食品添加物等の新機能性に関する研究

文献情報

文献番号
200400901A
報告書区分
総括
研究課題名
食品添加物等の新機能性に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
広瀬 雅雄(国立医薬品食品衛生研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 津田 洋幸(名古屋市立大学 医学部)
  • 今井田 克己(香川大学 医学部)
  • 鈴木 幸雄(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 創薬等ヒューマンサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
6,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
アントシアニン系のフラボノイドであるcyanidin-3-O-b-glucosideを主成分とするムラサキトウモロコシ色素 (PPC)のポストイニシエーション期におけるラット肝、大腸、乳腺発がんに対する抑制作用について検討した。
研究方法
(1)大腸: F344雄ラットに、1,2-dimethylhydrazine (DMH,40mg/kg) を1週間に3回皮下投与した後、DSS (1%) を1週間飲水投与し、第4週より0、0.01、0.1及び1%PPC(三栄源エフ・エフ・アイ㈱より提供、cyanidin-3-glucosideとして33.7%)を7及び17週間混餌投与した後屠殺。ACFを計測し、病理組織学的検索を行った。(2)乳腺:Hras128雌ラットに7,12-dimethylbenz(a)anthracene (DMBA、25 mg/kg) を1回強制経口投与後、0-1%PPCを8週間混餌投与した。投与終了後、乳腺腫瘍を摘出、重量を測定した。(3)肝臓:F344雄ラットに、diethylnitrosamine (DEN、200mg/kg) を1回腹腔内投与し、2週後から、0-1%PPCを混餌投与し、3週目で肝部分切除を行った。8週で剖検して肝臓の抗GST-P免疫染色標本を作製し、陽性細胞巣を定量的に解析した。
結果と考察
(1)大腸:ACFの発生数及び腫瘍性病変の発生頻度及び発生数について、第10、20週剖検群とも、PPC投与による影響は認められなかった。 (2)乳腺:肉眼的乳腺腫瘍の発生頻度は、DMBA投与後5、7週目において0.1及び1%群で発生抑制を示した。8週目の剖検時には、その発生率に群間の差はみられなかったが、個体あたりの腫瘍数及び個体あたりの1グラム以上の腫瘍数は、1%群で減少傾向を示した。 (3)肝臓:0-1%群における肝の単位面積あたりのGST-P陽性細胞巣の発生個数は0.86-1.26 個/cm2、面積は0.24-0.37mm2/cm2でありPPC投与の影響は認められなかった。
結論
PPCの発がん抑制作用について、ラット大腸中期発がん性試験法、ヒトプロト型c-Ha-rasトランスジェニックラット乳腺発がん高感受性モデル及びラット肝中期発がん性試験法により検討した結果、0.1%以上のPPCは乳腺発がんを、ポストイニシエーション期において特異的に抑制することが明らかになった。

公開日・更新日

公開日
2005-05-11
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2007-04-20
更新日
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