脊柱靭帯骨化症に関する調査研究

文献情報

文献番号
200400832A
報告書区分
総括
研究課題名
脊柱靭帯骨化症に関する調査研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
中村 耕三(東京大学大学院医学系研究科整形外科学)
研究分担者(所属機関)
  • 吉川 秀樹(大阪大学大学院医学系研究科器官制御外科学(整形外科))
  • 井ノ上逸朗(東京大学医科学研究所ゲノム情報応用診断部門)
  • 池川 志郎(理化学研究所・遺伝子多型研究センター)
  • 岩本 幸英(九州大学医学部整形外科)
  • 馬場 久敏(福井大学医学部器官制御医学講座整形外科学領域)
  • 木村 友厚(富山医科薬科大学医学部整形外科)
  • 小宮 節郎(鹿児島大学医学部整形外科)
  • 藤    哲(弘前大学医学部整形外科)
  • 鐙  邦芳(北海道大学保健管理センター)
  • 四宮 謙一(東京医科歯科大学医学部整形外科)
  • 戸山 芳昭(慶應義塾大学医学部整形外科・脊椎脊髄外科)
  • 国分 正一(東北大学大学院医学系研究科医科学専攻外科病態学講座体性外科学分野整形外科学)
  • 田口 敏彦(山口大学医学部生体機能統御学・整形外科)
  • 米延 策雄(国立大阪南医療センター整形外科)
  • 中村 孝志(京都大学大学院医学研究科整形外科)
  • 守屋 秀繁(千葉大学医学部整形外科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
28,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
脊髄麻痺を引き起こす疾患は患者および家族への身体および精神的障害が甚大である。とくに脊柱靱帯骨化症は多発する骨化巣、時間経過にともなう麻痺の進行という特異な病態を有する。一部の患者では麻痺が重篤化し介護・福祉面での社会への負担も大きい。
本研究は、脊柱靱帯骨化症に対して、基礎研究として原因遺伝子のさらなる絞り込みと原因候補のタンパク質等の検討、臨床研究としてはガイドラインの作成を行うことで、病態解明と診療体系の確立を意図するものである。
研究方法
遺伝子検索では孤発性OPLL患者711例、OPLLのない対照1016例を対象とし、理研SNPデータベースの情報に基づき選択した遺伝子特異的な一塩基多型(以下SNP)を遺伝的マーカーとして、症例対照相関解析を行った。また、症例群を性別、年齢、罹患椎体数により層別化し、それぞれ独立に解析を行った。
ガイドライン作成は文献検索・取得には国際医学情報センターに一部委託しつつ、リサーチクエスチョンの設定後、文献を査読しガイドラインを策定した。ガイドラインは仮策定後、日本脊椎脊髄病学会・日本整形外科学会での評価ならびに検証を行った。
結果と考察
候補遺伝子として35遺伝子を選択し、合計109SNPのジェノタイピングを行った結果、完全に有意と結論づけられるものはなかった。また、性別、年齢、罹患椎体数によって層別化したグループに特異的な相関が認められたものはなかった。過去に相関が報告されている3遺伝子いずれにおいても相関は再現されなかった。
ガイドライン策定に関してはリサーチクエスチョンを分析し、これに対するエビデンス検索のためのキーワード設定をおこなった。文献一次検索により、日本語文献約800篇、英語文献約400篇を選定した。採用した文献を査読委員に委ね、委員によるサイエンティフィックステートメントが作成後、委員会において校閲の後、完成した。
結論
効率的な原因遺伝子検索に向けて、家系内発症例を用いた連鎖解析は非常に強力なツールとなりうる。多数の罹患同胞対を用いたノンパラメトリック連鎖解析は、現時点でとり得る最も有効な方法の一つであろう。今後は分担研究者を大幅に増加することで、同胞・大家系例の収集を目指す。
ガイドラインの普及を目指す一方でガイドライン普及前における疾患特異的な実態調査を行い、診療の基礎データ収集を行っていく。

