国内未承認エイズ治療薬等を用いたHIV感染症治療薬及びHIV感染症至適治療法の開発に係る応用研究

文献情報

文献番号
200400849A
報告書区分
総括
研究課題名
国内未承認エイズ治療薬等を用いたHIV感染症治療薬及びHIV感染症至適治療法の開発に係る応用研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
福武 勝幸(東京医科大学)
研究分担者(所属機関)
  • 青木 眞(順天堂大学)
  • 味沢 篤(都立駒込病院)
  • 岩本 愛吉(東京大学)
  • 菊池 嘉(国立国際医療センター)
  • 木村 哲(国立国際医療センター)
  • 白阪 琢磨(国立病院機構 大阪医療センター )
  • 高田 昇(広島大学)
  • 花房 秀次(荻窪病院)
  • 松宮 輝彦(東京医科大学)
  • 三間屋 純一(静岡県立こども病院)
  • 山元 泰之(東京医科大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 創薬等ヒューマンサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
100,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
エイズ/HIV感染者の治療は、欧米で新規の薬剤が開発され優れた治療効果を発揮している。日本では患者数が少ないために治験の実施が困難であるばかりか、市販しても経済的に成り立たないため、重要な薬剤でありながら承認市販の見通しがない薬剤が存在している。本研究はエイズ/HIV感染者の治療に有用な薬剤で、外国では承認されているが、日本で承認されていない(成分だけでなく適応効能又は効果を含む)治療薬について、国内で研究組織を作り、当該治療薬を必要とする患者の救済とそれらの開発促進を図ろうとするものである。
研究方法
国内でエイズ/HIV感染者の治療実績のある施設の臨床医師10名で基本的な研究組織としてプロトコール作成委員会を構成した。また、薬剤の専門家を加えて研究班を構成した。熱帯病治療薬研究班の例を参考にして、薬剤の輸入から配布に至る迅速な流通経路を確立し、治療研究に用いる治療薬と承認薬を含む最新の治療情報をインターネットのホームページ(http://www.iijnet.or.jp/aidsdrugmhw/)に公開し、可能な限り多くの患者とその担当医師に提供できるシステムを構築した。薬剤耐性試験などを行い、適正な薬剤の使用について検討した。HIV/HCV重感染者の適切な治療法を確立を目指した。
結果と考察
ホームページ利用件数は平成17年3月末日までに404,000件を超え、この1年間のページビュー利用件数は約100,000件であった。薬剤の送付は研究班の発足からこれまでの間に、169施設の502症例に対して3546件の薬剤送付を行い、このうち平成15年度分が735件を占めており、本研究の必要性が高まっている。昨年度、有害事象は10件が報告された。多くの治療薬では症例数が少ない試験であるため治療成績の評価を始めるまでには、今後さらに数年以上の期間が必要と考えられた。
結論
エイズ/HIV感染症治療薬として重要であるが日本で未承認薬剤の開発を促進するシステムを構築した。研究班薬剤の需要は年々増加し、日本で既承認の薬剤だけでは治療が困難な患者にこの研究活動は欠くことができない。しかし、薬剤供与機構としての運営には予算、人的援助など制約があり理想的な手段とは言い難く、治療対象が極めて稀な疾患の治療薬は、海外成績をもとに柔軟に承認して市販を促し、市販後調査を中心に管理するなどの特別な対策が必要と考えられる。

公開日・更新日

公開日
2005-11-28
更新日
-