難治性血管炎に関する調査研究

文献情報

文献番号
200400803A
報告書区分
総括
研究課題名
難治性血管炎に関する調査研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
尾崎 承一(聖マリアンナ医科大学リウマチ・膠原病・アレルギー内科)
研究分担者(所属機関)
  • 中林 公正(杏林大学医学部第一内科学教室)
  • 小林 茂人(順天堂大学医学部膠原病内科、順天堂越谷病院内科)
  • 津坂 憲政(埼玉医科大学総合医療センター第二内科)
  • 古川 福実(和歌山県立医科大学皮膚科学)
  • 湯村 和子(東京女子医科大学第4内科)
  • 吉田 俊治(藤田保健衛生大学医学部リウマチ感染症内科)
  • 吉田 雅治(東京医科大学八王子医療センター腎臓内科)
  • 安田 慶秀(北海道大学大学院医学研究科循環病態学講座循環器外科)
  • 重松 宏(東京大学医学部付属病院手術部)
  • 高野 照夫(日本医科大学内科学第1)
  • 森下 竜一(大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学)
  • 吉木 敬(株式会社ジェネティックラボ)
  • 居石 克夫(九州大学大学院医学研究院病理病態学)
  • 能勢 眞人(愛媛大学医学部病因・病態学講座)
  • 由谷 親夫(岡山理科大学理学部臨床生命科学科)
  • 鈴木 和男(国立感染症研究所生物活性物質部第三室)
  • 加藤 智啓(聖マリアンナ医科大学難病治療研究センター)
  • 土屋 尚之(東京大学大学院医学系研究科国際保健学専攻人類遺伝学)
  • 山田 秀裕(聖マリアンナ医科大学リウマチ・膠原病・アレルギー内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
40,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
血管炎の診断・治療に関する質の高いEBMを確立し、かつ、難治性血管炎の病因を解明することを目的として、基礎研究と臨床研究とを有機的に連携する新しい研究体制を確立した。
研究方法
(1) 中小型血管炎では、診断と治療のEBMの構築のための臨床研究、血管炎の治療に伴う感染症の対策、診断基準の見直しと寛解基準の検討を行なった。
(2) 大型血管炎では、遺伝子治療の臨床研究、再生医療の有用性の検討を行なった。
(3) 病理および基礎研究では、病理アトラスの作成、ゲノミクス/プロテオミクスを用いた血管炎の病因・病態解析、モデル動物の解析を行なった。
結果と考察
(1) MPO-ANCA関連血管炎に対する重症度別治療プロトコールを確定し、その有用性を明らかにする前向きコホート研究を厚生労働省の他の2班と共同で行なうことで合意に達した。治療中のカリニ肺炎を予測する指標として抗カンジダ細胞壁βグルカン抗体の有用性を見い出した。特定疾患対象疾患について寛解基準を定義した。
(2) Buerger病を対象としたHGF遺伝子プラスミド治療のオープンラベル試験を終了し安全性の確認をした。これに基づき二重盲検比較試験を開始した。難治性の大型血管炎での自己骨髄細胞移植による血管再生療法の有用性を明らかにした。
(3) 血管炎病理アトラスを完成させ、実地臨床の場に有用な画像・病理情報を提供した。ANCA関連血管炎において標準的治療に対する反応性と相関した変動を示す一群の遺伝子を見い出した。血管炎患者血清の認識する抗血管内皮細胞抗体の新規の対応抗原としてperoxiredoxin 2を同定した。血管炎モデル研究として、MXH/lprマウスにおける系統間分布表を作製し、血管炎感受性遺伝子を複数の染色体上にマッピングした。HTLV-I env-pX遺伝子導入ラットにおける血管平滑筋反応性T細胞の関与を示した。カンジダ成分で誘導した冠状動脈炎モデルマウスにおいて血管炎発症の初期像を詳細に解析した。
結論
最終年度にあたり、難治性血管炎の診断・治療・病因に関して以下の研究成果を得た。中小型血管炎および大型血管炎において前向き臨床試験の体制を整えた。難治性血管炎への再生医療の応用を開始した。血管炎病理アトラスを完成・配布した。ゲノミクス/プロテオミクスを用いて予後予測因子や新規自己抗原を同定した。研究班独自の血管炎モデル動物を樹立して新知見を得た。

