生薬及び漢方処方の科学的品質保証に関する研究

文献情報

文献番号
200400882A
報告書区分
総括
研究課題名
生薬及び漢方処方の科学的品質保証に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
合田 幸広(国立医薬品食品衛生研究所 生薬部)
研究分担者(所属機関)
  • 寺林 進((株)ツムラ 生薬・資源研究部)
  • 山本 豊(株式会社栃本天海堂 品質管理部)
  • 藤田 正雄(株式会社ウチダ和漢薬 研究開発部)
  • 水上 元(名古屋市立大学大学院 薬学研究科)
  • 小松 かつ子(富山医科薬科大学 和漢薬研究所 資源開発研究部門)
  • 山本 藤輔((株)ツムラ 静岡工場 品質管理部)
  • 近藤 誠三(小太郎漢方製薬株式会社 研究所)
  • 山本 恵一(カネボウ(株) 評価分析センター)
  • 田村 真(ジェーピーエス製薬 栃木工場製品開発部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 創薬等ヒューマンサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
8,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
生薬及び漢方処方について、ジェノタイピング技術と化学的な分析法による科学的な品質保証法の確立を目的とする。
研究方法
生薬は、おもに中国市場でその生薬名で取り扱われているものについて、分担研究者の所属する複数の会社を通し、なるべく多くの産地から入手を試みた。また別に、日本薬局方調査会生薬等委員会等より、国内で流通する試料を入手した。漢方処方は、日本漢方・生薬製剤協会を通じ、各処方について可能な限り多数の医療用漢方エキスを入手した。これらの生薬は、それぞれ、日本薬局方に従い性状、確認試験、純度試験、乾燥減量、灰分、酸不溶性灰分、希エタノールエキス、精油含量等について調べ、別に生薬の適、不適を判定した。
結果と考察
シゴカ、Curcuma 属生薬、朮類生薬、半夏、天南星、細辛について核rDNA及び葉緑体trnK遺伝子領域の塩基配列解析を行い、上記生薬の基原種の鑑定に遺伝子解析が有用であることを明らかにした。しかし、シゴカ、ガジュツの遺伝子解析にnested PCRを使用しており、より頑健性のある鑑別法の確立には、nested PCRを必要としない、高純度、高品質なDNAの調製法の開発が必要と考えられた。また、漢方処方の科学的品質保証として、処方中のチンピ、ビャクジュツ、ソウジュツの化学分析法を検討し、それぞれhesperidin、atractylenolide III (ATL III)、atractylodin (ATDN) を指標とした分析法を提案した。次いで、処方中に含まれるhesperidinが、epi体とのdiastereomer混合物であることを明らかにした。さらに、漢方処方エキスについて日本薬局方の試験法案として適切であるか検討を行い、処方中のhesperidinの定量法を試験法案として示した。他方、ATLⅢ、ATDNの定量法は、引き続き検討が必要なことが明らかとなった。また別に、小青竜湯中カンキョウの確認試験法としては、[6]-shogaolを指標とした試験法を確立した。
結論
生薬の科学的品質保証に関する研究として、シゴカ、Curcuma属及び朮類生薬、半夏、天南星、細辛に関しジェノタイピング技術を利用した基原鑑定法を、漢方処方の科学的品質保証に関する研究として、処方中のチンピ、朮類生薬等の化学分析法を検討した。本研究の成果は日本薬局方等に反映される予定である。

公開日・更新日

公開日
2005-04-22
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2007-04-20
更新日
-