ヒトES/iPS細胞の実用化における幹細胞バンクの基盤整備についての研究

文献情報

文献番号
201106017A
報告書区分
総括
研究課題名
ヒトES/iPS細胞の実用化における幹細胞バンクの基盤整備についての研究
課題番号
H23-再生・指定-006
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
古江 美保(独立行政法人医薬基盤研究所 難病・疾患資源研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 水口 賢司(独立行政法人医薬基盤研究所 創薬基盤研究部)
  • 川嵜 敏祐(立命館大学 糖鎖工学研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 再生医療実用化研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
23,100,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ヒトES/iPS細胞などのヒト幹細胞は再生医療のソース、ワクチン作製や生物製剤原料として国内外で、その応用への期待が高まっている。実用化ためには、セルバンクを設置し、樹立機関や分化誘導機関と連携することが理想的である。バンク運営には技術とノウハウの蓄積が必要であり、ヒトES/iPS細胞のバンク設置と運営を円滑に行うためにはには、作業工程などのフローを事前に構築する必要がある。本研究では臨床に資するヒト幹細胞に必要な品質評価とその維持など品質管理に必要な技術の策定を行って、ヒト幹細胞バンク運営の基盤システムを設計することを目的とする。
研究方法
① 資源化工程表作成
海外幹細胞バンクのヒトES細胞資源化工程表の資料を集めて調査し、実際に資源化を行い、株間の差を考えた工程表の作成を行った。
② 効率的な遺伝子発現の評価法の検討 
国際ヒト幹細胞バンキングイニシャティブ(ISCBI)は品質評価法についてバンク間での連携が必要性を提唱している。国際幹細胞イニシャティブ(ISCI)で使用されたPCR Array システムを用いて、遺伝子発現プロフィールの解析を行った。結果は、分担研究者である水口によりバイオインフォマティクスの手法を用いた解析を行った。 
③ 効率的な細胞表面マーカーの評価法
イメージングサイトメトリーとFACSを比較した。また、分担研究者である川嵜 敏祐ともに開発したECとES/iPS細胞を判別できる抗体による評価方法を検討した。
④ バンク登録システムの基盤設計
細胞登録とデータ登録のための基盤設計を行うために、海外での実態について調査した。
結果と考察
海外幹細胞バンクによる資料を参考にして、資源化工程表を作成し、実際にiPS細胞の資源化を行った。それにあたって幹細胞樹立機関と連携し、培養記録表を作成した。ISCIで使用された幹細胞遺伝子PCRアレイアレイにより遺伝子プロフィールの解析を行った。バイオインフォマティクス分析を行うことにより、新しい知見が得られ、分析方法を変えることは有用であることが明らかとなった。イメージサイトメトリーは、FACSと同等の結果が得られ、コスト面においてバンクにおける評価法として有用であると考えられた。
結論
海外の幹細胞バンクなどの作業工程表を参考にしながら実際に資源化を行うことにより、検討するべき課題が明らかとなった。実用化においては、コストとのバランスも考える必要があり、効率的な作業工程表の策定が重要である。

公開日・更新日

公開日
2012-06-29
更新日
-

収支報告書

文献番号
201106017Z