食品からの食中毒起因菌の高感度迅速検出法の開発とリスクマネージメントへの応用

文献情報

文献番号
200400900A
報告書区分
総括
研究課題名
食品からの食中毒起因菌の高感度迅速検出法の開発とリスクマネージメントへの応用
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
山本 茂貴(国立医薬品食品衛生研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 五十君 靜信(国立医薬品食品衛生研究所)
  • 天野 富美夫(大阪薬科大学 薬学部)
  • 池袋 一典(東京農工大学 工学部)
  • 矢内原千鶴子(矢内原研究所)
  • 大田博昭(シーエーエフラボラトリー 研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 創薬等ヒューマンサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
8,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
食品および環境中のサルモネラ、カンピロバクター等の食中毒起因菌の検出に有効な抗原あるいはマーカーとなる遺伝子を特定し、これを利用した高感度迅速検出法を開発し、食中毒起因菌のリスクマネージメントへの応用を検討し、食品および環境中における当該微生物の制御に関する方向性を見いだす。
研究方法
食中毒菌の検出において標的とする抗原並びに遺伝子の検討は、カンピロバクターとサルモネラを対象とした。特異的な抗原の選定および、感染論に根ざした病原性に重要な新規のタンパク質については、ノックアウト株を作成し、当該タンパクの重要性を検討した。抗体の作成は、定法によりポリクローナル抗体に加えて、モノクローナル抗体の作成を行った。抗体を用いた検出法は、ペーパークロマト法を用い検討した。遺伝子を用いた高感度検出システムとしては、一本鎖DNA結合タンパクと耐熱性グルコース脱水素酵素複合体を用いて、電気化学的に検出するセンサーの検討を行った。
結果と考察
リスクマネージメントにおいては培養法と同等な正確さが担保されるなら、検査法は迅速で簡便であるほど実行性が高く、このような特性を持つ検査法が期待される。本研究では、病原性をもつ真に制御の必用とされる菌群を特定する新たなる迅速検出法の開発をめざしている。免疫学的な手法と、遺伝子を利用する2つの検出法につき検討し、検出の対象はカンピロバクターとサルモネラとした。新規の病原因子を対象とした抗体を用いた免疫学的手法による迅速法の検討を進めた。一方、遺伝子を標的とした検出法については、迅速検出に適当と思われる蛍光偏光法や装置の小型化・簡素化に最適な電気化学的方法について検討を開始した。リスクマネージメントへの応用では、養鶏場現場での当該菌検査のデータが蓄積している。
結論
食中毒起因菌の病原性、環境抵抗性などの因子の解析により、食中毒起因菌の検出に重要となるマーカーを特定し、特異的抗体作成と検出用の遺伝子配列を決定した。これらのマーカーの病原性や環境抵抗性に関する基礎的知見を得た。遺伝子を標的とした検出法については、酵素標識プローブDNAの開発を行った。標識酵素および標識について最適なものを検討し、その測定条件の最適化を試みた。特定のタンパク質や遺伝子を用いた食中毒菌の高感度迅速検出系の養鶏場への応用につきの検討を開始した。

公開日・更新日

公開日
2005-05-30
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2007-04-20
更新日
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