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文献情報

文献番号 201808016A
報告書区分 総括
研究課題 都道府県がん登録の全国集計データと診療情報等との併用・突合によるがん統計整備及び活用促進の研究
課題番号 H29-がん対策-一般-016
研究年度 平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関) 松田 智大(国立研究開発法人国立がん研究センター がん対策情報センター がん登録センター) 
研究分担者(所属機関) 伊藤 秀美(愛知県がんセンター研究所 遺伝子医療研究部)、杉山 裕美(公益財団法人放射線影響研究所 疫学部)、大木 いずみ(栃木県立がんセンター がん予防情報相談部)、中田 佳世(山田 佳世)(地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター がん対策情報センター 政策情報部)、西野 善一(金沢医科大学 医学部公衆衛生学)、加茂 憲一(札幌医科大学 医療人育成センター)、伊藤 ゆり(大阪医科大学 研究支援センター 医療統計室)、柴田 亜希子(国立研究開発法人国立がん研究センター がん対策情報センター がん登録センター )、片野田 耕太(国立研究開発法人国立がん研究センター がん対策情報センター がん統計・総合解析研究部)、雑賀 公美子(国立研究開発法人国立がん研究センター がん対策情報センター がん登録センター )、堀 芽久美(国立研究開発法人国立がん研究センター がん対策情報センター がん統計・総合解析研究部)、宮代 勲(地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター がん対策センター)、澤田 典絵(国立研究開発法人国立がん研究センター社会と健康研究センター疫学研究部)、永岩 麻衣子(サイニクス株式会社) 
研究区分 厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん対策推進総合研究
開始年度 平成29(2017)年度
終了予定年度 2019年度
研究費 11,722,000円
研究者交替、所属機関変更  

研究報告書(概要版)

概要版 研究目的:
先進国では、がん罹患・死亡動向の正確な実態と予測が定期的にまとめられ、有効活用されているため、わが国でも、これまでに構築された精度管理方法とデータ分析手法の枠組みを活用し、がん登録データと既存データを併用したがんの実態把握方法の具体例を示し、データ活用を促進する必要がある。本研究班は、第3次対がん10か年総合戦略及びがん政策研究事業を引継ぎ、諸外国との共同研究を含むがん研究に基づいて、がん登録データに基づいたがん対策を推進できる唯一のグループであり、都道府県がん登録と院内がん登録との連携強化と、既存の大規模がん統計データとの併用及び突合による詳細ながんの動向把握により、今後求められる、がん登録データ活用の正しい方向付けを目的とする。
研究方法:
47都道府県に個別匿名データ提供を依頼、2015年の罹患数・率推計をする。院内がん登録全国集計データと都道府県がん登録を分析し、医療機関内の特性を県別に把握する。人口動態統計死亡票を用い、患者の予後及び原死因を特定する。がん検診精度管理のルーチン化を実施する。大規模コホート研究や、製薬企業等でのがん登録データ活用方法の検討を行う。最新の統計モデル手法を用いて、将来推計等を実施し、がん対策に活用するとともに、一般国民に役立つ統計値を算出する。
結果と考察:
全国がん罹患モニタリング集計は、47都道府県から2015年罹患のデータを収集することができ、単純合計値をもって日本全体の高精度のがん罹患統計を作成できた。生存率の分析や国際比較等、同データ分析による研究成果は、がん対策の評価基準として活用されている。既存のがん関連統計とがん登録情報のリンケージや併用により、それぞれのデータのがん対策資料としての有用性は飛躍的に高まるであろう。小児腎腫瘍を各国や地域から長期間のがん登録データを収集することで、地域格差や、年齢分布、トレンドなどを組織診断別に分析することができる。地域がん登録データより把握されたATLの罹患数は年間1,000件を大きく上回り、その約半数は九州以外の住民であることが明らかとなった。 全国DBSにより、外部コホートデータとがん登録データを効率的に照合することができた。姓、名、性、生年月日、死亡日があれば、同一人物と判断できるが、死亡日がない場合は住所が重要である。住所は変動する指標であるため、コホート側でも最新の住所を入手する努力が必要である。 全国データとして831,473件のがん情報を収集し横断的にがん診療連携拠点病院の診療把握が可能となった。死亡票とがん登録情報との照合が高い確率で行え、解析用データベースを作成できることが明らかとなった。 がん罹患や生存率と様々な地理統計とのデータリンケージによる地域相関研究を実施するための基盤整備に取りかかった。和歌山市の精検受診率が低いことと関連して、全受診者から発生したがんのうち、市の追跡調査のみでは把握が困難であったがんの割合は、部位、検診方法によって異なるが、40%〜85%であった。このことから、がん登録データとがん検診データの照合により、市の追跡調査のみでは把握できないがん症例が補完され、より詳細ながん検診の精度管理評価が可能であることが明らかとなった。 主要研究班に対するアンケート結果から、コホート研究での利活用の期待が高い一方、コホート研究側における理解の不足、それを補うための全国がん登録の提供マニュアルにおけるQ&Aの必要性があることがわかった。製薬企業において、全国がん登録情報を利用したい要望は高い。全国がん登録情報は、製薬企業における様々な業務で、薬剤による医療の質の向上に繋がる基礎データとして活用できる可能性があることが把握できた。 登録の完全性はかなり改善されており、そのことが登録の完全性に関する変数の一極集中を招き、その結果として登録の完全性以外の部分が際立つ結果であった。 研究者が日常示すがん統計値の有用性の認識や、理解度もおしなべて高くなく、がん罹患経験のない国民に、予防や早期発見の情報を統計値をもって伝えることの難しさが露呈した。今後、インタラクティブな情報提示や詳細の情報などを追加し、さらなる発展が必要である。進展度の不明・欠損症例は長期的に減少する傾向にあるため、進展度別罹患率が長期的に増加傾向にある場合の解釈において欠損値補完は重要である。
結論:
住民ベースがん登録データを、集計し、また他国と比較することにより、我が国のがん実態把握ができた。詳細部位の分析を進め、拠点病院のカバー率を把握することで、がん医療の質の向上に貢献できた。がん検診精度管理を実施し、実作業での課題をまとめた。大規模コホート研究へのがん登録情報の利用への要望、製薬企業の利用のニーズを把握した。がん登録データの完全性の検討ができた。
公開日 2019年10月16日
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公開日 2019年10月16日
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