新規ミスマッチDNA特異的修飾試薬を用いた全ゲノムからの既知および未知の生活習慣病関連遺伝子のSNPs検出システムの開発

文献情報

文献番号
200400902A
報告書区分
総括
研究課題名
新規ミスマッチDNA特異的修飾試薬を用いた全ゲノムからの既知および未知の生活習慣病関連遺伝子のSNPs検出システムの開発
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
池田 康行(国立循環器病センター)
研究分担者(所属機関)
  • 加藤 秀昭((株)エンプラス研究所)
  • 竹中 繁織(九州大学大学院工学研究院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 創薬等ヒューマンサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
6,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
究極のテーラーメイド医療実現の為に、新規ミスマッチDNA特異的修飾試薬を用いて、個々人の持つ既知および未知の生活習慣病関連遺伝子のヘテロ接合体部位を全ゲノムから簡便に検出できる新しい遺伝子診断システム開発を目的とする。
研究方法
LPL遺伝子を蛍光プライマーを用いて、PCR増幅し電気泳動を行なった。
結果と考察
新規のフェロセン化試薬の合成:新規フェロセン化試薬は1本鎖オリゴヌクレオチド(10mer)のチミンとグアニンに定量的に反応することがわかった。更に、これらの付加体はフェロセンの電気化学的応答を利用して電気化学検出が可能であることがわかった。
蛍光マイクロチップ・電気泳動解析システムによるLPL遺伝子SNPの検出:LPL遺伝子の正常/正常のホモ接合体と正常/LPL変異(LPLosaka)のヘテロ接合体の蛍光PCR産物を電気泳動し、SSCPパターンに違いを認めた。検出は1分程度で行うことができることから、マイクロチップを用いるSSCP法は、遺伝子のSNPs検出を可能にすると思われた。
LPL遺伝子イントロン6のテトラリピート多型をモデル系としたヘテロ2 本鎖DNA形成効率の検討:TTTAのテトラリピートが10回、11回、12回の多型を持つLPL遺伝子を用いてヘテロ2本鎖DNA形成効率の算出を試みた。DNAをCy5プライマーにてPCR増幅した。増幅DNA(サイズは、123bp)を95度にて熱変性後徐冷し、ホモ2本鎖DNAおよびヘテロ2本鎖DNAを形成させ、6%ポリアクリルアミドゲル電気泳動法にて解析した。ヘテロ2本鎖DNAとホモ2本鎖DNAの分離が明らかに認められた。ヘテロ2本鎖DNA 形成効率を算出した結果、ヘテロ2本鎖DNAは約30-40%形成されていた。本実験に用いたヘテロ2本鎖DNA形成方法および電気泳動法の条件は満足できるものと思われた。
結論
新規のフェロセン化試薬の合成に成功し、電気化学的検出において使用できる可能性を示すことができた。また蛍光マイクロチップ・電気泳動解析システムによるSNPの検出は、モデル系として用いた1種類のLPL遺伝子変異の検出に成功した。適当なサイズ(300bp程度)のDNAを95度にて熱変性後徐冷し、ホモ2本鎖DNAおよびヘテロ2本鎖DNAを形成させ、6%ポリアクリルアミドゲル電気泳動法にて検出し、ヘテロ2本鎖DNA形成効率を算出できる系の確立に成功した。

公開日・更新日

公開日
2005-04-19
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2007-04-20
更新日
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