EBMに基づく医薬品の安全性・有効性を確立するための大規模臨床データに関する学術情報の解析、評価に関する研究

文献情報

文献番号
200400922A
報告書区分
総括
研究課題名
EBMに基づく医薬品の安全性・有効性を確立するための大規模臨床データに関する学術情報の解析、評価に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
森川 馨(国立医薬品食品衛生研究所安全情報部)
研究分担者(所属機関)
  • 竹村 玲子(冲中記念成人病研究所)
  • 小枝 正暢(エーザイ(株) 臨床研究センター)
  • 犬山 里代(グラクソ・スミスクライン(株)  開発本部)
  • 西畑 利明(参天製薬(株)  研究開発本部)
  • 田崎 武信(塩野義製薬(株)  解析センター)
  • 佐藤 昇(シミック(株) 戦略薬事コンサルティング部)
  • 吉冨 恭助(第一製薬(株)  学術業務部)
  • 奥村 一(帝国臓器製薬(株) 研究開発統括本部)
  • 古来 啓蔵(日本ベーリンガーインゲルハイム(株) 医薬開発本部)
  • 今村 恭子(ファイザー(株) メディカルアフェアーズ)
  • 岩元 憲治(山之内製薬(株)  信頼性保証本部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 創薬等ヒューマンサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
9,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 EBMに基づく医薬品の安全性・有効性を確立するために、海外で得られている大規模無作為化比較試験、コホート研究などの臨床データ、学術文献及び海外規制機関情報をもとに、これらの臨床データをどのように医学的にまた統計学的に評価し、日本の医薬品の安全性・有効性に役立てていくか検討を行うと共に、具体的にも各疾患毎に医薬品の安全性、有効性の評価を行うことを目的とした。
研究方法
 医薬品の有効性、安全性の評価に当たり、米国・保健省のAHRQ(Agency for Healthcare Research and Quality)のエビデンスレポートに加え、直近の学術文献及び日本における治療法と比較しながら、報告されたデータに基づいてEBMの立場から医薬品の安全性・有効性について検討を行った。
結果と考察
 海外で報告された大規模臨床データに基づいてEBMの立場から医薬品の有効性・安全性について以下の項目について研究を行った。
(1)循環器疾患に関しては、心房細動患者の初期治療法、女性における冠動脈疾患のリスク因子と予防、心不全に対する薬物療法:小数集団(性,人種,糖尿病患者)におけるACE阻害剤とβ遮断薬の有効性、安定性狭心症治療について、(2)精神神経疾患に関しては、抗うつ薬の有効性と安全性、うつ病、変形性関節症、肝疾患に対するS-アデノシルメチオニンの有効性、認知症に対する薬物療法について、(3)癌については、癌性貧血または癌化学療法等により発現した貧血に対するエポエチン治療、癌における諸症状 -痛み,うつ,疲労- 治療について、(4)呼吸器疾患に関しては、慢性喘息の管理、就業年齢層におけるアレルギー性鼻炎の治療・管理、COPD急性増悪の管理について、(5)他に早産管理における治療薬、白内障を伴う緑内障手術と薬物療法、慢性C型肝炎の治療・管理について研究を行うと共に、EBMに基づく医薬品の安全性・有効性評価のための評価手法に関する研究を行った。研究結果の詳細については、本研究の総括報告書及び研究報告書を参照して頂きたい。また本研究の研究成果は、平成16年度HS研究成果等普及啓蒙事業として、平成17年3月4日東京国立近代美術館講堂で研究成果発表会行った。
結論
 本研究成果は、医薬品の安全性・有効性に関わるだけでなく、今後の医薬品開発のあり方に直接関係すると考えられる。また、高齢化社会を目前にした日本において、EBMに基づく臨床データに裏付けられた医薬品の安全性、有効性の評価結果は、日本における医療政策、医療経済の立場からも、重要な研究成果であると考える。

公開日・更新日

公開日
2005-05-16
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2007-04-20
更新日
-