tRNA修飾異常に起因した2型糖尿病のコンパニオン診断薬開発を目指した臨床研究

文献情報

文献番号
201433001A
報告書区分
総括
研究課題名
tRNA修飾異常に起因した2型糖尿病のコンパニオン診断薬開発を目指した臨床研究
課題番号
-
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
富澤 一仁(熊本大学大学院生命科学研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 荒木 栄一(熊本大学大学院生命科学研究部)
  • 魏 范研(熊本大学大学院生命科学研究部)
  • 下田 誠也(熊本大学大学院生命科学研究部)
  • 井上 謙吾(静岡県産業振興財団ファルマバレーセンター)
  • 角間 辰之(久留米大学バイオ統計センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 【委託費】 創薬基盤推進研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
46,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
アジア型2型糖尿病に特有の危険因子Cdkal1に着目した新規糖尿病治療薬、ならびに同コンパニオン診断薬を創出し、糖尿病領域で世界初となる個別化医療を実現することを目的とする。
研究方法
① Good Laboratory Practice (GLP)に準拠したコンパニオン診断技術の確立
 ヒト末梢血から分離した血球成分からトータルRNAを精製し、ヒトtRNALys(UUU)を直接逆転写し、その逆転写産物を定量PCRすることによりtRNALys(UUU)チオメチル化修飾を定量する技術の標準化を行った。
② tRNALys(UUU)チオメチル化修飾を標的としたコンパニオン診断技術に関する臨床研究についてPMDAとの事前相談
 2型糖尿病に対するtRNALys(UUU)チオメチル化修飾を標的としたコンパニオン診断技術の臨床研究計画についてPMDAと事前相談を行い、コンパニオン診断薬開発のための臨床研究プロトコール作成に資した。
③ エペリゾンの2型糖尿病治療薬としての有効性に関する臨床研究についてプロトコール作成
 2型糖尿病患者をCdkal1遺伝子に関してリスクアレル群とノンリスクアレル群に分け、両群にエペリゾンを12週間投与し、tRNALys(UUU)チオメチル化修飾率とHbA1cの変化量の相関性を主要評価項目とした臨床研究に関するプロトコールを作成した。
結果と考察
① tRNALys(UUU)チオメチル化修飾を標的としたコンパニオン診断技術の開発:ヒト末梢血から分離した血球成分からtRNALys(UUU)チオメチル化修飾を定量する技術の標準化を行い、末梢血サンプルの保存方法、逆転写酵素の最適化、定量PCR機器の設定が終了した。また、PMDAとの事前相談を行った。
② 2型糖尿病に対する新規治療薬の開発:エペリゾンの2型糖尿病治療薬としての有効性に関する臨床研究についてプロトコールの作成が終了した。作成したプロトコールについて、PMDAと事前相談を行った。そして、そのプロトコールを基とした臨床研究について、学内臨床研究倫理委員会ならびにヒトゲノム・遺伝子解析研究倫理委員会に申請し、承認を得た。臨床研究チームを発足し、臨床研究の手順書の作成が完了した。
結論
アジア型2型糖尿病に特有の危険因子Cdkal1に着目した新規糖尿病治療薬ならびに同コンパニオン診断薬臨床研究の前準備が、ほぼ終了した。

公開日・更新日

公開日
2015-06-16
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201433001C

成果

専門的・学術的観点からの成果
世界で最初のtRNA修飾を標的とした創薬に繋がることが期待できる。
臨床的観点からの成果
アジア型2型糖尿病に特有の危険因子Cdkal1に着目した新規糖尿病治療薬、ならびに同コンパニオン診断薬を創出し、糖尿病領域で世界初となる個別化医療を実現するための臨床研究の前準備が終了した。
ガイドライン等の開発
特記事項無し
その他行政的観点からの成果
特記事項無し
その他のインパクト
特記事項無し

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
1件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

特許の名称
2型糖尿病治療薬
詳細情報
分類:
特許番号: 2015-508096
発明者名: 富澤一仁、魏范研、井上謙吾、大川原正
権利者名: 熊本大学、熊本保健科学大学
出願年月日: 20150915
国内外の別: 国内

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Zhou, B., Wei, F.Y., Kanai, N. et al
Identification of a splicing variant that regulates type 2 diabetes risk factor CDKAL1 level by a coding-independent mechanism in human.
Hum. Mol. Genet. , 23 , 4639-4650  (2014)
原著論文2
Locke, J.M., Wei, F.-Y., Tomizawa, K. et al.
he non-causal association between type 2 diabetes risk SNP, rs7756992, and levels of non-coding RNA, CDKAL1-v1.
Diabetologia , 58 , 745-748  (2015)
原著論文3
Sakakida, K., Wei, F.-Y., Senokuchi, T., et al.
Study design of a phase II clinical trial to assess the efficacy and safety of eperisone in Japanese type 2 diabetes patients with risk and non-risk alleles of CDKAL1.
Acta Medica Okayama , 72  (2018)

公開日・更新日

公開日
2015-06-16
更新日
2018-05-21

収支報告書

文献番号
201433001Z