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文献情報

文献番号 201608009A
報告書区分 総括
研究課題 受動喫煙防止等のたばこ対策の推進に関する研究
課題番号 H28-循環器等-一般-002
研究年度 平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関) 中村 正和(公益社団法人地域医療振興協会 ヘルスプロモーション研究センター) 
研究分担者(所属機関) 大和 浩(産業医科大学産業生態科学研究所)、河井 一明(産業医科大学産業生態科学研究所)、五十嵐 中(東京大学大学院薬学系研究科)、田淵 貴大(地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センターがん予防情報センター)、欅田 尚樹(国立保健医療科学院生活環境研究部)、平野 公康(国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センターたばこ政策支援部)、原田 正平(聖徳大学児童学部)、岡本 光樹(岡本総合法律事務所)、大森 久光(熊本大学大学院生命科学研究部)、片野田 耕太(国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センターがん登録センター) 
研究区分 厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
開始年度 平成28(2016)年度
終了予定年度 平成30(2018)年度
研究費 11,800,000円
研究者交替、所属機関変更  

研究報告書(概要版)

概要版 研究目的:
本研究は、たばこ規制枠組み条約(FCTC)に照らして特に取組みが遅れている受動喫煙防止、広告・販売促進・後援の禁止、健康警告表示の3政策に重点をおき、政策化に役立つエビデンスの構築と実効性のある政策の提言を目的としている。
研究方法:
受動喫煙防止については、2016年度後半から法制化の動きが活発になったことを受け、重点テーマと位置づけ、受動喫煙による超過医療費と入院に伴う労働力損失の推計、大手ファミレスにおける禁煙化の飲食店の営業収入に及ぼす影響の検討、受動喫煙の他者危害性の理解につながる曝露指標の検討、たばこ産業等による受動喫煙防止対策への政策干渉の分析を行った。そのほか、子どもを受動喫煙から守る観点から自動車内ならびに家庭内での受動喫煙防止の規制方法を検討した。受動喫煙の他者危害性を啓発するメディアキャンペーンの方法論の開発にむけて、他者危害性に関するインターネット調査を実施した。本調査に合わせて、2016年6月に財務省から発表されたたばこパッケージの注意文言改定案に関する意識調査と、広告等の規制に関する意識調査を同時実施した。 そのほか、健康日本21(第二次)における成人喫煙率の目標値を達成するための政策ミックスの検討、健診の場でのCOPDを含めたたばこの健康影響の啓発と禁煙推進の効果検証、2018年度からの第三期の特定健診・特定保健指導の見直しにむけた禁煙支援の義務化と受動喫煙の健康影響の情報提供に関する政策提言を行ったほか、厚生労働省の「喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書」(いわゆるたばこ白書)の作成に研究メンバー8名が中心的に関わった。
結果と考察:
2014年における1年間の喫煙ならびに受動喫煙による超過医療費は能動喫煙11,669億円、受動喫煙3,233億円、超過入院による生産性低下は2494億円(能動喫煙1,672億円、受動喫煙821億円)、喫煙離席による生産性低下5,496億円となった。某ファミリーレストランの営業収入の分析の結果、喫煙専用室を設置して全席禁煙化を行った場合、実施後の営業収入は実施前に比べて有意に増加することが明らかになった。国や自治体の受動喫煙防止対策への政策干渉として、たばこ産業等が建物内禁煙の実現を阻害する意見具申等を行っている実態が確認された。子供が同乗している自動車内での喫煙を罰則付きで禁止する条例の案文を作成し、自治体への提示と意見交換を行った。他者危害性の理解につながる新しい曝露指標として、発がん物質の曝露指標であるたばこ特異的ニトロソアミンやDNAのメチル付加体の1つである7-メチルグアニンが有用であると考えられ、後者について実用化にむけて基礎的検討を開始した。他者危害性の認識についてインターネット調査を実施し、受動喫煙の他者危害性を認識していない者では、受動喫煙防止対策として屋内を全面禁煙とすることを支持する傾向が低いことがわかった。この調査にあわせて、広告等の規制に対する実態調査や意識調査と警告表示の財務省改定案のインパクトを調べる調査を実施した。その結果、たばこ広告を禁止することについては半数近くの回答者が肯定的な認識を示していること、警告表示の改定案のインパクトは現行の表示と比べて大差がないことが明らかになった。成人喫煙率減少の目標達成に必要な対策を検討した結果、受動喫煙防止の法制化、健診等の場での短期介入普及、クイットラインの実施に加えて、たばこ価格を現行の2倍以上に引き上げる必要があると推定された。そのほか、肺機能検査や質問票によるCOPDスクリーニングがCOPDの認知度や禁煙率に及ぼす効果を調べるためのRCT研究計画を作成した。政策化に関わる活動として、2018年度からの第三期の特定健診・特定保健指導の見直しにむけて、禁煙支援の義務化と受動喫煙の健康影響の情報提供に関する政策提言を作成し、関連学会と協働して厚生労働省に要望書を提出した。その結果、受動喫煙の健康影響に関する情報提供が努力義務として実施される見通しとなった。厚生労働省のたばこ白書が15年ぶりに改訂され、喫煙と疾患の因果関係が4段階で初めて評価され、今後の政策推進の有用な根拠資料となった。
結論:
超高齢化社会の到来にむけて、生活習慣病や介護の原因に深く関係する喫煙ならびに受動喫煙の低減を図ることの社会的意義は大きい。今年度、研究成果として得られた飲食店等のサービス産業への経済影響をはじめ、法規制の必要性の根拠となる受動喫煙による医療費等への影響や他者危害性に関するエビデンスは、受動喫煙防止の法規制強化の審議において有用な資料となると考える。また、2016年6月に発表された財務省の注意文言の改定案に関する意識調査の結果は、その改定をより実効性のあるものにする上での有用な根拠となり得る。
公開日 2017年05月31日
研究報告書
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分担研究報告書
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公開日・更新日

公開日 2017年05月31日
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