成長制御機構の解明と成長障害治療法の開発

文献情報

文献番号
200400859A
報告書区分
総括
研究課題名
成長制御機構の解明と成長障害治療法の開発
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
緒方 勤(国立成育医療センター)
研究分担者(所属機関)
  • 奥山 虎之(国立成育医療センター)
  • 山中 良孝(岡山大学医学部歯学部附属病院小児科)
  • 鈴木 徹(日本ケミカルリサ-チ株式会社研究センタ-)
  • 引地 一昌(株式会社エスア-ルエル遺伝子・染色体解析センタ-)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 創薬等ヒューマンサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
4,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、ヒト成長遺伝子SHOX導入マウスの成長解析、胎児期後期・乳児期の成長機序の原因解明、低身長児における包括的遺伝子・染色体異常スクリーニングにより、成長制御機構を解明し、成長障害治療法を開発することである。
研究方法
SHOX発現調節領域の同定:Langer中肢骨短縮症と診断された1歳6カ月のターナー症候群女児とLeri-Weill軟骨骨異形成症と診断された母親においてSHOX発現調節領域の同定を行った。
胎児期後期・乳児期の成長機序の原因解明:性腺摘出ラットの成長パタ-ンを解析した。
低身長児における包括的遺伝子・染色体異常スクリーニング:特発性低身長同胞例35家系において成長ホルモン遺伝子の全コード領域を直接塩基配列法で解析した。

結果と考察
SHOX発現調節領域の同定: 母子の正常X染色体SHOX 3'領域に240-350 kbの微小欠失が同定された。今回の成績は、SHOX遺伝子発現調節にかかわるエンハンサーが、この微小欠失に存在することを示唆するものである。このエンハンサー領域の同定は、SHOX遺伝子導入マウス作製の基礎的デ-タとなる。
胎児期後期・乳児期の成長機序の原因解明:精巣摘出雄ラットと卵巣摘出雌ラットの口吻-尾根長と口吻-尾端長には、生後47日めから有意差が認められた。内分泌デ-タは、両群で同等であった。この成績は、性腺ステロイドが共に存在しないことから、Y成長遺伝子の効果を観察モデルとなる.
低身長児における包括的遺伝子・染色体異常スクリーニング:成長ホルモン遺伝子のヘテロ変異は全症例認められなかった。したがって、成長ホルモン遺伝子変異のヘテロ頻度は低いと考えられる。
結論
ヒト成長遺伝子SHOXの発現調節領域をSHOX 3'領域に限局しえた。精巣摘出雄ラットと卵巣摘出雌ラットの成長パタ-ン比較により、性ステロイド非依存性のY成長遺伝子が存在することが示された。低身長同胞例において成長ホルモン遺伝子変異解析を終了し、ヘテロ変異は認めらなかった.

公開日・更新日

公開日
2005-06-10
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2007-04-20
更新日
-