アトピー性皮膚炎の症状の制御および治療法の普及に関する研究

文献情報

文献番号
200500730A
報告書区分
総括
研究課題名
アトピー性皮膚炎の症状の制御および治療法の普及に関する研究
課題番号
H17-免疫-002
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
古江 増隆(九州大学大学院医学研究院皮膚科学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 高森 建二(順天堂大学医学部附属順天堂浦安病院皮膚科)
  • 相馬 良直(聖マリアンナ医科大学皮膚科)
  • 秀 道広(広島大学医学部皮膚科)
  • 佐伯 秀久(東京大学大学院医学系研究科皮膚科)
  • 浜崎 雄平(佐賀大学医学部小児科)
  • 遠山 正彌(大阪大学大学院医学系研究科ポストゲノム疾患解析学)
  • 永井 博弌(岐阜薬科大学)
  • 佐々木 りか子(国立成育医療センター第二専門診療部皮膚科)
  • 大矢 幸弘(国立成育医療センター第一専門診療部アレルギー科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患予防・治療研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
39,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
アトピー性皮膚炎の根本的な症状である痒みを臨床的あるいは基礎的に評価・研究し、具体的な対処法や治療法を広く国民に普及することを目的とし、かゆみを軽減する具体的対処法を分かりやすく解説する「かゆみをやっつけよう」(仮称)というインターネットサイトを作成する。
研究方法
1)痒みの臨床的評価と制御、2)乳幼児アトピー性皮膚炎患児の痒みに対する治療者側の認識と対処法についての調査研究、3)痒み対策指導、4)抗アレルギー薬および保湿外用剤、5)光線治療の臨床的評価に関する研究、6)アトピー性皮膚炎患者のQOL尺度の開発研究、7)動物モデルを用いた痒みの基礎的解析、8)アトピー性皮膚炎の痒みのメカニズム-知覚神経線維の表皮内侵入と消退メカニズム-、9)アトピー性皮膚炎モデルマウスにおける表皮内神経線維侵入の組織学的解析、10)アトピー性皮膚炎患者皮膚組織における知覚神経受容体ファミリーの発現、11)モデルマウスを用いた皮膚炎の基礎的研究、12)各種モデルマウスを用いた掻き行動・表皮内神経伸長に対するMEK1/2阻害薬の抑制効果に関する研究、を行う。得られたデータをもとに、「かゆみをやっつけよう」というホームページを作成する。
結果と考察
痒みに対する薬剤としては,ステロイドが最も有効であると考えていることが判明した.近年,多用され始めたタクロリムスの評価は乳幼児では明確でないことが伺われる.日用品による痒み抑制効果を検討した。アンケート調査をもとにQOL調査票のための項目を検討した。動物モデルの皮膚炎に対し、FK506は掻破行動を明らかに抑制した。表皮内神経線維の密度が増加しているSPF-NC/Ngaマウスとでは神経成長因子(NGF)とEGFファミリーの一種であるアンフィレギュリン(AR)の発現量およびgelatinase活性レベルが上昇していた。MEK1/2抑制剤であるK412(CX-659S)は掻き動作やPCl外用により誘発される皮膚腫脹、局所の肥満細胞の増加、表皮内神経伸張をFK506とほぼ同程度に抑制した。ホームページ「かゆみをやっつけよう」の項目立てを検討した。
結論
ホームページ「かゆみをやっつけよう」を作成するフレームワークを設定できた。

公開日・更新日

公開日
2006-07-20
更新日
-