バイオフォトニクスを利用した細胞組織障害を視る、測る、解析する技術の開発

文献情報

文献番号
200400858A
報告書区分
総括
研究課題名
バイオフォトニクスを利用した細胞組織障害を視る、測る、解析する技術の開発
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
川西 徹(国立医薬品食品衛生研究所(生物薬品部))
研究分担者(所属機関)
  • 藤村久子(田辺製薬株式会社薬物動態研究所)
  • 小林 薫(三菱ウェルファーマ株式会社蛋白質)
  • 古田寿昭(東邦大学理学部)
  • 大幡久之(昭和大学薬学部)
  • 今泉祐治(名古屋市立大学薬学部)
  • 重信弘毅(東邦大学薬学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 創薬等ヒューマンサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
13,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
疾病治療用医薬品の創薬において最も重要な基盤技術の一つとして、疾患に伴って生じる細胞組織障害を解析する技術があげられる。本研究は、細胞機能に係る生体内パラメータに対する感受性蛍光プローブを開発・利用することにより、細胞組織障害を簡便かつ定量的に解析する方法を確立し、創薬シーズ探索のためのハイスループットスクリーニング、医薬品候補化合物のセレクション、タンパク質性医薬品の品質(生物活性)評価等への応用を目指す。
研究方法
研究は、(1)細胞組織障害を解析するためのバイオフォトニクスプローブの開発(2)バイオフォトニクスプローブ使用に最適化した解析機器の開発(3)開発されたプローブおよび解析機器の生体への応用技術の開発、の3つの視点から行う。
結果と考察
バイオフォトニクスプローブの開発:蛍光特性の異なるカスパーゼ活性化検出FRET型プローブを作製し、2つの細胞内反応を同時に検出・測定することに成功した。多数の蛍光タンパク質と種々の蛍光顕微測定法の組み合わせにより、様々な細胞内現象を自由に測定することが可能になると期待される。また、光を照射することで、瞬時に元の分子を活性型として出現させることが出来るケージド化合物を設計し、タンパク質、遺伝子の機能制御を行う手法の開発を目指した。リン酸と反応して光解離性のエステルを形成するクロスリンカーの合成により、RNAiによる遺伝子発現抑制を光制御することに成功した。
解析機器の開発:多光子励起顕微鏡を利用して細胞内カルシウムイオン動態と血管機能および細胞障害性を解析するシステムを構築し、LPAが流れ刺激存在下で内皮依存的な血管収縮応答を引き起こすことを明らかにした。また、リアノジン受容体遺伝子をHEK293細胞に導入後カルシウムイオン感受性プローブ等を取り込ませ、細胞障害によるペースメーカー機能障害の画像解析系を作製した。
応用技術の開発: ラット初代培養肝細胞と蛍光プローブを用い,薬物の酸化ストレス誘発性のプロファイリング/スクリーニング系を開発し,Cyclosporine Aの酸化ストレス誘発性を解析した.また、アポトーシス耐性の宿主細胞を得るため、増殖因子不含で組成が明らかな培地に馴化したCHO K1 SV細胞を取得した。
結論
バイオフォトニクスプローブを開発・利用することにより、細胞組織障害を簡便かつ定量的に解析する方法の開発研究を行い、各サブテーマにおいて有用な成果を得た。

公開日・更新日

公開日
2005-04-22
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2007-04-20
更新日
-