMの結果とMCQ50題の正解率には明らかな相関はみられなかった。またPMPに対応するMCQ問題とも高い相関はなく、PMPでの評価判定は知識のファクターだけではないことが推測された。またPMP問題では特に能力の低い学生の識別が明瞭であった。しかし大量の受験生の同時受験などでの運用上の問題が解決されていないことと、学生自身は賛成する者より反対意見を述べる者がMCQで82:381,PMPで116:402と圧倒的に多かった。決定的に有用な事由がないとコンピュータ試験を早急に導入することにはさまざまな困難があると考えられるが、試験自身には問題の無いことが示されたことから、CATの導入などさまざまな利点を考慮して、欠点を克服した段階で近い将来導入されることは十分考えられる。
結論
試験方法としては国家試験にコンピュータを導入し、従来のマークシートに代わりCBTのように試験が出来ること、成績判定の精度を高め、受験生の問題処理時間等の紙の試験にない新しい項目データを収集出来ること、更にPMPのようにペーパーテストでは検定出来ない能力の判定が出来る可能性を示した。

公開日・更新日

公開日
2005-07-22
更新日
-