ヒト組織提供医療機関としてのバンクシステム効率化と研究資源高度化に関する研究

文献情報

文献番号
200400931A
報告書区分
総括
研究課題名
ヒト組織提供医療機関としてのバンクシステム効率化と研究資源高度化に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
小林 真一(聖マリアンナ医科大学)
研究分担者(所属機関)
  • 小林 英司(自治医科大学)
  • 熊井 俊夫(聖マリアンナ医科大学)
  • 浅原 利正(広島大学)
  • 後藤 雄一(国立精神・神経センター)
  • 西野 一三(国立精神・神経センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 創薬等ヒューマンサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
19,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医薬品の開発研究やその他の医学・薬学研究に種差や民族差から日本人の組織を利用する必要性が認知されている。本研究は、日本人のヒト組織を採取、保存、管理し、ヒューマンサイエンスヒト組織公共バンク(HSRRB)への提供システムを各施設で検討する。また神経・筋疾患の筋芽細胞を研究資源とし創薬の有効性・安全性研究の推進を図る。さらにこれらの社会的意義について広報活動を行う。
研究方法
本研究は「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」に則している。機関内の倫理委員会の承認後、患者に十分な説明をし、文書による同意を得ている。個人情報は個人情報管理者が匿名化を行い、厳密に管理した。1)a)HSRRBへの提供システムを外科医、病理医と検討した。b)初代肝細胞の培養条件を検討した。c)担癌患者からの非癌部肝組織での蛋白発現を検討した。d)同意取得(IC)における臨床試験コーディネーターの導入について検討した。2)研究資源高度化の検討としてa)筋芽細胞を樹立し、HSRRBへ提供する体制を検討する。b)生検筋の総検体数および年間検体数を明らかにした。3)研究者向けのシンポジウムを実施した。
結果と考察
1)聖マリアンナ医科大学病院で現在までに43検体がHSRRBに提供された。2)手術室では摘出後15分以内に組織が保存でき、検体採取が効率的になった。病理医の協力で多くの残余組織が研究利用できるようになった。3)ヒト血清は初代肝細胞の生存率を高めることが示唆された。4)非癌部分の肝組織中p53が高値を示し、注意する必要性がある。5)ICの現状と問題点を明らかにした。6)本年度は81検体の筋芽細胞の樹立を行った。既存の筋芽細胞のHSRRBへの分譲各種臨床診断情報を提供することにより、付加価値の高い組織の提供を推進していく。7)生検筋標本は総凍結筋数が8,781検体であり、本年度は407検体であった。8)第25回日本学術会議薬理学研連「臨床薬理シンポジウム」で「ヒト組織の研究利用体制の構築と研究応用」を、第78回日本薬理学会で「ヒト組織の研究応用と基盤整備」を企画・実施した。
結論
1)外科医、病理医の協力のもとHSRRBへの提供システムの効率化がはかられた。2)ヒト血清は肝細胞の生存を促進した。3)ICの問題点が明らかになった。4)筋芽細胞が充実した資源となった。5)生検筋の整備と効率的活用がなされた。

公開日・更新日

公開日
2005-05-16
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2007-04-20
更新日
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