消化管悪性腫瘍に対するリンパ節郭清に関する研究

文献情報

文献番号
200500505A
報告書区分
総括
研究課題名
消化管悪性腫瘍に対するリンパ節郭清に関する研究
課題番号
H16-がん臨床-034
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
佐野 武(国立がんセンター中央病院外科)
研究分担者(所属機関)
  • 塚原康生(市立豊中病院外科)
  • 齋藤 俊博(仙台医療センター)
  • 木下 平(国立がんセンター東病院外科)
  • 栗田 啓(四国がんセンター)
  • 北村 正次(東京都立墨東病院)
  • 辻仲 利政(大阪医療センター)
  • 谷川 允彦(大阪医科大学)
  • 藤谷 恒明(宮城県立がんセンター)
  • 山上 裕機(和歌山県立医科大学)
  • 清水 利夫(国立国際医療センター)
  • 竹中 温(京都第2赤十字病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
26,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 胃上部の進行癌では、脾門部および脾動脈に沿ったリンパ節にしばしば転移が認められる。これを郭清する目的で、胃全摘手術時に脾合併切除が行われてきた。しかし脾合併切除が予後を改善するか否かは明らかでない。本研究は、これをランダム化比較試験(RCT)で明らかにすることを目的とする。
研究方法
 がん専門施設を中心としたJCOG胃がん外科グループ30施設により、RCTを行う。胃上部の進行癌で、大弯線に腫瘍がかからないものを対象とする。食道浸潤癌や残胃癌、スキルス癌は除外する。開腹時に腹腔洗浄細胞診を行い、これが陰性の症例を中央電話方式で登録し、脾を温存するか、合併切除するかの割付を受ける。術後は補助化学療法を行わない。生存期間を主たる評価項目とする。
結果と考察
 平成14年6月から症例登録を開始した。平成18年3月末までに計295例が登録された。当初の予定よりやや遅いペースであるが、着実に進んでいる。平成18年後半には、第1回中間解析が行われる予定である。術後合併症や死亡については定期的にモニタリングを行っており、試験の安全性は確認されている。
 平成17年7、8月に、参加全施設におけるすべての胃全摘症例の調査を行い、本RCTに登録される症例が全体に占める割合を調査した。手術前に本RCTの適格基準を満たした症例は25%で、同意取得率は6割で、実際に登録された症例は1割であった。年齢、早期胃癌やスキルス癌などが主な除外の理由であった。
結論
本試験は胃癌治療に関して長年未解決であった重要な問題に結論を与えうるものであり、国際的にも注目を集めている。目標症例500例に向けて着実にRCTが進んでいる。

公開日・更新日

公開日
2006-05-26
更新日
-