創薬、臨床検査開発のためのヒト組織の有用性に関する研究-ヒト組織バンクの効率的運用のためのネットワーク作り-

文献情報

文献番号
200400920A
報告書区分
総括
研究課題名
創薬、臨床検査開発のためのヒト組織の有用性に関する研究-ヒト組織バンクの効率的運用のためのネットワーク作り-
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
松浦 成昭(大阪大学医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 門田 守人(大阪大学大学院医学系研究科)
  • 吉川 秀樹(大阪大学大学院医学系研究科)
  • 澤 芳樹(大阪大学大学院医学系研究科)
  • 堀井 明(東北大学 医学部)
  • 倉智 博久(山形大学 医学部)
  • 名川 弘一(東京大学 医学部)
  • 清田 浩(東京慈恵会医科大学)
  • 村田 厚夫(杏林大学 医学部)
  • 加藤 俊一(東海大学 医学部)
  • 嶋田 裕(京都大学 医学部)
  • 塩崎 均(近畿大学 医学部)
  • 平川 弘聖(大阪市立大学 医学部)
  • 石川 治(大阪府立成人病センター)
  • 吉川 宣輝(箕面市立病院)
  • 門田 卓士(NTT西日本病院)
  • 富田 尚裕(労働福祉事業団関西労災病院)
  • 辻本 正彦(大阪警察病院)
  • 竹内 昌男(ヒューマンサイエンス振興財団)
  • 辻仲 利政(国立病院大阪医療センター)
  • 鬼塚 伸也(国立病院長崎医療センター)
  • 吉野 公一郎(カルナバイオサイエンス(株))
  • 石原 英幹(シスメックス(株))
  • 玄蕃 岳践(アンジェスMG(株))
  • 倉田 寛一((株)カルディオ)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 創薬等ヒューマンサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
36,300,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ヒト組織新鮮材料の提供に当たり、通常は手術で摘出された臓器の一部が当てられることになるが、理想的な状態で材料を採取することは困難である。すなわち、ヒト組織材料は手術で摘出してから、家族に見せ、病変を確認するための種々のプロセスを経てから採取され、かなりの時間が経過することになる。本研究の目的の1つは手術標本の時間経過から、どれくらいまで組織材料が利用可能であるか、明らかにすることにある。
研究方法
手術標本からのヒト組織材料の採取に際して、摘出後の時間経過によりどれくらいまで使用可能か、また阻血時間など手術の影響はどの程度あるのか、タンパク質、酵素活性、mRNA、DNAレベルに分けて検討した。本研究はヒト組織を用いる場合、インフォームドコンセントを得た上で、倫理委員会の承認が必要であるが、現段階では倫理委員会の承認を得ていないので、大部分は動物(主としてラット)を用いて、タンパク質、DNA、RNAがそれぞれどの程度、傷害を受けるかを検討した。
結果と考察
手術標本からの組織材料の採取について、摘出前の血管の結紮、摘出後の状態、時間経過などにより、タンパク質、DNA、RNAがそれぞれどの程度、傷害を受けるかを動物および一部ヒトの組織を用いて検討した。総蛋白質量、酵素活性は血管の結紮の有無、摘出後の状態(室温・氷冷)の影響をほとんど受けなかった。また、摘出後の時間経過の検討からも大部分の臓器では6時間まで保持された。一方、DNAは12時間以内であれば、RNAは3時間以内であれば、大きな差を認めなかった。このことから、摘出後、3時間くらいまでに液体窒素で凍結すれば、材料として大きな活性低下がない可能性が示唆された。また、保存液中であれば6時間後でも問題ないと考えられた。
結論
手術標本からの組織材料の採取について、摘出前の血管の結紮、摘出後の状態、時間経過などにより、タンパク質、DNA、RNAがそれぞれどの程度、傷害を受けるかをラットの種々の組織を用いて検討した。総蛋白質量、酵素活性は血管の結紮の有無、摘出後室温状態・氷冷状態、摘出後時間(3時間まで)の影響をほとんど受けなかった。また、DNAは摘出後12時間で、RNAは3時間で低下を認めた。

公開日・更新日

公開日
2005-06-30
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2007-04-20
更新日
-