概要版

文献情報

文献番号 201235064A
報告書区分 総括
研究課題 小児における精神疾患治療薬の使用実態の把握と安全性評価に関する薬剤疫学研究に基づく適応外使用是正のための研究
課題番号 H24-医薬-若手-011
研究年度 平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関) 小原 拓(東北大学 東北メディカル・メガバンク機構) 
研究分担者(所属機関)   
研究区分 厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
開始年度 平成24(2012)年度
終了予定年度 平成25(2013)年度
研究費 2,400,000円
研究者交替、所属機関変更  

研究報告書(概要版)

概要版 研究目的:
 本研究の目的は、小児における精神疾患治療薬の処方・服用実態の解明、および小児における精神疾患治療薬の安全性評価に関する薬剤疫学研究の実践であり、これらを通して、「医療情報データベースの活用による医薬品等安全性対策の推進」および「小児薬物治療における適応外使用の是正」に貢献すること。
研究方法:
 今年度は、本邦のADHDおよびPDD小児患者に対する医薬品処方の現状を明らかにすることを目的に、日本医療データセンターが有するレセプトデータ等から、2005年1月1日から2010年12月31日までにADHD (IC10コード: F900)およびPDD(IC10コード: F840−F849)の診断名を新規に有した18歳未満の小児患者(2010年12月時点で累計3276名)を抽出した。薬剤は、解剖治療化学(ATC: Anatomical Therapeutic Chemical)分類で“神経系”に属する薬剤を抽出し、各患者の処方薬をATC分類名および一般名毎に集計した。処方された患者数を分子、各処方年までの18歳未満の累計患者数を分母として処方割合を算出した。2005年から2010年における各年の処方割合をATC分類名または一般名毎に算出し、その年次推移を捉えた。
結果と考察:
 ADHD小児患者は、2005年は67名、2006年は144名、2007年は245名、2008年は430名、2009年は655名、2010年は1021名であり、いずれの年においても男児が85%以上を占めていた。各ATC分類名のうち、精神刺激薬、その他全ての中枢神経系用薬、および非定型抗精神病薬が2006年から2010年にかけ一貫して増加しており、このうち2010年において精神刺激薬の処方割合が31.5%と最も高率であった。一般名別に検討したところ、メチルフェニデート散・錠の処方割合が2005年の13.4%から2008年の0.5%に減少したと同時に、小児ADHDの適応を有するメチルフェニデート徐放錠の処方割合が、2008年に19.5%、2010年に31.2%と急増していた。アトモキセチンの処方割合も増加しており、2008年および2010年においてそれぞれ3.8%および13.0%であった。その他、リスペリドンの処方割合が2008年に4.7%、2010年に10.0%と増加していたが、その他の薬剤の処方割合については顕著な年次変化は認められなかった。  また、2010年の解析対象者1021名における併存障害別の医薬品処方状況を評価した。ADHD小児患者の併存障害として、発達障害が406名 (39.5%)、不安障害など情緒障害が123名 (12.0%)、てんかんが112名 (10.9%)、チック障害など神経性習癖が88名 (8.6%)、行動障害が12名 (1.2%)に認められた。他の併存障害群に比べ、情緒障害群でメチルフェニデート徐放錠(52.0%)、フルボキサミン(12.2%)、およびアリピプラゾール(10.6%)の処方割合が、てんかん群でバルプロ酸(37.5%)、カルバマゼピン(19.6%)、トリクロホス(17.0%)の処方割合が高率であった。一方、メチルフェニデート徐放錠の処方割合は、他の併存障害群に比べ、併存障害のない486名で低率を示した(31.2%〜66.7% vs. 18.7%)。  PDD小児患者の対象者は、2005年は342名、2006年は742名、2007年は1260名、2008年は1881名、2009年は2501名、2010年は3276名であり、いずれの年においても男児の割合が約75%と高率であった。2010年に向けて、非定型抗精神病薬、その他の抗精神病薬、SSRI抗うつ薬、その他の抗うつ薬、精神刺激薬、その他全ての中枢神経系用薬、およびパーキンソン病/症候群治療薬の処方割合が増加しており、2010年において非定型抗精神病薬の処方割合が8.3%と、ATC分類名の中で最も高率であった。一般名を用いた集計では、リスペリドンの処方割合が一貫した増加を示しており、2010年において6.9%と調査対象薬剤のうち最も高率であった。同様に、アリピプラゾールの処方割合も増加しており、2010年において1.9%であった。一方、ピモジドの処方割合に関しては一貫した年次推移は認められず、2010年において0.4%と低率であった。その他、メチルフェニデート徐放錠およびアトモキセチンの処方割合が顕著に増加しており、2010年においてそれぞれ4.9%および2.2%であった。
結論:
 今年度の研究の結果、ADHDおよびPDDを有する本邦の小児患者に対する医薬品処方状況が明らかとなり、適応外使用の可能性が考えられる各種薬剤の処方割合が増加していることが明らかとなった。
公開日 -
研究報告書

ファイルリスト

公開日・更新日

公開日 -
更新日 2013年10月31日

ファイルリスト

公開日・更新日

公開日 2014年06月05日
更新日 -
収支報告書

文献情報

文献番号 201235064Z

報告年月日

報告年月日 2013年05月30日
 

収入

(1)補助金交付額 3,120,000円
(2)補助金確定額 3,120,000円
差引額 [(1)-(2)] 0円
 

支出

研究費(内訳) 直接研究費 物品費 876,165円
人件費・謝金 357,321円
旅費 758,110円
その他 408,404円
間接経費 720,000円
合計 3,120,000円
 

備考

備考  
 

公開日・更新日

公開日 2014年05月08日

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