悪性黒色腫におけるセンチネルリンパ節の同定と転移の検索

文献情報

文献番号
200818008A
報告書区分
総括
研究課題名
悪性黒色腫におけるセンチネルリンパ節の同定と転移の検索
課題番号
H19-臨床試験・一般-013
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
斎田 俊明(国立大学法人信州大学 医学部皮膚科学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 山崎直也(国立がんセンター中央病院 皮膚科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究・予防・治療技術開発研究)
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
5,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 日本人の悪性黒色腫患者を対象に、統一された手技でセンチネルリンパ節生検を多施設共同研究として実施し、特にセンチネルリンパ節の同定に用いられている検査薬の安全性と有効性を評価することである。
研究方法
 昨年度の会議で討議し作成した以下のような共通プロトコールに沿って検討を行い、症例を集積し本検査の安全性と有効性を評価する。
<評価予定の薬剤>(商品名)
色素:インジゴカルミン注第一、ジアグノグリーン注、パテントブルー
RI標識コロイド:スズコロイド注調整用キット、スズコロイド注セット、テクネフチン酸キット
(倫理面への配慮)
本研究は、「世界医師会ヘルシンキ宣言(2000年改訂)」および厚生労働省「臨床研究に関する倫理指針」等を遵守して行う
結果と考察
 共通プロトコール作成前の平成19年1月~平成20年3月と、作成後の平成20年4月~10月までの症例を集積し、中間解析を行った。総症例数は278例でセンチネルリンパ節の同定率は97.5%であった。共通プロトコールに則った症例は176例あり、同定率は96%であった。色素別同定率は、インドシアニングリーン 100%(28/28)、2%パテントブルー96.9%(220/227)、インジゴカルミン100%(6/6)であった。コロイド剤別同定率は、スズコロイド注調整用キット92.3%(60/65)、スズコロイド注セット100%(39/39)、テクネフチン酸キット98.7%(151/153)であった。問題となる有害反応は何も認められなかった。ただし、パルスオキシメーターにて低値を示した症例がみられたが、用いた生体色素のための見かけ上の低値であって、何の問題も生じなかった。
 以上の結果より、本検査ではセンチネルリンパ節を高率に同定できることが確認できた。また、生体色素、RI標識用コロイド剤の種類による同定率に大きな差は認められなかった。さらに問題となる有害反応も認められなかった。
結論
 本検査は有益で安全性も高いことが示唆された。症例数の十分ではない検査薬があるため、さらに症例を増やして平成21年度末(研究班終了時)には最終集計を行い、本検査の安全性と有効性について評価する予定である。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2009-10-29
更新日
-