IT技術を用いた低コストかつ高品質な大規模臨床試験実施基盤の構築

文献情報

文献番号
200400929A
報告書区分
総括
研究課題名
IT技術を用いた低コストかつ高品質な大規模臨床試験実施基盤の構築
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
永井 洋士(財団法人先端医療振興財団)
研究分担者(所属機関)
  • 福島雅典(京都大学医学部付属病院)
  • 大門貴志(財団法人先端医療振興財団)
  • 松山琴音(財団法人先端医療振興財団)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 創薬等ヒューマンサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
13,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
IT技術を用いた低コストかつ高品質な比較臨床試験(e-トライアル)の実施体制を確立し、医師主導大規模臨床試験の汎用的基盤を構築することが本研究の目的である。
研究方法
モデルとする医師主導臨床試験について、Webを介するデータ収集に適した標準的なプロトコルと症例登録票・報告書を完成させる。同時に、汎用性の高いWeb登録・追跡システムを開発し、効率的なデータマネジメントと高品質な統計解析の体制を整備する。実際の試験に即してそれらの妥当性を評価・検証することにより、e-トライアルの実務的基盤を確立する。また、臨床試験に必要な各種文書のフレームワークを整備することで医師主導臨床試験の知的基盤を構築する。
結果と考察
最初のモデルとするランダム化比較試験について、e-トライアルの実施に適した精密なプロトコルを完成させた。同時に、臨床試験データを正確に収集し、高度な統計解析を行うため、コンピュータ上での入力を想定した症例登録票・報告書を作成した。加えて、症例の適格性判定と治療法の割付けを瞬時に可能とするWeb登録・追跡システムの開発を主導した。このシステムを利用することで、症例登録作業は大幅に省力化され、追跡データ入力の多くが自動化された。更に、データの整合性を自動的に判定する論理式をシステムに組み込み、不整合データの発生頻度を最小化した。その上で、システムの運用とデータマネジメントが開始され、既に260例を越える症例が登録された。また、臨床試験データを最適なタイミングで収集するため、追跡データ入力の予告・督促を行う電子メール配信システムを開発し、試験的な運用を開始した。

加えて、医師主導臨床試験の全般的な水準向上のため、臨床研究実施計画書作成要領、説明・同意文書作成要領、試験薬概要書作成要領、有害事象発生時の報告・対応手順書、主任研究者の業務手順書を完成させ、実運用を通じてその妥当性を評価中である。同時に、比較臨床試験の標準的なプロトコルフォーマットを確立し、各項目に対するテンプレート文書を完成させた。現在、このテンプレート文書をデータベース化・ソフトウェア化する作業が進行中である。
結論
本研究によって、e-トライアルを実施するための強力なツールが整い、実質的に機能し始めたと言ってよい。また、臨床試験文書の標準的かつ効率的な作成環境を整えることにより、医師主導臨床試験の知的基盤が構築されつつある。

公開日・更新日

公開日
2005-04-13
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2007-04-20
更新日
-