公開日・更新日

公開日
2005-05-02
更新日
-

文献情報

文献番号
200400803B
報告書区分
総合
研究課題名
難治性血管炎に関する調査研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
尾崎 承一(聖マリアンナ医科大学リウマチ・膠原病・アレルギー内科)
研究分担者(所属機関)
  • 中林 公正(杏林大学医学部第一内科学教室)
  • 小林 茂人(順天堂大学医学部膠原病内科、順天堂越谷病院内科)
  • 津坂 憲政(埼玉医科大学総合医療センター第二内科)
  • 古川 福実(和歌山県立医科大学皮膚科学)
  • 湯村 和子(東京女子医科大学第4内科)
  • 吉田 俊治(藤田保健衛生大学医学部リウマチ感染症内科)
  • 吉田 雅治(東京医科大学八王子医療センター腎臓内科)
  • 安田 慶秀(北海道大学大学院医学研究科循環病態学講座循環器外科)
  • 重松 宏(東京大学医学部付属病院手術部)
  • 高野 照夫(日本医科大学内科学第1)
  • 森下 竜一(大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学)
  • 吉木 敬(株式会社ジェネティックラボ)
  • 居石 克夫(九州大学大学院医学研究院病理病態学)
  • 能勢 眞人(愛媛大学医学部病因・病態学講座)
  • 由谷 親夫(岡山理科大学理学部臨床生命科学科)
  • 鈴木 和男(国立感染症研究所生物活性物質部第三室)
  • 加藤 智啓(聖マリアンナ医科大学難病治療研究センター)
  • 土屋 尚之(東京大学大学院医学系研究科国際保健学専攻人類遺伝学)
  • 山田 秀裕(聖マリアンナ医科大学リウマチ・膠原病・アレルギー内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
難治性血管炎の診断・治療に関する質の高いEBMを確立し、かつ、難治性血管炎の病因を解明することを目的として、基礎研究と臨床研究とを有機的に連携する新しい研究体制を確立した。
研究方法
(1) 中小型血管炎では、診断と治療のEBMの構築のための臨床研究、血管炎の治療に伴う感染症の対策、診断基準の見直しと寛解基準の検討を行なった。
(2) 大型血管炎では、遺伝子治療の臨床研究、新規な画像評価法の検討、再生医療の有用性の検討を行なった。
(3) 病理および基礎研究では、病理アトラスの作成、ゲノミクス/プロテオミクスを用いた血管炎の病因・病態解析、モデル動物の解析を行なった。
結果と考察
(1) MPO-ANCA関連血管炎に対する重症度別治療プロトコールを確定し、その有用性を明らかにする前向きコホート研究を厚生労働省の他の2班と共同で行なうことで合意に達した。治療中のカリニ肺炎を予測する指標として抗カンジダ細胞壁βグルカン抗体の有用性を見い出した。悪性関節リウマチの本研究班の診断基準の有用性を明らかにした。特定疾患対象疾患について寛解基準を定義した。
(2) Buerger病に対するHGF遺伝子プラスミド治療のオープン試験の安全性を確認し二重盲検比較試験を開始した。難治性血管炎での自己骨髄細胞移植による血管再生療法の有用性、および、高安動脈炎における18F-FDG-PETの有用性を明らかにした。
(3) 血管炎病理アトラスを完成させ実地臨床の場に提供した。ANCA関連血管炎において治療反応性と相関した変動を示す一群の遺伝子を見い出した。日本人のANCA関連血管炎の疾患感受性遺伝子を同定した。血管炎患者血清の認識する抗血管内皮細胞抗体の新規の対応抗原peroxiredoxin 2を同定した。血管炎モデル研究として、MXH/lprマウスにおける血管炎感受性遺伝子を複数の染色体上にマッピングした。HTLV-I env-pX遺伝子導入ラットにおける血管平滑筋反応性T細胞の関与を示した。カンジダ成分誘導冠状動脈炎モデルマウスの初期臨床像を詳細に解析した。
結論
難治性血管炎の診断・治療・病因に関する3年間の研究成果として以下のものを得た。中小型血管炎および大型血管炎において前向き臨床試験の体制を整えた。難治性血管炎における感染症対策を提言し、再生医療の応用を開始した。特定疾患対象疾患の寛解基準を定義した。血管炎病理アトラスを完成・配布した。ゲノミクス/プロテオミクスを用いて予後予測因子や新規自己抗原を同定した。研究班独自の血管炎モデル動物を樹立して新知見を得た。

公開日・更新日

公開日
2005-05-02
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-02-20
更新日
-