医療機器の危害防止措置の適切な実施に係るガイダンスに関する研究

文献情報

文献番号
202125006A
報告書区分
総括
研究課題名
医療機器の危害防止措置の適切な実施に係るガイダンスに関する研究
課題番号
19KC2006
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
渡邊 伸一(帝京平成大学 薬学部)
研究分担者(所属機関)
  • 青木 郁香(中村 郁香)(公益財団法人医療機器センター 医療機器産業研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究費
1,260,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 医薬品医療機器等法に基づき、医療機器の製造販売業者は、医療機器を回収するときは、回収に着手した旨及び回収の状況を都道府県知事に報告しなければならないこととされているところ、医療機器の不具合等による自主回収措置は、全国で年間400件程度が実施されている。
 本研究においては、医療機器に何らかの不良又は不具合が生じた場合に、当該医療機器による保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するため、医療機器の製造販売業者や国・都道府県が緊急時において速やかに適切な対応が取れるよう、医療機器製造販売業者の不具合情報等の処理の現状を把握するとともに、これまでの医療機器の回収に係る知見を整理し、医療機器の危害防止措置の実施ガイダンス(留意事項)案を作成する。
 本研究は3年計画で実施することとしており、1年目(令和元年度)及び2年目(令和2年度)は、次のことを実施した。
 1年目(令和元年度)は、過去の医療機器回収事例を対象に、予備調査として分析を行った。さらに、回収事例の対象となる事例が発生した場合に、都道府県の対応について、予備的な確認を行った。2年目(令和2年度)は、予備調査の分析結果も踏まえ、対象範囲を拡大し、回収事例情報を基にした回収対象品目、事象・原因の特徴の整理、検討を行った。さらに、医療機器の回収を含めた医療機器の危害防止措置に関して、医療機器製造販売業者に対して調査を行い、製造販売業者における現状を把握した。
 最終年である3年目(令和3年度)の今年度は、1年目、2年目の研究調査結果を基に、都道府県、医療機器製造販売業者の意見も取り入れ、医療機器の危害防止措置ガイダンス案を作成する。
研究方法
 以下の作業を行い、医療機器の危害防止措置の適切な実施に係る留意事項(案)をとりまとめた。
1 留意事項骨子案の作成
2 留意事項原案の作成
3 留意事項(案)の作成・とりまとめ
4 都道府県及び医療機器製造販売業者の意見聴取
結果と考察
 1年目、2年目の研究調査結果を基に、都道府県、医療機器製造販売業者の意見も取り入れ、以下の項目からなる医療機器の危害防止措置の適切な実施に係る留意事項(案)をとりまとめた。
1 安全管理部門の適切な人員の確保
2 製造販売後安全対策の状況の経営陣への説明
3 海外本社・海外の輸入元企業との情報交換を通じた意思決定の円滑化等
4 GVPに基づく適切な安全管理情報の収集
5 速やかな不具合等報告の完了
6 安全確保措置の医療現場への周知方法の整備と社内関係者への周知
7 自主回収(改修)に係る行政への報告時の確認事項
結論
 医療機器製造販売業者は、医薬品医療機器等法、GVP等に基づき、製造販売後安全管理業務を実施している。医療機器に何らかの不良又は不具合が生じた場合に、当該医療機器による保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するため、医療機器製造販売業者は、日頃から、体制を整え、医療機器の危害防止措置の適切な実施に努める必要がある。
 本研究でとりまとめられた医療機器の危害防止措置の適切な実施に係る留意事項(案)が活用され、医療機器の危害防止措置が迅速かつ適切に実施され、患者・国民の保健衛生の向上に資することとなることを期待する。

