概要版

文献情報

文献番号 201709004A
報告書区分 総括
研究課題 受動喫煙防止等のたばこ対策の推進に関する研究
課題番号 H28-循環器等-一般-002
研究年度 平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関) 中村 正和(公益社団法人地域医療振興協会 ヘルスプロモーション研究センター) 
研究分担者(所属機関) 大和 浩(産業医科大学 産業生態科学研究所)、河井 一明(産業医科大学 産業生態科学研究所)、五十嵐 中(東京大学 大学院薬学系研究科)、田淵 貴大(地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター がん対策センター)、欅田 尚樹(国立保健医療科学院 生活環境研究部)、若尾 文彦(国立研究開発法人国立がん研究センター がん対策情報センター)、原田 正平(聖徳大学 児童学部)、岡本 光樹(岡本総合法律事務所)、大森 久光(熊本大学 大学院生命科学研究部)、片野田 耕太(国立研究開発法人国立がん研究センター がん統計・総合解析研究部) 
研究区分 厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
開始年度 平成28(2016)年度
終了予定年度 平成30(2018)年度
研究費 11,800,000円
研究者交替、所属機関変更  

研究報告書(概要版)

概要版 研究目的:
本研究は、たばこ規制枠組み条約(FCTC)に照らして特に取組みが遅れている受動喫煙防止、広告・販売促進・後援の禁止、健康警告表示の3政策に重点をおき、政策化に役立つエビデンスの構築と実効性のある政策の提言を目的としている。
研究方法:
受動喫煙防止については、2016年度後半から法制化の動きが活発になったことを受け、重点テーマと位置づけ、最新データを用いた受動喫煙による超過医療費の推計、屋内禁煙を原則とした法的規制が実現した場合に必要となる屋外喫煙所の課題や満たすべき要件の検討、「子どもを受動喫煙から守る条例」の意義と効果の検討を行った。そのほか、受動喫煙の他者危害性の理解につながる曝露指標の検討、たばこ産業等による受動喫煙防止対策への政策干渉の分析、他者危害性の認識と禁煙の関心との関連について検討した。 広告等の規制については、たばこ産業による喫煙防止広告や分煙広告等に対する意識調査の分析を行った。健康警告表示については、文字や画像による5種類の異なる警告表示のインパクトを比較する研究を実施した。 そのほか、包括的なたばこ対策の効果評価にむけた国際保健機関(WHO)の研究グループ等との共同研究、喫煙者を対象としたRCT研究によるCOPDスクリーニングの有効性評価、加熱式たばこ使用者へのインタビュー調査と定量調査に向けた調査票の開発、加熱式たばこ等の実態把握のための質問項目の検討と提案、第3期特定健診・特定保健指導に向けた標準プログラムと禁煙支援マニュアル(第二版)の改訂を行った。
結果と考察:
2015年における1年間の能動喫煙と受動喫煙の超過医療費はそれぞれ1兆2,094億円、3,295億円、超過介護費用・火災関連費用・清掃関連費用は、それぞれ1,714億円、975億円、16億円となった。屋外で受動喫煙を防止するために必要な措置として、建物や人の動線から十分に距離(可能であれば25m)を離して設置すること、混み合う場所では高さ3mほどの壁で四方を囲んだ喫煙所の設置を推進することが必要であると考えられた。「子どもを受動喫煙から守る条例」の制定には、@法的規範と法的根拠の定立とソフトロー・アプローチの効果、A私人間の権利義務・利害の調整と規範の醸成、B地方公共団体としての執行義務の法的位置づけと部局横断的取り組みへの期待、C基礎自治体(市区町村)への波及効果、という意義があると考えられた。他者危害性の理解につながる曝露指標として尿中7-mGの検討を進めた。 たばこ産業による企業イメージ広告、未成年者喫煙防止広告、分煙推進広告に対して、20歳未満の若年層が他の年齢層に比べて肯定的にとらえていることが示唆された。 健康警告表示のインパクトを調べるため、現行の内容を含む5種類のモデルパッケージを作成し、インターネットにて調査した。その結果、望ましいデザインとして、画像と文字を組み合わせて警告表示の面積が最大(全体75%、画像と文字の比率は約2:1)のデザインを1位に選んだ割合が53%と多かった。 肺機能検査や質問票によるCOPDスクリーニングがCOPDの認知度や禁煙率に及ぼす効果を調べるため、人間ドック受診者のうち研究同意を得た367名を3群に無作為に割り付けるRCT研究を実施し、6ヵ月間にわたる介入を終了した。 加熱式たばこ使用者26名へのインタビュー調査により得られた知見や仮説を量的に確認するための定量調査用のアンケート(2018年4月実施予定)を作成した。 研究成果を踏まえた政策提言として、国民健康・栄養調査、第3期特定健診・特定保健指導、厚労科研による中高校生の全国調査において、加熱式たばこや電子たばこの使用実態が把握できる質問項目を検討し厚生労働省と研究班に提案した。第3期特定健診・特定保健指導の開始にむけた標準プログラムおよび禁煙支援マニュアル(第二版)の主な改訂点は、受動喫煙による健康影響の情報提供と加熱式たばこ使用者への情報提供の方法であった。
結論:
超高齢化社会の到来にむけて、生活習慣病や介護の原因に深く関係する喫煙ならびに受動喫煙の低減を図ることの社会的意義は大きい。今年度、研究成果として得られた喫煙に関連するコストの最新の推計結果をはじめ、屋外喫煙所の課題や満たすべき要件の検討、さらに東京都における条例制定の戦略や内容の分析は、国や自治体での受動喫煙防止の法的規制の強化において有用な資料となる。また、2016年6月に発表された財務省の注意文言の改定案を含めた警告表示のインパクトの評価結果は、その改定にむけた政策提言の有用なエビデンスとなる。
公開日 2018年07月26日
研究報告書

ファイルリスト


表紙

表紙  [0.004MB]

目次

目次  [0.008MB]

総括研究報告書
分担研究報告書
研究成果の刊行に関する一覧表
その他
 

公開日・更新日

公開日 2018年07月26日
更新日 -
収支報告書

文献情報

文献番号 201709004Z

報告年月日

報告年月日 2018年11月02日
 

収入

(1)補助金交付額 12,980,000円
(2)補助金確定額 12,980,000円
差引額 [(1)-(2)] 0円
 

支出

研究費(内訳) 直接研究費 物品費 2,013,154円
人件費・謝金 3,666,446円
旅費 2,145,488円
その他 3,975,530円
間接経費 1,180,000円
合計 12,980,618円
 

備考

備考 自己資金:618円
 

公開日・更新日

公開日 2018年11月05日

▲このページのTOPへ