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文献情報

文献番号 201439022A
報告書区分 総括
研究課題 電子たばこにおける成分分析の手法の開発に関する研究
課題番号  
研究年度 平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関) 欅田 尚樹(国立保健医療科学院 生活環境研究部) 
研究分担者(所属機関) 稲葉 洋平(国立保健医療科学院 生活環境研究部 )、伊藤 加奈江(戸次 加奈江)(国立保健医療科学院 生活環境研究部 )、緒方 裕光(国立保健医療科学院 研究情報支援研究センター)、内山 茂久(千葉大学 大学院工学研究科)、木村 和子(金沢大学 医薬保健研究域薬学系)、田淵 貴大(大阪府立病院機構 大阪府立成人病センター がん予防情報センター) 
研究区分 厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【委託費】 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策実用化研究
開始年度 平成26(2014)年度
終了予定年度 平成26(2014)年度
研究費 48,000,000円
研究者交替、所属機関変更  

研究報告書(概要版)

概要版 研究目的:
近年の受動喫煙対策の進展、成人喫煙率の低下の中にあって、新たなたばこおよびたばこ関連商品の開発・販売が拡大してきている。その一つとして電子たばこの普及が国内外で急速に進み社会問題化してきている。本研究では、健康影響評価のもとになる、電子たばこの成分分析を進めるとともに、その使用実態を評価し、さらには国内外の規制の状況について整理した。 なお、現状として国内では、ニコチンを含有する電子たばこについては、ニコチンを含むカートリッジが医薬品医療機器等法(旧薬事法)上の医薬品に、ニコチンを霧化させる装置が医薬品医療機器等法上の医療機器に該当するとして、医薬品医療機器等法で規制されている。しかし個人輸入サイトでは海外のニコチン含有製品が取り扱われている。
研究方法:
1)電子たばこにおける成分分析 我々は、WHOたばこ研究室ネットワーク(TobLabNet)に参加しており、それらの成果をベースに本研究では、電子たばこ蒸気・ミストの捕集法を確立するとともに、市販電子たばこを購入し、カルボニル類を中心とした有害化学物質の分析を実施した。 2)日本における電子たばこの認知および使用実態に関する研究 日本における電子たばこの認知および使用の実態を明らかにすることを研究の目的とし、2015年1月〜2月に日本の一般住民を対象として電子たばこに関するインターネット調査を実施した。本研究は倫理審査委員会における承認を得て実施した。 3)世界の電子たばこの規制に関する調査 欧米を中心とする先進諸国の電子たばこの規制状況を調査し、今後の対策の参考に資するために、質問紙調査(11か国2州の保健衛生担当政府機関へ送付)、訪問面接調査(ドイツ医薬品医療機器研究所、ベルギー医薬品健康製品庁、EU、WHO)並びに文献検索・情報収集を行った。
結果と考察:
1)電子たばこにおける成分分析 電子たばこ蒸気・ミスト中にIARC発がん性分類Group1に分類されるホルムアルデヒド、Group2Bのアセトアルデヒド、さらに刺激性を有するアクロレインなどの発生するものがあることが確認された。測定した10銘柄の電子たばこから発生したカルボニル化合物量は,銘柄間および同銘柄内でもロット間のバラツキが大きいため、平均値で比較すると,通常のたばこより低かった。しかし,通常のたばこと異なり発生量のバラツキが非常に大きく,特に,ホルムアルデヒド発生量が通常の紙巻きたばこの10倍に達する場合もあった。 また国内で流通する電子たばこ充填液103製品についてニコチン分析を行った結果,定量下限値以上(100 ng/mL)の充填液が48製品あり、さらに、2010年に国民生活センターが発表した際のニコチン下限値1000 ng/mL以上の充填液は8製品であった。なお、通常の紙巻きたばこのたばこ葉中ニコチン濃度は15mg/g前後である。 充填液中の重金属は、ほとんどの元素は定量下限値以下であったものの,Niのみが2銘柄(1.38及び14.84 μg/ml)について他の元素と比較して高濃度に検出された。 2)日本における電子たばこの認知および使用実態に関する研究 15-69歳の男女において約半数(48%)は電子たばこを知っており、6.6%少なくとも4.8%は電子たばこを使用したことがあり(使用経験あり)、約1.3%は電子たばこを直近30日以内に使っていて(現在使用あり)、同じく約1.3%には電子たばこの50回以上の使用経験があった。特に若年層において現在使用が多く認められた。さらに電子たばこの使用は、現喫煙者に高く、電子たばこ使用者の約4分の3が紙巻たばことの二重使用者であった。 3)世界の電子たばこの規制に関する調査 ENDSの規制方法は以下の5つに分けて考えられる。すなわち、1) 消費者製品, 2) たばこ製品または関連品, 3) 医薬品・医療機器, 4) 新たな規制, 5) 禁止、である。 海外の電子たばこの規制実態については、ENDSはたばこ製品の規制をもとに、電子たばこの特性を踏まえた規制がEU諸国及び北米で実施または構築されようとしていた。ENNDSはカナダ以外では積極的な規制の動きはない。欧米の裁判所の判決から医薬品・医療機器として規制するにはニコチンを含有するだけでなく、治療効果を示す科学的データが必要とされた。
結論:
本研究では、電子たばこの規制を考慮するにあたって有用な情報が網羅されているWHO, 学会, 米国カリフォルニア州などの報告書、政策綱領文書を全訳し資料として提示した。 本研究を踏まえ、今後も日本における電子たばこの製品および使用実態を継続的にモニタリングし、日本の電子たばこに関する政策を適切に実施するために電子たばこに関する害とメリットの両方についてエビデンスを形成していく必要がある。
公開日 2015年09月17日
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公開日・更新日

公開日 2016年09月15日
更新日 -

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