公開日・更新日

公開日
2022-05-31
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2022-05-31
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
202125006B
報告書区分
総合
研究課題名
医療機器の危害防止措置の適切な実施に係るガイダンスに関する研究
課題番号
19KC2006
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
渡邊 伸一(帝京平成大学 薬学部)
研究分担者(所属機関)
  • 青木 郁香(中村 郁香)(公益財団法人医療機器センター 医療機器産業研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 医薬品医療機器等法に基づき、医療機器の製造販売業者は、医療機器を回収するときは、回収に着手した旨及び回収の状況を都道府県知事に報告しなければならないこととされているところ、医療機器の不具合等による自主回収措置は、全国で年間400件程度が実施されている。
 さらに、医療機器の製造販売業者は、医薬品医療機器等法に基づき、医療機器の不具合等によるものと疑われる情報を知ったときには、厚生労働大臣に報告しなければならないこととされ、さらに、医療機器の使用によって保健衛生上の危害が発生し、又は拡大するおそれがあることを知ったときは、これを防止するために廃棄、回収、販売の停止、情報の提供その他必要な措置を講じなければならないこととされている。
 不良・不具合が生じた医療機器による保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するためには、製造販売業者が入手した情報に基づき、適切に、保健衛生上の危害が発生・拡大を防止するための措置等の判断を行うとともに、製造販売業者から報告を受けた都道府県及び都道府県から連絡を受けた厚生労働省においても、適切な回収措置と関係者への情報提供を行うよう、製造販売業者を指導するため、適宜、適切に判断しなければならない。
 そこで、本研究においては、医療機器に何らかの不良又は不具合が生じた場合に、当該医療機器による保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するため、医療機器の製造販売業者や国・都道府県が緊急時において速やかに適切な対応が取れるよう、医療機器製造販売業者の不具合情報等の処理の現状を把握するとともに、これまでの医療機器の回収に係る知見を整理し、医療機器の危害防止措置の実施ガイダンス(留意事項)案を作成する。
研究方法
 以下のように、1年目及び2年目に調査等行い、それらの結果を基に、3年目に留意事項(案)を作成した。
1. 医療機器自主回収の概要(1年目)
2. 非医療従事者向けAEDの回収事例分析(1年目)
3. 医療機器プログラムの回収事例分析(1年目)
4. 医療機器回収にあたっての行政側の確認事項(1年目)
5. 医療機器製造販売業者に対する調査(2年目)
6. 留意事項(案)の作成(3年目)
結果と考察
1. 医療機器自主回収の概要(1年目)
 厚生労働省及び独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)が公表している医療機器回収情報を整理、とりまとめした公益財団法人医療機器センターのJAAME Searchを利用して、2000年から2018年度の医療機器の自主回収事例を調査した結果、6,889件の自主回収が行われていた。
2. 非医療従事者向けAEDの回収事例分析(1年目)
 医療機器センターのJAAME Searchを利用して、作成日が2014年4月から2019年3月までの5年間の非医療従事者が使用することが想定される体外式除細動器(いわゆるAEDと付属品)の回収事例を確認したところ、13件の回収があったことから、これらを対象に分析した。
3. 医療機器プログラムの回収事例分析(1年目)
 医療機器センターのJAAME Searchを利用して、「一般的名称:プログラム」の検索式で回収事例を収集した結果、2015年から2019年までの36件の回収事例が収集された(2020年2月27日時点)。
4. 医療機器回収にあたっての行政側の確認事項(1年目)
 医療機器製造販売業者の窓口となる都道府県において、医療機器製造販売業者より医療機器の自主回収の相談等がなされた際に、どのような内容を企業に対してヒアリングするのかについて、厚生労働省を通じて、東京と大阪府に確認を行った。
5. 医療機器製造販売業者に対する調査(2年目)
 Webによる調査回答件数は225件であった。
6. 留意事項(案)の作成(3年目)
 1年目及び2年目の調査研究結果を基に、都道府県及び医療機器製造販売業者の意見を聞いて検討を行い、以下の項目からなる「医療機器の危害防止措置の適切な実施に係る留意事項(案)」をとりまとめた。
(1)安全管理部門の適切な人員の確保
(2)製造販売後安全対策の状況の経営陣への説明
(3)海外本社・海外の輸入元企業との情報交換を通じた意思決定の円滑化等
(4)GVPに基づく適切な安全管理情報の収集
(5)速やかな不具合等報告の完了
(6)安全確保措置の医療現場への周知方法の整備と社内関係者への周知
(7)自主回収(改修)に係る行政への報告時の確認事項
結論
 本研究でとりまとめられた、医療機器の危害防止措置の適切な実施に係る留意事項(案)は、医機連が作成した自主回収ガイダンスに加えて、医療機器製造販売業者が医療機器の危害防止措置を適切に実施するに当たり、参考になるものと考える。

公開日・更新日

公開日
2022-05-31
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2022-05-31
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202125006C

収支報告書

文献番号
202125006Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
1,500,000円
(2)補助金確定額
548,000円
差引額 [(1)-(2)]
952,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 203,682円
人件費・謝金 0円
旅費 0円
その他 104,318円
間接経費 240,000円
合計 548,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2024-05-28
更新日
-