公開日・更新日

公開日
2005-07-11
更新日
-

文献情報

文献番号
200400832B
報告書区分
総合
研究課題名
脊柱靭帯骨化症に関する調査研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
中村 耕三(東京大学大学院医学系研究科整形外科学)
研究分担者(所属機関)
  • 吉川 秀樹(大阪大学大学院医学系研究科器官制御外科学(整形外科))
  • 井ノ上逸朗(東京大学医科学研究所ゲノム情報応用診断部門)
  • 池川 志郎(理化学研究所・遺伝子多型研究センター)
  • 岩本 幸英(九州大学医学部整形外科)
  • 馬場 久敏(福井大学医学部器官制御医学講座整形外科学領域)
  • 木村 友厚(富山医科薬科大学医学部整形外科)
  • 小宮 節郎(鹿児島大学医学部整形外科)
  • 藤    哲(弘前大学医学部整形外科)
  • 鐙  邦芳(北海道大学保健管理センター)
  • 四宮 謙一(東京医科歯科大学医学部整形外科)
  • 戸山 芳昭(慶應義塾大学医学部整形外科・脊椎脊髄外科)
  • 国分 正一(東北大学大学院医学系研究科医科学専攻外科病態学講座体性外科学分野整形外科学)
  • 田口 敏彦(山口大学医学部生体機能統御学・整形外科)
  • 米延 策雄(国立大阪南医療センター整形外科)
  • 中村 孝志(京都大学大学院医学研究科整形外科)
  • 守屋 秀繁(千葉大学医学部整形外科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
脊髄麻痺を引き起こす疾患は患者および家族への身体および精神的障害が甚大である。とくに脊柱靱帯骨化症は多発する骨化巣、時間経過にともなう麻痺の進行という特異な病態を有する。一部の患者では麻痺が重篤化し介護・福祉面での社会への負担も大きい。
本研究は、脊柱靱帯骨化症に対して、基礎研究として原因遺伝子のさらなる絞り込みと原因候補のタンパク質等の検討、臨床研究としてはガイドラインの作成を行うことで、病態解明と診療体系の確立を意図するものである。
研究方法
遺伝子検索では孤発性OPLL患者711例、OPLLのない対照1016例を対象とし、理研SNPデータベースの情報に基づき選択した遺伝子特異的な一塩基多型(以下SNP)を遺伝的マーカーとして、症例対照相関解析を行った。また、症例群を性別、年齢、罹患椎体数により層別化し、それぞれ独立に解析を行った。
ガイドライン作成は文献検索・取得には国際医学情報センターに一部委託しつつ、リサーチクエスチョンの設定後、文献を査読しガイドラインを策定した。ガイドラインは仮策定後、日本脊椎脊髄病学会・日本整形外科学会での評価ならびに検証を行った。


 
結果と考察
候補遺伝子として35遺伝子を選択し、合計109SNPのジェノタイピングを行った結果、完全に有意と結論づけられるものはなかった。また、性別、年齢、罹患椎体数によって層別化したグループに特異的な相関が認められたものはなかった。過去に相関が報告されている3遺伝子いずれにおいても相関は再現されなかった。
ガイドライン策定に関してはリサーチクエスチョンを分析し、これに対するエビデンス検索のためのキーワード設定をおこなった。文献一次検索により、日本語文献約800篇、英語文献約400篇を選定した。採用した文献を査読委員に委ね、委員によるサイエンティフィックステートメントが作成後、委員会において校閲の後、完成した。
結論
効率的な原因遺伝子検索に向けて、家系内発症例を用いた連鎖解析は非常に強力なツールとなりうる。多数の罹患同胞対を用いたノンパラメトリック連鎖解析は、現時点でとり得る最も有効な方法の一つであろう。今後は分担研究者を大幅に増加することで、同胞・大家系例の収集を目指す。
ガイドラインの普及を目指す一方でガイドライン普及前における疾患特異的な実態調査を行い、診療の基礎データ収集を行っていく。

公開日・更新日

公開日
2005-07-11
更新日
-