概要版

文献情報

文献番号 201506007A
報告書区分 総括
研究課題 出生前診断における遺伝カウンセリングの実施体制及び支援体制のあり方に関する研究
課題番号 H26-健やか-一般-003
研究年度 平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関) 小西 郁生(京都大学 医学研究科器官外科学婦人科学産科学講座) 
研究分担者(所属機関) 山田 重人(京都大学大学院医学研究科 人間健康科学系専攻)、三宅 秀彦(京都大学医学部付属病院 遺伝子診療部 )、久具 宏司(東京都立墨東病院)、平原 史樹(横浜市立大学大学院医学研究科生殖生育病態医学)、増崎 英明(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科)、左合 治彦(国立研究開発法人国立成育医療研究センター)、高田 史男(北里大学大学院医療系研究科臨床遺伝医学講座)、鈴森 伸宏(名古屋市立大学大学院医学研究科産科婦人科)、吉橋 博史(東京都立小児総合医療センター臨床遺伝科 )、佐々木 愛子(国立成育医療研究センタ)、福嶋 義光(信州大学医学部遺伝医学・予防医学講座)、関沢 明彦(昭和大学医学部産婦人科学講座)、中込 さと子(山梨大学大学院総合研究部)、澤井 英明(兵庫医科大学)、山内 泰子(川崎医療福祉大学・医療福祉学部)、山田 崇弘(北海道大学大学院医学研究科 総合女性医療システム学講座)、鮫島 希代子(群馬県立小児医療センター遺伝科)、早田 桂(岡山大学病院産科婦人科学教室)、斎藤 加代子(東京女子医科大学附属遺伝子医療センター)、松原 洋一(国立成育医療研究センター)、福島 明宗(岩手医科大学医学部臨床遺伝学科)、金井 誠(信州大学医学部保健学科)、小笹 由香(東京医科歯科大学医学部附属病院)、池田 真理子(谷口 真理子)(神戸大学医学部 小児科 こども急性疾患学)、浦野 真理(東京女子医科大学附属遺伝子医療センター) 
研究区分 厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 成育疾患克服等次世代育成基盤研究
開始年度 平成26(2014)年度
終了予定年度 平成28(2016)年度
研究費 6,385,000円
研究者交替、所属機関変更  

研究報告書(概要版)

