創薬基盤としての公共的ヒト組織バンクを中心とした肝組織・細胞の研究利用システムの構築

文献情報

文献番号
200400921A
報告書区分
総括
研究課題名
創薬基盤としての公共的ヒト組織バンクを中心とした肝組織・細胞の研究利用システムの構築
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
絵野沢 伸(国立成育医療センター研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 安原 一(昭和大学医学部)
  • 青木 達哉(東京医科大学)
  • 片岡 一則(東京大学大学院工学系研究科)
  • 大塚 英典((独)物質・材料研究機構)
  • 小林 英司(自治医科大学)
  • 大和田 哲男((株)アビー)
  • 鈴木 聡((NPO)HAB研究機構)
  • 小林 弘幸(協和発酵(株)医薬総合研究所)
  • 吉村 勉(エーザイ(株))
  • 山田 泰弘(田辺製薬(株)薬物動態研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 創薬等ヒューマンサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
27,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
創薬のために人に由来する組織・細胞を用いた研究は必須である。このひとつの現れとして近年のヒト組織輸入量の飛躍的増加がある。また、最近は欧米だけでなくアジア諸国からの人由来組織も流入し始めており、各国間の組織採取方法の標準化は難しい状況である。一方、国内における供給体制はまだ十分な整備がなされていない。そこで平成10年の厚生科学審議会答申(黒川答申)に則り、手術摘出検体のうち特に肝組織の公共的研究資源化とその資源の有効利用化を整備することを目的とした。
研究方法
主任研究者絵野沢は「KH72001日本におけるヒト肝細胞の保存・管理に関する基準の検討」と「KH72076公共的な研究利用ヒト組織バンクシステム構築の検討」に協力及び分担として参加した。これらの研究は我が国のヒト組織利用研究のシステム整備の黎明期にあって、公正かつ公平な試料採取法の検討に多くの成果を残した。次の段階として、多大な努力で運営されるヒト組織資源化事業をさらに有益なものにする検討が必要との考えから、鈴木(HAB研究機構)と共同して本研究班の枠組みを構築した。分担者には組織提供医療機関はもちろん、エンドユーザーである製薬企業、有効な資源形態を創造する工学研究者、保存技術の専門家の参加を願った。また新規な試みとして班内に倫理監査機構を置いた。
結果と考察
次の6課題に取組んだ。1.手術摘出肝組織の研究利用についての病院内システム整備(安原、青木、絵野沢)、2.ヒューマンサイエンス研究資源バンク(以下バンク)の肝組織資源を用いたプールドミクロソームの調製とバンクへの再提供、ならびに遺伝子解析可能検体を用いた日本人のCYP多型解析(鈴木、絵野沢、小林弘幸、吉村)、3.実験動物肝およびHAB研究機構が入手した米国由来移植不適合肝からの肝保存ならびに細胞分離方法の最適化(安原、絵野沢、鈴木、小林英司、大和田)、4.細胞アレイ微細環境の改良と機能的評価(片岡、大塚、山田)、5.移植不適合肝に由来する肝細胞を提供している中国RILD社の視察(絵野沢)、6.ヒト組織提供過程の倫理的監査(小林英司)。詳細は総括・分担報告をご覧いただきたい。
結論
我が国の置かれた状況で最善の方策を得るための研究を始動した。人由来組織を提供する医療機関から公共的ヒト組織バンクへの検体の流れを改良した。また、バンク所蔵検体を研究に用いやすい形態に調製、バリデーションデータを付与しバンクへの再提供を行った。

公開日・更新日

公開日
2005-04-21
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2007-04-20
更新日
-