文献情報
文献番号
200400843A
報告書区分
総括
研究課題名
特定疾患の地域支援体制の構築に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
木村 格(独立行政法人国立病院機構西多賀病院)
研究分担者(所属機関)
- 糸山 泰人(東北大学 医学部)
- 田代 邦雄(北海道医療大学)
- 吉良 潤一(九州大学 医学部)
- 阿部 康二(岡山大学 医学部)
- 中野 今治(自治医科大学)
- 加藤 丈夫(山形大学 医学部)
- 黒岩 義之(横浜市立大学 医学部)
- 塩澤 全司(山梨大学 医学部)
- 祖父江 元(名古屋大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
40,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
重度の難治性疾患(難病)患者も医療環境と生活支援体制の質の向上によって、障害と社会的不利益を克服でき、自ら自律できるという作業仮説を実証する.得られた研究成果は患者と家族の視点から検証する.最終的に具体的な難病政策として全都道府県におきて普遍化させる.
研究方法
1)難病医療ネットワークの構築:都道府県毎に拠点病院と協力病院を指定・公表し、当該地域で求められる難病医療を当該地域での相互支援ネットワークで供給できる体制と方策を求める.
2)個々の事例のケアプラン研究から必要とする地域毎の支援チームを構成し、それぞれの役割分担と相互連携について検討し、基準化する.
3)難病支援対策の中核となる相談・支援事業を地域格差なく全国に普及させる.同時に事業担当職の資質向上策を求める.
4)難病患者の生き甲斐となる就労の可能性について研究する.
2)個々の事例のケアプラン研究から必要とする地域毎の支援チームを構成し、それぞれの役割分担と相互連携について検討し、基準化する.
3)難病支援対策の中核となる相談・支援事業を地域格差なく全国に普及させる.同時に事業担当職の資質向上策を求める.
4)難病患者の生き甲斐となる就労の可能性について研究する.
結果と考察
1)重症難病患者入院施設確保事業の進捗で、難病医療ネットワークが構築されて地域内の医療需要を満たしてきた.専門医の絶対的な不足を補う専門医と受け持ち医の2人主治医制を提言.2)在宅と入院間連携が改善されたが、一部地域では長期入院病床が不足している.3)『難病相談支援センター』は18都道府県で開設、残りも今後2年間に設置可能と期待される.難病相談担当者の資質向上のために医療職、研究者、行政、患者支援団体からなる全国規模の研究会を定期的に開催.知識と技術の普及、国民の難病に対する理解と意識の改革に寄与した.4)患者の雇用拡大と安定した就労を継続させる方策として、従来からの働くのは病気が治ってからと言う考えから、医療と就労を同時に進めるために必要な具体的な方策と提言をまとめた.
結論
本研究が原動力となり全国で難病医療と生活支援の重要性が認識され、医師、研究者、行政職、医療職が積極的に参加し、医療ネットワーク構築と自律支援体制整備が推進した.研究成果は具体的に患者と家族、支援団体からの高い評価を受けている.本趣旨の研究事業が継続され、どのような重症難病患者も格差なく医療・療養環境に支えられて生き甲斐と楽しみを持てる生活が持続できることを期待する.
公開日・更新日
公開日
2005-08-04
更新日
-