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文献情報

文献番号 201708021A
報告書区分 総括
研究課題 都道府県がん登録の全国集計データと診療情報等との併用・突合によるがん統計整備及び活用促進の研究
課題番号 H29-がん対策-一般-016
研究年度 平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関) 松田 智大(国立研究開発法人国立がん研究センター がん対策情報センター がん登録センター) 
研究分担者(所属機関) 伊藤 秀美(愛知県がんセンター研究所遺伝子医療研究部)、杉山 裕美(公益財団法人放射線影響研究所疫学部)、大木 いずみ(栃木県立がんセンターがん予防情報相談部)、中田 佳世(山田 佳世)(地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンターがん対策センター・政策情報部)、西野 善一(金沢医科大学医学部公衆衛生学)、加茂 憲一(札幌医科大学医療人育成センター)、伊藤 ゆり(地域独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンターがん対策センター)、柴田 亜希子(国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター・がん登録センター)、片野田 耕太(国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センターがん統計・総合解析研究部)、雑賀 公美子(国立研究開発法人国立がん研究センター社会と健康研究センター検診研究部)、堀 芽久美(国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センターがん統計・総合解析研究部)、宮代 勲(地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンターがん対策センター)、澤田 典絵(国立研究開発法人国立がん研究センター社会と健康研究センター疫学研究部)、重久 卓郎(サイニクス株式会社) 
研究区分 厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん対策推進総合研究
開始年度 平成29(2017)年度
終了予定年度 平成31(2019)年度
研究費 11,218,000円
研究者交替、所属機関変更  

研究報告書(概要版)

概要版 研究目的:
がん登録データと既存データを併用したがんの実態把握方法の具体例を示し、データ活用を促進する必要がある。がん登録データと既存の大規模がん統計データとの併用及び突合による詳細ながんの動向把握により、データ活用の正しい方向付けを目的とする。
研究方法:
47都道府県に個別匿名データ提供を依頼、2014の罹患数・率推計をする。院内がん登録全国集計データを分析し、医療機関内の特性を県別に把握する。人口動態統計死亡票を用い、患者の予後及び原死因を特定する。がん検診精度管理のルーチン化を実施する。大規模コホート研究や、製薬企業等でのがん登録データ活用方法の検討を行う。最新の統計モデル手法を用いて、将来推計等を実施し、がん対策に活用するとともに、一般国民に役立つ統計値を算出する。
結果と考察:
2014年の全国がん罹患数47都道府県合計値は、男50.2万人、女36.6万人、合計86.7万人となり、年齢調整罹患率は、男女計で354.6、男429.4、女300.7となった。限局前立腺がんでは、治療にかかわらず、5年相対生存率は100%を上回っていた。日英の比較では、白血病、リンパ腫、脳腫瘍(悪性のみ)、腎腫瘍、悪性骨腫瘍、軟部腫瘍、他の上皮性がんについては、英国が日本の罹患率を有意に上回っていた。単純合計値と推計値は、ほぼ同値となり、全国がん登録での手法によるがん統計が整備できた。80歳以上の限局前立腺がん患者では治療しなくても過剰死亡がないことがわかった。詳細な国際比較を進めるには、組織情報を充実させる必要がある。全国がん登録の照合では、死亡日がない場合は住所が重要な指標となり、対象が死亡者である場合は、自動同定基準を引き下げてもよい。診断・治療に拠点病院が関与する割合は、8府県全体で53.9%であった。54二次医療圏につき国指定拠点病院で診断・治療を受けた者の割合は29.5%から90.7%(中央値56.2%)に分布し、19医療圏では50%未満であった。割合が低い医療圏では、質の向上効果が十分反映しないことが考えられる。入手した死亡票のうち372,557件を分析したところ、5年経過時のがん以外死因の割合に増加がみられた。がん患者が高齢化し、生存率が向上すれば、割合の増加が考えられる。和歌山市の2012年度がん検診受診者情報は、胃がん4,373例、大腸がん11,190例、肺がん7,632例、乳がん6,619例、子宮頸部12,289例であった。他の自治体でも同様の解析や評価ができるような手順書等を整備する必要がある。2県から実態アンケートから、外部照合機能による1件あたりの目視照合に1分程度が必要であることがわかった。コホート研究側の住所の記載方法が統一されておらず、照合作業が手間取っている可能性がある。製薬企業担当者(99名、28社)を対象に調査を実施した。事前調査で、地域がん登録を利用しているのは58名(58.6%)だった。事後調査では、利用経験の有無に関わらず、がん登録関連統計を正しく認知していない結果が得られた。周知により、利用はより促進すると考える。がん罹患数の分布や信頼性評価のための数理モデルを混合効果モデルに基づいて構築した。がん罹患の実測値はDCN割合の影響を受ける傾向にあったが、推定結果はこの点が補正されていた。6府県について、主要ながんの生存率における府県格差の経時変化を検討した。27県の2009〜11年のデータを用いて、小児・AYA世代のがんの集計を行った。高精度の3県のデータを用いて、肺がんの進行度不明の推移を調べ、多重代入法を用いた補完方法のレビューを行った。胃がん検診のあり方を検討するシミュレーションモデル構築のために、噴門部以外の腸型胃腺癌の年齢階級別罹患率を算出した。感染、生活習慣起因がんの男女別罹患数を算出した。生存率の改善傾向と府県間格差の縮小傾向が示唆された。小児がん罹患率は過小評価があると考えらえる。肺がんの進行度不明の割合が経時的に減っていた。日本の胃がんは、多くが噴門部以外の腸型腺癌であった。
結論:
長期間のがん登録データを、他国と比較することにより、わが国のがんの特徴を明らかにできた。拠点病院は量的には一定程度、がんをカバーしていた。がん検診精度管理の際の具体的な課題等をステークホルダー毎にまとめることができた。大規模コホート研究へのがん登録情報の利用は、同定基準を明示することでより効率的に行われる。製薬企業においてはがん登録の特徴や分析手法を整理する必要性があることが判明した。がん患者の生存率の傾向や、日本の小児AYAがんの罹患、進行度不明がんの年次推移、予防・危険因子と関連するがんの罹患状況の検討ができた。
公開日 2018年09月14日
研究報告書
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分担研究報告書
研究成果の刊行に関する一覧表

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公開日・更新日

公開日 2018年08月23日
更新日 2018年09月14日

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