中枢性摂食異常症に関する調査研究

文献情報

文献番号
200936018A
報告書区分
総括
研究課題
中枢性摂食異常症に関する調査研究
課題番号
H20-難治・一般-010
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
小川 佳宏(国立大学法人 東京医科歯科大学 難治疾患研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 芝崎 保(日本医科大学 大学院医学研究科)
  • 中尾 一和(京都大学 大学院医学研究科)
  • 児島 将康(久留米大学 分子生命科学研究所)
  • 吉松 博信(大分大学 医学部)
  • 赤林 朗(東京大学 大学院医学系研究科)
  • 赤水 尚史(京都大学 医学部附属病院)
  • 鈴木 眞理(政策研究大学院大学 保健管理センター)
  • 久保 千春(九州大学病院)
  • 堀川 玲子(国立成育医療研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了年度
平成22(2010)年度
研究費
17,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本調査研究の目的は、中枢性摂食異常症の成因・病態に関する基礎研究と臨床研究を組み合わせて本症の新しい対処法・治療法の開発を推進することである。
研究方法
研究目的の達成のために、分子生物学あるいは発生工学的手法を駆使した中枢性摂食調節機構に関する基礎研究、中枢性摂食異常症の病因・病態解明のための基礎研究と臨床研究、臨床現場に有用な対処法・治療法に関する臨床研究を推進した。
結果と考察
基礎研究では、絶食時の骨格筋萎縮におけるFOXO1/カテプシンL経路の病態生理的意義、中枢性摂食異常症におけるCRFや神経ヒスタミンあるいはグレリンの病態生理的意義、レプチン作用とうつ発症の関係を明らかにした。いずれにおいても中枢性摂食異常症の成因あるいは病態を理解する上で重要な知見が得られた。臨床研究では、神経性食欲不振症患者における体重変動の経時的解析、摂食障害患者の日常生活下における過活動・排出行為などの代償行動の検討、グレリンの消化管運動増進と摂食亢進の作用を利用した新たな臨床試験の探索、思春期神経性食欲不振症の性腺補充療法の検討を進め、神経性食欲不振症患者の骨粗鬆症治療におけるビタミンKの有用性とその機序の一端を明らかにした。昨年度(平成20年度)に企画した「摂食障害のプライマリケアを援助する基幹医療施設のネットワーク形成を目指したワーキンググループ」では、平成21年12月4日開催の「平成21年度研究発表会」において各臨床施設の現状の報告と意見交換を通じて、将来的に必要となる全国レベルの大規模疫学調査のパイロットスタディーとして平成22年度に計画している臨床疫学研究の進め方を議論した。
結論
臨床現場において有用な中枢性摂食異常症に関する対処法・治療法の開発を目指して、本症の成因・病態に関する基礎研究と臨床研究を推進した。基礎研究により、中枢性摂食調節の分子機構、中枢性摂食異常症の病因・病態の分子レベルの解析が進んだ。臨床的にも、中枢性摂食異常症の病因・病態の理解が進み、グレリンの消化管運動増進と摂食亢進作用や小児・思春期摂食障害における性腺機能低下や骨粗鬆症など本症の合併症の実態と治療法に関して有用な情報が得られた。本調査研究において新しく企画したワーキンググループを活用して、将来的に必要となる全国レベルの大規模疫学調査のパイロットスタディーとなる臨床疫学研究を進めたい。