生物由来製品のウイルス安全性に関する基盤研究

文献情報

文献番号
200400892A
報告書区分
総括
研究課題名
生物由来製品のウイルス安全性に関する基盤研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
内田 恵理子(国立医薬品食品衛生研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 山口 照英(国立医薬品食品衛生研究所)
  • 宮澤 宏(徳島文理大学 香川薬学部)
  • 小紫 嘉一(日本ケミカルリサーチ㈱先端医療研究センター)
  • 宮本 誠二((財)化学及血清療法研究所)
  • 猶塚 正明(持田製薬㈱製剤研究所)
  • 村田 充弘(JSR㈱筑波研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 創薬等ヒューマンサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
8,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
生物由来製品のウイルス安全性に関しては、その製造に用いる原材料も含めたウイルス混入のリスク、ウイルススクリーニングや製造工程でのリスク低減措置、投与方法等を含めて総合的にリスク評価を行う必要性がある。本研究は、生物由来製品のウイルス安全性確保のための基盤技術開発を行うと共に、ウイルスリスクの評価を適切に行うための基盤技術開発を行い、ウイルスリスクの評価法の提示やリスクを低減化するための基本方策を提示することを目的とする。
研究方法
1)生物由来製品のウイルスの高感度検出法の開発、2)ウイルス安全性評価試験としてのNAT法の適用に関する研究、3)ウイルス感染性の高感度検出法の開発、4)ウイルス除去技術の開発、5)ウイルスの不活化・除去工程のクリアランス能の評価に関する研究を実施した。
結果と考察
1-1)PEI磁気ビーズによるウイルス濃縮法はHBV、HCV、HIVのいずれも効率よく濃縮可能であり、ウイルスの高感度検出法として有用であることを明らかにした。また、ビーズ上の陽荷電の密度が高いほどウイルス濃縮効率が高いこと、PEIの分岐構造が重要である可能性を示した。さらに、PEI磁気ビーズにはウイルスと共に血清中の補体分子の一部やIgMが濃縮されることを明らかにした。1-2)ウイルスの高感度検出法として、ウイルスの遺伝子配列情報を利用した新プローブキャプチャー法の開発を試み、プラスミドの回収、検出が可能であることを示した。2)HEVを高感度に検出可能なNAT法を確立した。また、HIV-2のNAT法確立の際、入手困難なウイルスの代用として合成ウイルス核酸断片がNAT法の評価に有用であることを示した。3)感染性PCR法を確立し、従来法よりも迅速、高感度にウイルスの感染性を検出可能であることを明らかにした。4)PEI結合セファロースカラムを用いることにより、ウイルスを効率よく除去できることを明らかにした。5)生物由来製品の製造工程に用いられるウイルスの不活化・除去工程のクリアランス能を公表資料より評価し、医薬品のウイルス安全性を確保するには機序の異なる複数の不活化・除去工程を製造工程に導入する必要があることを確認した。また、一つの生物由来製品を取り上げ、製造工程のウイルスクリアランス能を評価し、安全性の確保を検証した。
結論
生物由来製品のウイルス安全性確保のための基盤となる技術開発が進展した。

公開日・更新日

公開日
2005-04-13
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2007-04-20
更新日
-