高密度CGHアレイを用いた新規白血病・リンパ腫治療薬の標的分子の探索

文献情報

文献番号
200400865A
報告書区分
総括
研究課題名
高密度CGHアレイを用いた新規白血病・リンパ腫治療薬の標的分子の探索
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
小川 誠司(東京大学医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
  • 小林 幸夫(国立がんセンター中央病院)
  • 杉田 一憲(株式会社ラボ)
  • 三谷 絹子(獨協医科大学)
  • 竹内 賢吾(財団法人癌研究会癌研究所)
  • 千葉 滋(東京大学医学部附属病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 創薬等ヒューマンサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
34,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、最新のアレイ解析技術を駆使することにより、造血器腫瘍ゲノムに生ずる遺伝子の増幅・欠失あるいはメチル化の異常を網羅的に同定することにより、新たな治療の分子標的を同定することを試みる。平成17年度については、全ゲノムについて平均1Mbの解像度でコピー数の変化を解析することを可能とするHuman 1Mアレイの作成とこれを用いた造血器腫瘍の解析、さらにより高密度なコピー数の解析手法の確立を行う。
研究方法
FISHで局在が確認された約3200個のBAC DNAをDOP- PCR法により増幅した後、ガラススライドにスポットすることにより、Human 1Mアレイを作成し、これを用いて骨髄異形成症候群(MDS)62検体および慢性骨髄性白血病(CML)40検体について、ゲノムワイドなコピー数の解析を行った。また、さらに高解像度のコピー数解析を可能とする目的で、上記と同様の方法でヒト全ゲノムのTilingクローンによるBACアレイの作成を行うとともに、大規模SNPタイピング用に開発された高密度オリゴヌクレオチドアレイを応用したゲノム解析ツールの開発を行った。
結果と考察
Human 1Mアレイによる62例のMDS検体の解析では、従来の染色体分析では同定不可能であったゲノムの増幅・欠失領域を多数同定することが可能であった。これらのうち、複数の異なる検体で共通に変化を認める領域については、MDSの発症進展に重要な遺伝子が存在する可能性が示唆された。同様にHuman 1Mアレイを用いた40例のCML検体の解析においても、慢性期から急性期にかけて特異的に認められる異常が多数同定された。全ゲノムTilingアレイの作成に関しては、5番、7番、20番染色体に関するTilingアレイの作成を行った。また、全ゲノムについて116,204個のSNP特異的なオリゴヌクレオチドプローブを搭載したAffymetrix GeneChipを用いて腫瘍におけるゲノムコピー数の変化・アレル不均衡・転座切断点の解析を可能とするアルゴリズムを確立し、これを実装したCNAGソフトウェアを開発した。
結論
造血器腫瘍ゲノムにおけるコピー数の変化を網羅的に探索する手法としてHuman 1Mアレイの製造・解析システムを構築し、MDSおよびCMLにおけるゲノムコピー数の変化を網羅的に探索することにより、これらの腫瘍でコピー数変化を示す領域を同定した。また、高密度オリゴヌクレオチドアレイを用いた超高解像度のコピー数/LOH解析システムの構築を行った。

公開日・更新日

公開日
2005-05-09
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2007-04-20
更新日
-