極細ファイバー関節鏡とその付属機器の開発に関する研究

文献情報

文献番号
200400182A
報告書区分
総括
研究課題名
極細ファイバー関節鏡とその付属機器の開発に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
伊藤 陽一(大阪市立大学大学院医学研究科整形外科学)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 萌芽的先端医療技術推進研究【ナノメディシン分野】
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
関節鏡視下手術は、整形外科領域で比較的頻度の多い手術方法である。一般的に、約4mm径の硬性関節鏡が必要であり、一方向刺入のみであるため、関節内での鏡の動きと視野に関して、多くの制限を有する。本研究においては、関節鏡の径を極限まで細くすることと、関節内での柔軟な動きを得るために、極細ファイバー関節鏡の開発の可能性を検討した。
研究方法
硬性関節鏡で最も普及しているサイズは4mmの30°斜視鏡である。鏡は基本的には外筒により保護されている。その外筒の中に、開発機器であるオリジナルファイバー関節鏡を挿入して、動物実験(羊使用)において、実際に関節鏡視を行い、実際の鏡視可能性及び内視鏡の操作性等を判断した。関節鏡手術中に、鏡視画像をパーソナルコンピューターに取り込み記録し、鏡視写真もあわせて記録した。これらは、ファイバー関節鏡と、従来の硬性関節鏡の両方で行い、両者の比較検討を行った。画像検討事項としては、静止画像の鮮明度、動画画像の鮮明度と画像の振れの有無を中心に行った。
結果と考察
昨年度までの研究結果を基に、オリジナルファイバー関節鏡の開発における改善項目として、回旋制御目的のロック機構を完成する事。ついで、マーカー刻印によって、内視鏡長調節を可能にする事。耐圧性、耐久性の向上目的には、硬性部分を含む事を基本に開発を進めた。オリジナルファイバー関節鏡EA-Y1170の開発を、スミス&ネフュー社とペンタックス社の協力の下に行った。EA-Y1170には、外筒との間のロック機構と、内視鏡長調節のためのマーカー刻印を追加した。その結果、本開発機器では、関節鏡操作時に外筒からの還流液の漏出を防ぎ、かつ、関節内に挿入されてアングル角度を自由に変更できる部分の長さ調節が、十分に可能であることが確認できた。オリジナルファイバー関節鏡における実際の関節鏡画像では、良好な解像度が得られ、関節内の十分な評価が可能であった。また、マーカー刻印により内視鏡長調節は円滑に行えた。さらに、アングル角度を関節内にて様々に変化させる事が可能であり、実際、硬性鏡では死角となる、関節包断裂部深部までの鏡視が可能であった。
結論
本研究の結果、オリジナルファイバー関節鏡の完成が得られた。本医療機器は、従来の硬性鏡とは異なり、関節内で、その先端部分を自由に動かす事が可能であり、鏡視の範囲が格段に広い。視野角度が120度であり、アングル角度が90度であることから、最大300度までの範囲を鏡視することが可能である。

公開日・更新日

公開日
2005-06-06
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-02-03
更新日
-

文献情報

文献番号
200400182B
報告書区分
総合
研究課題名
極細ファイバー関節鏡とその付属機器の開発に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
伊藤 陽一(大阪市立大学大学院医学研究科整形外科学)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 萌芽的先端医療技術推進研究【ナノメディシン分野】
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
関節鏡視下手術は、整形外科領域で比較的頻度の多い手術方法である。一般的に、約4mm径の硬性関節鏡が必要であり、一方向刺入のみであるため、関節内での鏡の動きと視野に関して、多くの制限を有する。本研究においては、関節鏡の径を極限まで細くすることと、関節内での柔軟な動きを得るために、極細ファイバー関節鏡の開発の可能性を検討した。
研究方法
関節鏡は外筒により保護されている。その外筒の中に、既存及び開発オリジナルファイバー関節鏡を挿入して、動物実験(羊使用)において、実際に関節鏡視を行い、実際の鏡視可能性及び内視鏡の操作性等を判断した。関節鏡手術中に、鏡視画像をパーソナルコンピューターに取り込み記録し、鏡視写真もあわせて記録した。これらは、ファイバー関節鏡と、従来の硬性関節鏡の両方で行い、両者の比較検討を行った。画像検討事項としては、静止画像の鮮明度、動画画像の鮮明度と画像の振れの有無を中心に行った。
結果と考察
既存の内視鏡FNL-7RP3、VNL-1130、VNL-1130Rを検討した。FNL-7RP3は画像鮮明度に乏しく、VNL-1130はアングル長と有効長に問題を有し、VNL-1130Rは内視鏡自体が硬性鏡の外筒内を容易に回転する問題点を有した。よって、オリジナルファイバー関節鏡の開発における改善項目として、回旋制御目的のロック機構を完成する事。ついで、マーカー刻印によって、内視鏡長調節を可能にする事。耐圧性、耐久性の向上目的には、硬性部分を含む事を基本に開発を進めた。オリジナルファイバー関節鏡EA-Y1170の開発を、スミス&ネフュー社とペンタックス社の協力の下に行った。EA-Y1170には、外筒との間のロック機構と、内視鏡長調節のためのマーカー刻印を追加した。その結果、本開発機器では、関節鏡操作時に外筒からの還流液の漏出を防ぎ、関節内に挿入されてアングル角度を自由に変更できる部分の長さ調節が可能であった。実際の関節鏡画像では、良好な解像度が得られ、関節内の十分な評価が可能であった。また、マーカー刻印により内視鏡長調節は円滑に行えた。さらに、アングル角度を関節内にて様々に変化させる事が可能であり、実際、硬性鏡では死角となる、関節包断裂部深部までの鏡視が可能であった。
結論
本研究の結果、オリジナルファイバー関節鏡の完成が得られた。本医療機器は、従来の硬性鏡とは異なり、関節内で、その先端部分を自由に動かす事が可能であり、鏡視の範囲が格段に広い。視野角度が120度であり、アングル角度が90度であることから、最大300度までの範囲を鏡視することが可能である。

公開日・更新日

公開日
2005-06-09
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-02-03
更新日
-