HIV-1ディフェンスワクチンの創製・開発研究

文献情報

文献番号
200400947A
報告書区分
総括
研究課題名
HIV-1ディフェンスワクチンの創製・開発研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
梅田 衛(日水製薬株式会社 イノベーショングループ)
研究分担者(所属機関)
  • 向井 鐐三郎(国立感染症研究所 筑波医学実験用霊長類センター)
  • 庄司 省三(熊本大学薬学部 生化学)
  • 三隅 将吾(熊本大学薬学部 生化学 )
  • 高宗 暢暁(熊本大学薬学部 生化学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 創薬等ヒューマンサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
18,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
従来のワクチンの基本概念から逸脱し,HIV-1ウイルスを中和するワクチンに加え,HIV-1の侵入を防止し生体の守りを固める手段をHIV-1 coreceptorに対する自己抗体に求め、かつ経口粘膜免疫法すなわち、経口ワクチンを可能とすること。
研究方法
HIV-1の吸着・侵入に必須な coreceptorのundecapeptidyl arch(UPA)ドメインを安定な環状peptideとして再構築し、multiantigen peptide(MAP)抗原とした。始めに、cCD-MAPcDDR5-MAP抗原に対する単クローン抗体を作出し、作出された抗体の免疫化学的諸性質を調べ、次に、cDDR5-MAP抗原をカニクイサルに免疫し、その抗血清の抗HIV-1効果などを調べた。
結果と考察
HIV-1のcoreceptor (CXCR4, CCR5)のUPAをミミクした免疫抗原から誘導される抗体およびサル抗血清はHIV-1(clade-B R5 and X4 of laboratory strain: non-clade B of primary isolates)の感染をそれぞれ防止した。
 カニクイサルを免疫して得られた抗血清は単クローン抗体を用いて得られた結果とほぼ等しく、HIV-1のcoreceptors (CXCR4, CCR5)のUPAに対する自己抗体が誘導され、HIV感染を防止していると考えられた。サルにSHIVsf162P3K株を静注してchallengeした結果、血中のViral loadsが2 log-3 log低下する感染防御効果が認められた。これは、粘膜に三位一体抗原による経口粘膜免疫を完成させる事が出来れば所期の目的達成が可能な事を示唆するものである
結論
HIV-1のcoreceptor (CXCR4, CCR5)に基づく環状dodecapeptideをMAPに結合させた環状免疫抗原peptidesはintactのUPAの構造を反映していることが明らかとなった。 最初に作出したcCD-MAPに対する単クローン抗体群(CPMAb-I〜VII)は立体構造を認識する抗体で、濃度依存的に種々様々なHIV-1(clade-B R5 and X4 of laboratory strains: non-clade B of primary isolates)の感染をそれぞれ特徴的に防止した。

公開日・更新日

公開日
2005-04-22
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2007-04-20
更新日
-