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文献情報

文献番号 201328063A
報告書区分 総括
研究課題 「脱法ドラッグ」を含む薬物乱用・依存状況の実態把握と薬物依存症者の「回復」とその家族に対する支援に関する研究
課題番号 H25-医薬-一般-018
研究年度 平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関) 和田 清(国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所薬物依存研究部) 
研究分担者(所属機関) 松本 俊彦(国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所薬物依存研究部 )、上條 吉人(北里大学医学部 中毒・心身総合救急医学)、庄司 正実(目白大学 人間学部)、福永 龍繁(東京都監察医務院)、嶋根 卓也(国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所薬物依存研究部 )、宮永 耕(東海大学 健康科学部)、近藤 あゆみ(新潟医療福祉大学 社会福祉学部) 
研究区分 厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
開始年度 平成25(2013)年度
終了予定年度 平成26(2014)年度
研究費 18,000,000円
研究者交替、所属機関変更  

研究報告書(概要版)

概要版 研究目的:
薬物乱用・依存対策の立案・評価のための基礎資料に供するために、(研究1)「脱法ドラッグ」を含む薬物乱用・依存の実態把握調査と,再乱用防止のための(研究2)薬物依存症者の「回復」とその家族に対する支援に関する研究を行った。
研究方法:
(研究1)全国住民調査(層化二段無作為抽出法により選ばれた全国の15歳〜64歳の5,000人に対する自記式調査),救命救急センター受診者調査,監察医務院での解剖事例調査を行った.全国精神科病院調査,児童自立支援施設入所者調査では次年度の準備を行った.薬剤師による向精神薬乱用者への応対経験調査と薬剤師に対する「ゲートキーパー研修会」の実施・効果判定を行った.(研究2)精神保健福祉センター等で家族心理教育プログラムの実施・評価測定を行った.薬物乱用者に対する社会復帰支援強化のためのダルク調査の準備を行った.
結果と考察:
(研究1)「全国住民調査」では,喫煙の1年経験率は、男性で39.4%、女性で16.5%、全体で27.2%であり,過去最低の記録であった。鎮痛薬、精神安定薬、睡眠薬の1年経験率は、鎮痛薬で61.4%、精神安定薬で6.2、睡眠薬で5.6%であった。1年経験者認知率(この1年間で、身近に違法薬物を乱用したことがある人を知っている率)は、大麻0.9%、有機溶剤0.8%、「脱法ドラッグ」0.8%、覚せい剤0.5%、MDMA0.1%の順であった。今回の調査で大麻が初めてトップとなった。同時に、「脱法ドラッグ」が有機溶剤と同じ割合で2番目に高かったことも、今日的薬物乱用状況を反映していると推定できる。生涯被誘惑率(これまでに1回でも誘われたことのある者の率)は、大麻で2.7%、有機溶剤で2.6%、覚せい剤で0.9%、MDMAで0.4%、コカインで0.3%の順に高かった(「脱法ドラッグ」については未調査)。生涯経験率は、有機溶剤で1.9%、大麻で1.1%、覚せい剤で0.5%、MDAMで0.3%、「脱法ドラッグ」で0.4%であった。いずれかの薬物の生涯経験率は2.5%であった。生涯経験者の平均年齢は、有機溶剤で43.8歳と最も高く、有機溶剤の生涯経験率は「過去の経験」の反映であることが強く示唆された。それ以外の薬物の生涯経験者の平均年齢は40歳代初めがほとんどであったが、「脱法ドラッグ」のみ33.8歳であり、「脱法ドラッグ」の乱用が現時点での重要問題であることが強く示唆していた。「脱法ドラッグ」乱用経験者の75%の者には大麻の乱用経験もあった.「脱法ドラッグ」の害知識周知率は61.5%と低かった.「救命救急センター受診者調査」では搬送者の82.0%は男性で、20歳〜30歳代が80.5%を占め,86.0%が「脱法ハーブ」の吸入(87.5%)であった。10.8%の患者に、中毒を生じた現場で対人・対物への暴力、交通事故、自傷行為または自殺企図などの有害行為が認められ,10%の患者には横紋筋融解症等の身体合併症が見られた.(研究2)70.4%の家族が,家族心理教育プログラムは「有効」であると回答していた.
結論:
2013年の全国住民調査は「脱法ドラッグ」の乱用の拡がりを調べる、わが国初の全国調査となった。薬物乱用の生涯誘惑率、生涯経験率は、経年的視点からは、ほとんどの薬物で「横ばい」傾向を示す中で、唯一、大麻だけが生涯被誘惑率、生涯経験率ともに確実な漸増傾向を示していた。同時に,1年経験者認知率でも,大麻が初めて第一位となり,「脱法ドラッグ」が有機溶剤と共に第二位であった.生涯経験率は、有機溶剤>大麻>覚せい剤>MDAM>「脱法ドラッグ」の順に高いが、有機溶剤の生涯経験者の平均年齢は43.8歳と最も高く,「脱法ドラッグ」生涯経験者では33.8歳と最も若かった.「脱法ドラッグ」生涯経験者の75%の者に大麻乱用の経験もあるという結果であった.「脱法ドラッグ」の害知識の周知率は低く、「脱法ドラッグ」乱用に対する教育・啓発活動と大麻乱用対策が今日的急務である。また,家族心理教育プログラムの普及が急務である.
公開日 2018年06月21日
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公開日・更新日

公開日 2015年03月02日
更新日 -

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