高機能保持ヒト肝細胞組込型細胞チップとナノセンサーによる新薬開発における薬物動態・毒性を評価する新規バイオセンサーの開発

文献情報

文献番号
200400924A
報告書区分
総括
研究課題名
高機能保持ヒト肝細胞組込型細胞チップとナノセンサーによる新薬開発における薬物動態・毒性を評価する新規バイオセンサーの開発
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
永森 靜志(杏林大学)
研究分担者(所属機関)
  • 金井 好克(杏林大学 医学部)
  • 本間 正充(国立医薬品食品衛生研究所 異変遺伝部)
  • 木下 春喜(中外製薬株式会社 臨床薬理部)
  • 西宮 一尋(中外製薬株式会社 臨床薬理部)
  • 長崎 幸夫(筑波大学学際物質科学研究センター)
  • 千葉 寛(千葉大学大学院)
  • 細川 正清(千葉大学大学院 )
  • 小田 裕昭(名古屋大学大学院 生命農学研究科)
  • 下遠野 邦忠(京都大学 医学部ウイルス研究所)
  • 宮崎 正博(岡山大分子細胞委託研究施設)
  • 杉山 俊博(秋田大学 医学部)
  • 鈴木 哲朗(国立感染症研究所 ウイルス第2部)
  • 市田隆文(順天堂大学医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 創薬等ヒューマンサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
28,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ヒトにおける代謝、毒性の予測は最も重要な課題である。正常ヒト肝細胞の恒常的あるいは広範な使用には限界がある。申請者樹立のヒト薬物代謝能を保持するヒト肝由来培養細胞株FLC、JHH系細胞を新薬開発の様々な段階で利用可能な新規バイオセンサーの開発を目的とする。
研究方法
各研究者はラジアルフローバイオリアクタ(RFB)による3次元培養したFLC細胞をした。
結果と考察
自己樹立FLC、JHH系のヒト肝由来細胞とRFBシステムにより、新薬開発時薬物動態・毒性を評価する新規バイオセンサー作製のため肝産生蛋白・薬物代謝能、抗HCV薬の薬効評価に適したRFB/HCV実験、肝細胞特異的遺伝子発現及び発現量の確認をした。主な成分を列記する。FLC4で同定した肝細胞型新規アミノ酸トランスポーターLAT3が、FLC4の主要なアミノ酸トランスポーターであると確認。構造化した細胞アレイ;フォトリソグラフィーで作製されたものは数週間から1ヵ月以上培養可能である。FLCはスタンチンであるアトルバスタチン、フルバスタチン、セリバスタチンおよびシンバスタチンがhCARを介したPBREMの転写活性化を起こす。活性化のメカニズムはこれらの4種のスタチンがhCARのリガンドとなる可能性を示唆。FLC株に発現する2つのCES遺伝子の発現様式が肝の分化が推察され異物代謝における役割の違いを反映すると考える。ヒト骨髄細胞培養より、アルブミン、AFP、CK-8、CK-18、TO、TATを発現する継代培養可能な成熟肝細胞類似の細胞を誘導に成功。full-length dicistronic HCV-RNAを保持したRFB培養系で培養上清中1.18g/mL分画にHCV-RNA、コア蛋白質のピークが認められ、直径30-60nmのウイルス様粒子が観察された。HCVゲノム自律複製細胞を用いて、ウイルスゲノムの構造を明らかにした。肝細胞(FLC4)は自然界菌類のうち、放線菌新規産生物が肝細胞の維持、増殖を制御することが判明した。
結論
高機能保持ヒト肝細胞と新3次元バイオリアクターを利用し新薬開発時薬物動態・毒性を評価する新規バイオセンサー作製のため肝産生蛋白・薬物代謝能、抗HCV薬の薬効評価に適したRFB/HCV実験、肝細胞特異的遺伝子発現及び発現量の確認。

公開日・更新日

公開日
2005-06-30
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2007-04-20
更新日
-