アレルゲンによる室内環境汚染の実態を評価する方法、および汚染の制御方法の開発に関する研究

文献情報

文献番号
200400897A
報告書区分
総括
研究課題名
アレルゲンによる室内環境汚染の実態を評価する方法、および汚染の制御方法の開発に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
安枝 浩(独立行政法人国立病院機構相模原病院(臨床研究センター))
研究分担者(所属機関)
  • 榎本 雅夫(日本赤十字社和歌山医療センター耳鼻咽喉科)
  • 岸 幹二(公立藤田総合病院小児科)
  • 横須賀 道夫(花王株式会社ハウスホールド研究所)
  • 小島 晋(三菱重工業株式会社名古屋研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 創薬等ヒューマンサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
6,300,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
わが国における室内環境アレルゲンとして特に重要なヒョウヒダニ(以下ダニ)を主な対象として,室内生活環境のアレルゲンによる汚染の実態,曝露の実態の解析を行い,それらの解析から得られた知見をもとにして,汚染,曝露の回避策やその低減化に寄与する制御技術を開発する。さらにそれらの方策の臨床的有用性をアレルギー性鼻炎,小児気管支喘息の患者を対象にして検証する。
研究方法
一般家庭室内の床面,寝具から掃除機法によるダストサンプリング,寝具表面,居住者の皮膚表面からのテープ法によるサンプリングをさまざまな条件下で実施した。また,室内空気中から発塵時,あるいは非発塵時にエアサンプラーによるサンプリングを行った。得られた試料中のダニアレルゲンDer 1量(Der p 1とDer f 1の合計量)は,寝具塵,室内塵については比色法ELISAで測定し,テープ法でサンプリングした試料,エアサンプリングした試料については高感度蛍光ELISAで測定した。
結果と考察
一般家庭室内のダニアレルゲンによる「汚染」に関しては,(1) 24時間換気システム設置家屋は一般家屋に比べて室内相対湿度が低く,それに対応して汚染量も低い傾向にある,(2) ベッドパッドは敷きフトンよりも丸洗い,日光干し等の整備がしやすいにもかかわらず現実には整備が不十分で汚染レベルは低くはない,(3) 喘息児と非アレルギー児の寝具,室内の汚染のレベルには差がない,ということが明らかになった。また,ダニアレルゲンへの「曝露」に関しては,(4) テープ法による表面アレルゲン量の測定は個人曝露量を反映する簡易測定法となりうる可能性がある,(5) フローリングはカーペットよりも汚染のレベルは著しく低いにもかかわらず,掃除機掛けの時に空中に発生するアレルゲン量,すなわち曝露量には差がない,(6) エアコン,空気清浄機を運転すると,発塵後の空気中ダニアレルゲン濃度の経時的な減衰がさらに促進される,ということが明らかになった。
結論
ダストサンプリング,テープ法によるサンプリング,エアサンプリングと,それらサンプル中のダニアレルゲンDer 1量をELISAで測定するという方法を駆使して評価することにより,室内生活環境中のダニアレルゲンによる汚染の実態や曝露の実態に関して新規の知見を得ることができた。さらに,その制御技術の開発についても新たな進展が見られた。

公開日・更新日

公開日
2005-04-19
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2007-04-20
更新日
-