概要版

文献情報

文献番号 201205021A
報告書区分 総括
研究課題 後発医薬品の更なる使用促進に向けた調査研究
課題番号 H24-特別-指定-033
研究年度 平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関) 緒方 宏泰(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部) 
研究分担者(所属機関) 四方田 千佳子(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部 )、増原 慶壮(聖マリアンナ医科大学病院薬剤部)、陳  惠一(CJC ファーマ(株)) 
研究区分 厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
開始年度 平成24(2012)年度
終了予定年度 平成24(2012)年度
研究費 4,500,000円
研究者交替、所属機関変更  

研究報告書(概要版)

概要版 研究目的:
更なる後発医薬品の使用促進のための新規施策の検討として、一般名処方の加算対象品目を拡充するための研究(I)、医師・薬剤師等医療関係者が後発医薬品の処方や調剤をより行いやすくするために必要な環境整備についての研究(II)を行うことを目的とした。
研究方法:
(I)一般名処方において課題となる軟膏、クリーム、ゲル剤を抽出し、剤形および剤型(水性基剤/油性基剤、O/W型/W/O型、水性ゲル/油性ゲル)についてメーカーから回答を求めた。(II)薬剤師を対象に、後発医薬品に関する薬剤師の収集活動および、医師への情報の提供活動についてアンケートによる調査研究を行った。後発医薬品が薬物治療の主体を占める欧米における医薬品情報の収集、提供の体制について、後発医薬品の使用促進を行うためのインセンティブについて、文献調査また専門家への聞き取り調査を行った。
結果と考察:
結果 (I)軟膏剤とクリーム剤、ゲル剤の区別は明確ではなく、名称は渾然とした状態にあった。軟膏の標準製剤は軟膏、クリーム剤の標準製剤はクリーム剤という考え方はほぼ一貫していた。 (II)我が国においては、薬剤師による後発医薬品の情報収集手段は、MSやMRからが過半数を占め、医師への情報提供は少なく、行ったとしても口頭や選択した当該薬剤の資料のみで情報提供されている場合が多いと推測できた。 米国では中立的な立場での医薬品情報提供(Academic Detailing)を支援する法案が提出され、政府も予算付けし、支援するに至っている。先発医薬品と後発医薬品の添付文書内容がほぼ同一の内容となっている。添付文書以外の医薬品情報を整理した三次資料が多数存在し、ASHP DIなどの三次資料を国が公式文書として認めている。医療のIT化の促進が、「経済的および臨床的健全性のための医療情報技術に関する法律」によって進められている。 英国では、薬剤師による情報提供ネットワークUKMIが、病院、地域の家庭医や薬剤師に対する問い合わせ窓口を有している。地域ごとの医薬品情報の統括を行うセンターが配置され、UKMI Executivesが政府や保健省はじめ、各団体との交渉や連携をとり、薬剤師の全国ネットワークを指揮している。薬剤師の教育とその業務の審査を行い、質の保証を行っている。医薬品情報発信は電子的に行われ、ウェブサイトをUKMI が管理している。医薬品情報は薬剤師から、または、NHSの提供する様々なオンライン情報から得ることが主流で、後発薬だけに限らず、新薬についても同様である。 米国において、1980年代、米国Health Care Financing Administration (HCFA)が、償還等の処理を簡素化すること及び薬局に対してより安価な後発医薬品の使用を促進することを目的に、MAC (Maximum Allowable Cost)制度を導入している。仏では、ジェネリック医薬品を調剤した場合に薬剤師に経済的インセンティブを付与する刺激策を取った。これによりジェネリック医薬品が調剤されやすい環境が形成されることになった。 考察 (I)生物学的同等性が確認されている製剤間での互換が可能であるが、局所皮膚適用剤においては、更に、医薬品の名称に正確な剤形名が記載されること、剤型の情報、生物学的同等性が確認された標準医薬品名の情報が提供されることにより、一般名処方の対象とすることが可能と考えられる。 (II)米国に於ける医療従事者自身による中立的な医薬品評価及び情報提供活動、英国での薬剤師による情報提供ネットワークに見られるように、今後、医薬品情報を一元的に集約したシステムの構築が必要になる。フランスにおけるジェネリック医薬品促進策にみられるように、代替調剤に大きな役割を果たす薬剤師の機能及び医師の処方行動に着目し、それ相当の経済的インセンティブを政策的に付与することが不可欠であると考えられる。
結論:
(I)局所皮膚適用剤において、実態にあった剤形名が名称に記載されることとあわせ、適切に剤型が選択されるための情報が添付文書に記載されることが必要である。 (II)後発医薬品は社会財産化した原薬と臨床情報を患者の治療に使用することを目的に承認されている社会的存在物であり、その臨床情報の発信、伝達の多くの部分は社会的なインフラで担う必要がある。医薬情報の共有、発信を行う体制づくり、ネットづくりを行うことは、後発医薬品の使用促進目的に限定されず、今後の医薬情報提供の社会的インフラの構築のためにも重要な取り組みと考えられる。経済的インセンティブに関して、外来における薬剤定額制導入など、医療機関が後発医薬品使用等合理的な薬物治療の促進により何らかの経済的インセンティブがもたらされる制度の設計を検討すべきであろう。
公開日 2013年07月09日
研究報告書

ファイルリスト

公開日・更新日

公開日 2013年10月31日
更新日 -

行政効果報告(助成研究成果追跡資料)

文献情報

文献番号 201205021C

成果

専門的・学術的観点からの成果 局所皮膚適用製剤の臨床上の有効性・安全性の対照医薬品と試験医薬品の間での同等性の確保のあり方を検討した。生物学的同等性試験は有効成分の角層中薬物濃度比が規定範囲内にあることによって評価される。一方、疾患部の病態に対応した医薬品基剤の適切な選択が必要とされるが、それは、医師・薬剤師の専門性に基づく判断にゆだねられる。この2面の区分けにより、医薬品の一般名称で取り扱うための条件を提案した。また、後発医薬品の医薬品情報の提供主体を企業に置くのでなく、社会的なインフラに置くとの発想の転換を提案した。
臨床的観点からの成果 局所皮膚適用製剤を一般名称で取り扱うためのルールとして、医師・薬剤師の専門性に基づく判断を前提にした考え方を提案した。先発医薬品、後発医薬品を含め、医薬品情報の収集、伝達は我が国では主に企業が担うことが期待されているが、欧米ではむしろ第三者が担う取り組みがなされてきている。エビデンスに基づいた科学的で合理的な医薬品選択が強く求められる社会的状況下での進むべき一つの方向と考えられ、問題提起を行った。
ガイドライン等の開発 該当事項なし
その他行政的観点からの成果 該当事項なし
その他のインパクト 該当事項なし

発表状況

分類 種類 件数 備考
原著論文 和文 0件  
英文等 0件  
その他の論文 和文 0件  
英文等 0件  
学会発表 国内学会 1件 日本ジェネリック医薬品学会第7回学術大会(2013年7月8日)、シンポジウム2 今後必要となる医薬品情報とは?
国際学会等 0件  
その他の成果 特許 出願 0件  
特許 取得 0件  
施策への反映 0件  
普及・啓発活動 0件  

特許

分類 特許の名称 発明者名 権利者名 特許番号 出願年月日 取得年月日 国内外の別
               

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

  著者名 タイトル 雑誌名 開始頁
-終了頁
掲載論文のDOI(デジタルオブジェクト識別子)
                 

公開日・更新日

公開日 2015年06月01日
更新日 2016年06月24日

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