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文献情報

文献番号 201514001B
報告書区分 総合
研究課題 介護予防を推進する地域づくりを戦略的に進めるための研究
課題番号 H25-長寿-一般-003
研究年度 平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関) 近藤 克則(千葉大学 予防医学センター) 
研究分担者(所属機関) 尾島俊之(浜松医科大学医学部)、羽田 明(千葉大学大学院医学研究院)、小坂 健(東北大学大学院歯学研究科)、竹田徳則(星城大学リハビリテーション学部)、泉田信行(国立社会保障・人口問題研究所 社会保障応用分析研究部)、野口晴子(早稲田大学政治経済学術院公共経営研究科・経済研究科)、相田 潤(東北大学大学院歯学研究科)、白井こころ(琉球大学法文学部)、近藤尚己(東京大学大学院医学系研究科)、等々力英美(琉球大学大学院医学研究科)、斉藤雅茂(日本福祉大学社会福祉学部)、山本龍生(神奈川歯科大学社会歯科学系)、鈴木孝太(山梨大学大学院総合研究部)、坪谷 透(東北大学大学院歯学研究科)、山谷麻由美(吉原麻由美) (長崎県立大学看護栄養学部)、菖蒲川由郷(新潟大学大学院医歯学総合研究科)、三澤仁平(立教大学社会学部)、山田 実(筑波大学大学院人間総合科学研究科)、中川雅貴(国立社会保障・人口問題研究所 国際関係部)、鄭 丞媛(ジョン スンウォン)(国立長寿医療研究センター老年社会科学研究部)、鈴木佳代(愛知学院大学総合政策部)、伊藤美智予(認知症介護研究研修大府センター)、岡田栄作(浜松医科大学医学部)、谷友香子(東京大学大学院医学系研究科)、佐々木由理(千葉大学予防医学センター)、花里真道(千葉大学予防医学センター)、鈴木規道(千葉大学予防医学センター)、辻 大士(千葉大学予防医学センター)、亀田義人(千葉大学予防医学センター)、藤野善久(産業医科大学医学部)、引地博之(ハーバード大学公衆衛生大学院) 
研究区分 厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
開始年度 平成25(2013)年度
終了予定年度 平成27(2015)年度
研究費  
研究者交替、所属機関変更  

研究報告書(概要版)

概要版 研究目的:
本研究では,1.地域別に健康状態や社会資源等をアセスメントし,保険者毎の健康状態や社会資源等を「見える化」し,2.多市町村と比較したデータに基づき「課題設定」をして,3.実証分析によって「手がかりの発見」をして戦略的な地域づくりによる介護予防事業を立案し,4.その事業を「実践」し,5.その「効果検証」をするための方法やツール,システムなどを開発すること,を目的とした.
研究方法:
【大規模データ収集】平成25(2013)年10-12月に全国の30市町村で,要介護認定を受けていない高齢者約19万人に郵送調査を行った.また日常生活圏域ニーズ調査を用いた分析支援のためのデータ提供を全国の介護保険者に呼びかけた. 【ツールやシステム開発】第6期介護保険事業計画策定のための地域診断指標を作成し,市町村間・内比較ベンチマークに基づく地域診断支援ツールを開発した.地域診断支援ツールとしての地域診断書やWebシステムの機能を拡充し,保険者にフィードバックするとともに共同研究を行った. 【実証分析】既存および新たに収集したデータを活用して,個人レベル及び地域レベルの横断・縦断分析を進め、地域づくりによる介護予防の手がかりとなるエビデンスづくりを進めた. 【事例収集】神戸市,名古屋市,東海市、松浦市,武豊町など約10市町でワークショップや研修会,フィールド調査,地域介入研究などの共同研究を進めた.
結果と考察:
【多保険者からの大規模データ収集】約13万人から回答が得られた(回収率70%).日常生活圏域ニーズ調査データは102保険者117市町村から35万3655人分の提供を受けられた.これらを通じ大規模調査データ収集は可能だが,一小地域あたりのサンプル数が小さいほど偶然誤差が大きく地域診断に耐えられないなどが明らかになった. 【ツールやシステム開発】保険者・地域間比較結果を一覧できる地域診断書などを開発しWebアトラスシステムに載せ介護予防政策サポートサイト(http://www.yobou_bm.umin.jp)で公開した.地域相関分析を行った結果,個人レベルでは妥当でも,地域診断指標としての妥当性は高くない指標があることが明らかとなった. 【実証分析】地域診断による課題の把握と社会資源との関連では,食事の用意や買い物といった活動能力(IADL),うつ,閉じこもり,転倒,口腔機能などについて分析した,例えばIADL非自立者割合を,53市区町村で比べると,7.9%〜23.2%と約3倍の差が見られ「会・グループへの参加をしている」者が多い市区町村ほどIADL低下者が少なかった.うつ割合も,29市町村間に21.5%〜36.2%と1.7倍の差があり,地域の人とのサポートの授受が豊かだと少ない傾向があった. 介護リスク等に関わる基礎分析では,4年間の追跡研究で,高齢者では肥満より痩せで死亡率が高いことなどを報告した.その他,1)スポーツの会など社会参加による健康保護効果,2)15 歳時の状況が高齢期の認知機能などと,また最長職が口腔保健と関連を示すなどライフコースの重要性.3)相対的剥奪など社会的要因,4)健康の社会的決定要因から健康格差や要介護状態に至る経路として,介護経験やうつ,趣味活動,孤食,笑い,健康情報など多くの要因が関与していること,5)ソーシャル・キャピタルと健康との関連は,一般的な信頼と特定地域の人びとへの信頼で異なったり,居住年数に よっては負の影響もあり得たりすることなど,複雑な関連があることを明らかにした. 地域づくりによる介護予防効果の検証では,1)2010年と2013年の両年とも参加した23市町村を対象に3年間の変化を検討し,歩行者割合が増加した市町村ほど転倒者割合が減少していた.市町村を集計単位として経年変化で地域づくりによる介護予防効果の評価可能性が示された.2)「憩いのサロン」参加群と非参加群を2012年まで5年追跡した結果,参加群では7.7%と非参加群の14.0%に比べ,要介護認定を受ける確率が半減し,観察不能な交絡要因も調整する操作変数法で分析しても有意差を認めた. 【事例収集】約10市町でワークショップや研修会,フィールド調査などの共同研究を進めた結果,地域診断を起点にマネジメントサイクルが回り始めた事例を収集できた.
結論:
3年間で,前頁に示すようなツールやシステムを開発できた.13万人のJAGES調査と約200市区町村の約33万人の日常生活圏域ニーズ調査データの入手可能性も検証できた.それらを用いるとIADLやうつなどが,他の地域よりも2〜3倍多い地域や地域間格差を明らかにでき,それらが趣味の会などへの社会参加割合や社会的サポートの豊かさ指標と相関を示すという手がかりを得ることができた.これらにより本研究の目的は相当程度達成できたと考える.
公開日 2017年10月03日
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公開日・更新日

公開日 2016年12月20日
更新日 -

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