都道府県へき地保健医療計画の検証ならびに次期策定支援に関する研究

文献情報

文献番号
201424009A
報告書区分
総括
研究課題名
都道府県へき地保健医療計画の検証ならびに次期策定支援に関する研究
課題番号
H26-医療-一般-003
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
梶井 英治(自治医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 前田 隆浩(長崎大学 医学部)
  • 谷 憲治(徳島大学 医学部)
  • 井口 清太郎(新潟大学 医学部)
  • 今道 英秋(自治医科大学 医学部)
  • 澤田 努(高知県高知市病院企業団立高知医療センター 地域医療科)
  • 森田 喜紀(自治医科大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 【補助金】 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
3,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
第11次へき地保健医療計画は平成27年で最終年度を迎える予定であったが、第11次へき地保健医療計画は平成29年度まで引き続き実施され、平成30年度からは医療計画として策定されること、ならびに、へき地保健医療体制整備指針を作成し、その整備指針に基づいた対策が行われることが厚生労働省により示された。この際、平成28年度以降は各都道府県で実施された計画の評価を基に、新たな取組等を追加して対策を実施することとなっている。そこで、研究当初は第12次へき地保健医療計画の策定指針の改定と、第12次へき地保健医療計画の策定支援を予定していたが、新たに示された国の方向性に沿って、これまでの第11次へき地保健医療計画の検証に資するデータや事例の収集・分析を行い、都道府県によるへき地保健医療計画の評価や、それに基づいた平成28年度以降のへき地保健医療対策を支援することを目的とした研究を行った。
研究方法
平成26年度は以下の1)~5)の研究を行った。
1)都道府県のへき地医療体制に関する調査:全都道府県のへき地保健医療行政担当者らに、平成26年4月30日時点でのへき地保健医療体制に関する調査を行った。平成26年7月28日に郵送、同年10月10日を締切とした。2)第6回全国へき地医療支援機構等連絡会議の支援:平成26年12月19日に厚生労働省により開催された同会議におけるへき地保健医療対策に関するグループワーキングの企画・進行を行った。第11次へき地保健医療計画の振り返り、今後の施策等に反映させるための仕組みというテーマにて、各地域毎の6グループを行い、最後に全体発表を行った。3)都道府県個別訪問による第11次へき地保健医療計画に関する技術的支援:平成27年1月から2月末にかけて、研究者による都道府県庁を対象とした個別訪問を行った。4)先進的取組を行っている組織・地域等の視察訪問:都道府県個別訪問時に地域枠のキャリアデザイン等の取組事例について聴取した。5)へき地保健医療対策検討会に必要とされる資料作成:以前の研究成果や全国へき地医療支援機構等連絡会議を取りまとめて検討会に必要な資料の作成と報告を行った。
結果と考察
1)都道府県のへき地医療体制に関する調査では、全ての都道府県から回答が得られた。集計結果からは、第11次へき地保健医療計画策定時と比べて、へき地医療支援機構の役割やへき地医療に従事する医師のキャリアデザイン支援等に進展が見られていた。また、へき地歯科医療やへき地看護、そしてへき地における薬剤師の役割について、取組状況等を把握することができた。2)第6回全国へき地医療支援機構等連絡会議では、43都道府県のへき地医療行政関係者やへき地医療支援機構の専任担当官等、計73名が参加した。グループワークの議論では、へき地保健医療計画での目標設定、都道府県をまたいだ連絡/連携の場、地域枠/自治医大卒業医師のキャリア支援、へき地での地域包括ケアシステム、へき地医療拠点病院/へき地診療所の支援といった視点からの今後の方向性に関する意見が出された。3)都道府県個別訪問では40都道府県を訪問し、へき地保健医療行政担当者やへき地医療支援機構の専任担当官らと情報交換や技術的助言を行ったことで、第11次へき地保健医療計画の実施における課題や今後のへき地保健医療対策に関して様々な知見が得られるとともに、都道府県の取組を支援する技術的助言も行うことができた。4)訪問の際に地域枠のキャリアデザインに関連した具体的な取組を行っている6都道府県を選定し、各々の取組事例の紹介や解説を示した。5)第1回と第3回のへき地保健医療対策検討会に参考人として参加、研究班の今までの研究成果、全国へき地医療支援機構等連絡会議の成果等を報告した。
結論
都道府県のへき地医療体制に関する調査や都道府県個別訪問等を基にして、第11次へき地保健医療計画が実施されてからのへき地保健医療体制の進展について検討することができた。また、全国へき地医療支援機構等連絡会議の支援や、地域枠のキャリアデザインに関する具体的事例の解説、そしてへき地保健医療対策検討会への資料作成・報告等を通じて、都道府県のへき地保健医療対策に向けて一定の役割を果たすことができた。今後、地域医療構想や医療計画等に、へき地医療が埋没しないために、関係者間の協議を積み重ね、へき地における将来的な医療提供体制や地域包括ケアシステムの在り方について、各地域毎のフレームワークを示すことが重要と考える。そして、そのフレームワークに基づき、へき地医療支援機構と地域医療支援センターとの有機的な連携の下、自治医大・地域枠卒業医師等の医療者がへき地/地域を循環しながら医療を支えるシステムを構築・運用したり、へき地等の診療所や病院の在り方を検討したりすることが求められていると思われる。

公開日・更新日

公開日
2015-05-21
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201424009Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
3,500,000円
(2)補助金確定額
3,500,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 35,623円
人件費・謝金 0円
旅費 2,921,120円
その他 543,257円
間接経費 0円
合計 3,500,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2015-05-21
更新日
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