プロテインチップ、DNAマイクロアレイ等の新しい技術を用いた診断法の有用性とその評価手法に関する研究

文献情報

文献番号
200400913A
報告書区分
総括
研究課題名
プロテインチップ、DNAマイクロアレイ等の新しい技術を用いた診断法の有用性とその評価手法に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
鈴木 孝昌(国立医薬品食品衛生研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 牛沢 幸司(第一化学薬品株式会社)
  • 伊勢 伸之(富士レビオ株式会社)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 創薬等ヒューマンサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
DNAマイクロアレイやプロテインチップなどの新しい解析技術を診断手法として利用するには、用いるアレイやチップの品質の恒常性をどのように担保するか、また診断指標としての有効性をどのように評価するか等、今までにない視点に立った評価が求められる。本研究では、これら新しい解析技術の現状における問題点を抽出解析し、より信頼性の高い診断技術の開発と有効性の評価を行うとともに、データ評価手法及び判定基準の確立をめざす。
研究方法
染色体解析のためのCGHアレイを用いて、各種細胞株における実際のデータを取得することにより、そのデータの評価と有効性の検証を行った。
また、作用電極上に末端チオール化合成DNAを固定化した電流検出型DNAチップを作製し、二本鎖特異的挿入剤による電流の検出によりHPV遺伝子型の判別を試みた。
さらに、抗体固定化プロテインチップの作製のため、プラスチックやガラス基板をベースとして効率的かつ安定的に抗体を結合させる方法を確立すべく種々の検討を行った。
結果と考察
<CGHアレイ>自前の解析では、あまり経験がなかったためきれいなシグナルが得られず、メタフェーズCGHの結果から予想される変化に対し検出できない領域が見られた。次に開発元のMacrogen社に委託解析を行ったところ、ムラがなく強いシグナルが得られ、メタフェーズCGHの結果と一致した。Y染色体上のプローブすべてに有意差が見られ、データの質の評価に有用であることがわかった。
<電流検出型DNAチップ> HPV11型、16型、18型、58型のL1領域に特異的な配列のプローブを固定化してあるDNAチップカセットに、HPVの増幅産物(2型、4型、16型、18型)を注入した結果、16型と18型の増幅産物にのみ、対応するプローブからの特異的な電流信号が検出され、8電極での同時再現性はCV値で5%以下であった。
<抗体を用いたプロテインチップ>基板に効率的かつ安定的に抗体を結合させる方法を検討した結果、ガラス基板に比べプラスチック基板が表面均質性に優れ、プラズマクリーニングにより表面濡れ特性の改善が認められた。また、物理吸着量が少ないポリプロピレン基板を活性エステル化し、リンカーを介して捕捉分子を化学結合させることにより、均質高密度に捕捉分子を固相化できた。
結論
1. マイクロアレイを用いたCGH法は、従来の手法に比べてより簡便で詳細な解析が可能である。2. 電流検出型DNAチップを用い、HPVの遺伝子型判定について配列特異的な検出が確認できた。
3. プラスチック基板上に化学的結合により抗体を高密度に固相化する方法の有効性が示された。

公開日・更新日

公開日
2005-06-07
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2007-04-20
更新日
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