高度分析評価技術を応用した医薬品製剤開発および製造工程管理手法の研究

文献情報

文献番号
200400886A
報告書区分
総括
研究課題名
高度分析評価技術を応用した医薬品製剤開発および製造工程管理手法の研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
檜山 行雄(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部)
研究分担者(所属機関)
  • 岩本 清(エーザイ(株) 製剤研究所)
  • 播磨 武(ファイザー(株) 名古屋工場)
  • 高嶋武志((株)パウレック 技術本部)
  • 森島健司(参天製薬(株) 生産物流本部)
  • 中西敏和(塩野義製薬(株) 生産技術研究所)
  • 浮田辰三(田辺製薬(株) 製薬研究所)
  • 大池敦夫(藤沢薬品工業(株))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 創薬等ヒューマンサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
12,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
科学的な検証・管理を基に優れた品質の医薬品を恒常的に生産出来る製造プロセスを構築し、医薬品の有効性,安全性を確保することを目的として、医薬品の設計段階及び実製造プロセスにおける評価に関する課題の抽出を行ない、その結果に基づき現時点で最も有用性が高いと思われる評価手法の検討を行った。
研究方法
製剤設計開発過程、製造工程内でのin-line制御、逸脱管理、不具合の原因追及などに、ラマン、近赤外及びそれを用いたイメージング、FBRMなどの分析技術を応用する検討を行った。また、近赤外分光法に用いる解析法及び解析条件についての検討を行った。近赤外イメージングシステムの導入に向けて基礎性能について調査した。
結果と考察
製造工程内でのin-line制御について、ラマン、近赤外、FBRMなどの分析技術を利用して原薬晶析時の結晶転移現象を追跡できた。近赤外分光法を用いて主成分の定量を行うことにより混合均一性や打錠及びカプセル充填の終点確認法の開発が可能になることが示唆された。そして近赤外分光法による定量時には外的要因を排除した検量線を作成することが重要と認識された。
 製剤設計開発について、近赤外分光法を用いることにより、眼軟膏、非晶質医薬品、徐放性製剤の設計開発及び工程管理に応用できる可能性が示唆された。
 近赤外イメージングなどの顕微技術を用いることにより、製剤に関する種々の化学的情報を得られることが明らかとなり、製造移管に伴う溶出障害の原因を調査することができた。
 近赤外分光法に用いる解析法および解析条件についての考察を行った。また近赤外イメージングシステムの基礎的情報について明らかにし、その導入を行った。
 近赤外分光法は、医薬品設計から品質管理まで一貫した品質管理を行える最も有効な手法として考えられたが、定量的測定の場合には精度、真度、そして多変量解析などの解析法についての妥当性の検討が課題であると認識された。この問題を解決し、医薬品の設計、品質管理手法に近赤外分光法を応用するためには、その手法に更なる科学的根拠を与えていく必要があると考えられた。
結論
製剤設計開発過程、製造工程内でのin-line制御について、そして逸脱、不具合の管理、原因追及などに、新しい分析技術が利用できることを明らかとした。また、近赤外分光法に用いる解析法および解析条件についての考察を行った。また近赤外イメージングシステムの基礎的情報について明らかにした。

公開日・更新日

公開日
2005-06-01
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2007-04-20
更新日
-