細胞医療に用いられる細胞組織利用医薬品の品質・安全性評価技術の開発

文献情報

文献番号
200400888A
報告書区分
総括
研究課題名
細胞医療に用いられる細胞組織利用医薬品の品質・安全性評価技術の開発
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
山口 照英(国立医薬品食品衛生研究所遺伝子細胞医薬部)
研究分担者(所属機関)
  • 森田育男(東京医科歯科大学)
  • 服部秀志(大日本印刷株式会社)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 創薬等ヒューマンサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
6,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
幹細胞学や発生学の急速な進歩やバイオテクノロジー応用技術の発展により、ヒトまたは動物の細胞や組織を培養、加工し、様々な疾患の治療に用いる細胞組織利用医薬品の開発が急速に進んでいる。本研究では、細胞組織利用医薬品の品質や安全性の確保、また有効性等を適切に評価できる試験法の開発を行うとともに、開発した評価技術を用いて、より安全性が高く優れた品質の製品の実用化に向けた基盤技術の開発につなげていくことを目的としている。
研究方法
ヒト造血幹細胞から血管内皮前駆細胞を誘導する系を確立するとともに、その特性指標の探索を行った。探索された特性指標の分化誘導能との関連について解析した。光触媒を用いたパターン化技術を利用し、ヒト及びウシ血管細胞を用いてin vitroで毛細血管網を自在に作成する技術の開発を行った。毛細血管網の形成に及ぼす各種因子について解析した。
結果と考察
1) AC133陽性のヒト臍帯血や末梢血造血幹細胞からCD31強陽性の血管内皮前駆細胞をin vitroで誘導する最適条件を明らかにした。その特性解析より、誘導したCD31強陽性細胞は、コネキシン(Cx)37陽性であることが明らかになり、Cx37とCD31の発現が非常に重要なことが明らかになった。また、VEカドヘリン陰性、CD45陽性であることも明らかとなり、我々の誘導したCD31強陽性細胞は非常に初期の血管内皮前駆細胞であることが示唆された。2) 血管内皮細胞や血管内皮前駆細胞の有用性評価手法の確立を目指し、毛細血管系のin vitro作成技術の開発を行った。光触媒を用いたパターン化技術を利用した微細加工技術を開発し、ヒト及びウシ血管内皮細胞を用いてin vitroで自在に毛細血管網を作成する技術を開発できた。このin vitroでの毛細血管網の構築過程は、種々のサイトカインの影響など生体での素過程を反映していることが確認され、血管内皮細胞や血管内皮前駆細胞の有用性評価に適応可能であることが示唆された。
結論
ヒト臍帯血や末梢血造血幹細胞から血管内皮前駆細胞のin vitro誘導系を用いた特性解析及び機能分化に関する解析より、血管内皮前駆細胞を再生医療に用いる場合の品質管理や、有用性確保に重要な指標を明らかにできた。血管内皮細胞や血管内皮前駆細胞の有用性評価に適応可能なin vitro毛細血管網の作成技術を開発した。

公開日・更新日

公開日
2005-04-13
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2007-04-20
更新日
-