概要版 研究目的:
母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査(NIPT)が平成25年度より臨床研究として開始されたことにより、出生前診断に関する遺伝カウンセリングの重要性に焦点が当たっている。NIPTに関しては、施設認証および登録体制が整えられ、遺伝カウンセリングが標準的に提供されている。一方、羊水染色体検査や母体血清マーカー試験などの従来から行われている出生前診断の実施状況や、それに伴う遺伝カウンセリングの提供体制については、平成25年に久具班が行った研究により概要はつかめたものの、全体像の把握までには至っていない。従来型の出生前診断は一般産科医療施設でも実施され、超音波診断まで加えるとほぼ全ての産科医療従事者が関わっている。このため、一般産科診療から専門レベルまでの包括的な出生前診断の基盤整備が必須である。併せて、相談者および当事者に対する支援体制の実情を確認し、そのあり方を考える必要がある。  そこで、本研究班では、1) 出生前診断の実態を把握するためのシステム構築、2) 一般産科診療から専門レベルに至る出生前診断に関する診療レベルの向上、3) 相談者および当事者支援体制に関わる制度設計、を目的とした研究を行うこととした。
研究方法:
研究班全体を上記3テーマに沿い、それぞれ第1・第2・第3分科会として研究を行った。分科会ごとに会議を行い分科会ごとの研究を進めるほか、研究班全体としての会議を年2回行いそれぞれの進捗を報告し意見交換することで、方向性の統一を図った。全ての全体会議および分科会に統括補佐が出席することにより、チームとして機能するように計画した。
結果と考察:
 【第1分科会】本邦における出生前診断の全体像を把握するための体制構築が必要と考えられるため,登録システムの開発を目指した.具体的な登録システムソフトウェアを作成し,班内で試験運用を行い,改良を加えた.本登録システムソフトウェアは極めて多機能であり,現在,すでに入力システムとして機能しているものの代替になる可能性がある.この社会実装のためには,本登録システムソフトウェアについて早い時期に学会発表や論文等を通して世界に発信していく必要があろう.  【第2分科会】全国の産科診療における遺伝診療の標準化のため,出生前診断に関する遺伝カウンセリングに必要な点を診療レベル毎に明確化し,手引きおよび診療補助ツールを作成することを本分科会の目的として研究を開始した.産科一次施設における出生前検査での説明内容が不足している可能性が示唆されたため,産科一次施設で利用可能な情報提供ツール(リーフレット)の原案を平成26年度に作成した.これを用い,本年度はこれを完成させ,これを実際に班員の所属する全国の施設で実際に運用し,その使用感などの調査を行った.その結果,作成されたリーフレットは妊婦・家族からはほぼ中立的な情報を提供しているとの評価が得られた一方で,医療従事者はこのリーフレットの内容についてはより慎重な姿勢を持っていることが明らかとなった.本リーフレットは一次医療レベルにおける標準的な情報提供に利用できるが,高次遺伝カウンセリング施設との連携を促す内容を含んでいるため,一次から高次医療レベルまでを包括した出生前診断の底上げを実現するものとしても期待される.  【第3分科会】本研究班では,出生前診断の当事者となりうる人の生活環境に関する情報収集に重点をおき,日本ダウン症協会の全面的な協力のもと,全国的なアンケート調査を行った.このアンケートはDown症候群がある人の家族からの調査と, Down症候群を持つ本人の自己認識に関する調査の二つを行った。本調査の結果, Down症候群がある人では,多くの人が高校を卒業して働いているが,就労においては収入の問題が存在した.一方,Down症候群がある人は,幸福感を持ち,周囲との人間関係にも満足している状況が認められた.DSのある人の多数が自己肯定感を有していることが明らかになったのは,社会において重要な情報になったと考える.
結論:
第1分科会では出生前診断の登録システムの具体案であるソフトウェアを試験的に運用し、次年度に全国的に運用可能なレベルまで改良を加えることができた。第2分科会では実際の診療に利用可能なリーフレットを作成し、その試験的な運用とアンケート調査により、医療従事者と妊婦および家族の間の認識の違いを明らかにすることができた。第3分科会では本邦初となる障害者本人への調査を含むアンケートを行い、Down症候群を持つ人の就労上の問題点や、自身の幸福感と満足に関する実情を初めて明らかにすることができた。次年度は各分科会ともに今年度の結果を発展させ、出生前診断に関わる遺伝医療のみならず、我が国の医療統計や社会福祉にも寄与するデータが得られると期待される。
公開日 2016年08月09日
研究報告書

ファイルリスト

公開日・更新日

公開日 2016年11月22日
更新日 -

ファイルリスト


表紙
目次

目次  [0.011MB]

総括研究報告書

総括研究報告書  [0.640MB]

分担研究報告書

分担研究報告書  [0.220MB]

その他

報告書添付資料1  [2.582MB]

報告書添付資料2  [4.828MB]

研究成果の刊行に関する一覧表
 

公開日・更新日

公開日 2016年07月21日
更新日 -
収支報告書

文献情報

文献番号 201506007Z

報告年月日

報告年月日 2015年07月05日
 

収入

(1)補助金交付額 8,300,000円
(2)補助金確定額 8,300,000円
差引額 [(1)-(2)] 0円
 

支出

研究費(内訳) 直接研究費 物品費 5,695円
人件費・謝金 2,447,702円
旅費 923,324円
その他 3,008,279円
間接経費 1,915,000円
合計 8,300,000円
 

備考

備考  
 

公開日・更新日

公開日 2018年06月01日

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