疾患特異的T細胞吸着材の開発

文献情報

文献番号
200401419A
報告書区分
総括
研究課題名
疾患特異的T細胞吸着材の開発
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
渋谷 統寿(国立病院機構長崎神経医療センター)
研究分担者(所属機関)
  • 安武 幹智(旭化成メディカル株式会社第2開発研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 創薬等ヒューマンサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
7,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
T細胞介在性の免疫応答異常が主因とされる疾患の治療のために、疾患の増悪・再燃に関与するT細胞のみをより選択的に吸着除去する体外循環システムを開発する。
研究方法
多発性硬化症の病態と関連の深いT細胞受容体(TCR)を標的分子とし、TCRVβ5.2+T細胞、TCRVβ8.1+T細胞の選択的吸着除去の可能性と評価法を検討した。抗ヒトTCRVβ5.2または抗ヒトTCRVβ8.1モノクローナル抗体を用いた吸着材を作成し、健常人および患者末梢血液をミニスケールカラムで処理し、前後の血液について,血球・血小板数、フローサイトメトリー分析などで解析した。
結果と考察
CD4抗原よりさらに疾患特異的な標的分子として、今回、多発性硬化症における疾患特異的細胞であるTCRVβ5.2+T細胞及びTCRVβ8.1+T細胞を標的として、選択的吸着除去評価を行い、約60 %の吸着率が得られた。これらの細胞表面マーカーを表出している細胞数は患者血液においても5%以下であり、解析の誤差を考えるとフローサイトメトリーのみによる解析では不十分と考えられる。今後、TCRのスペクトラタイピングやSSCP法による解析など評価法を検討する必要があると考えた。その他の細胞集団の非特異的吸着はほとんど見られず、本モノクローナル抗体固定吸着材による選択的細胞除去技術を用いることで、極めて微量な細胞においても選択的吸着が可能と考えられた。
結論
TCRVβ5.2+T細胞およびTCRVβ8.1+T細胞の選択的吸着材を作成し、疾患惹起性の特定のTCRを持つT細胞を選択的に除去する技術的可能性が確認できた。

公開日・更新日

公開日
2005-05-11
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2007-04-20
更新日
-